「年金予定額が低い…」そんな悩みに効く“老後のお金を増やす”3つのテクニックとは?
ファイナンシャルフィールド / 2020年8月5日 23時20分
「100年に一度」と言われる自然災害も、こう度々起こると、10年に一度は来ると思っていたほうが良さそうですね。その時の準備を怠りなく過ごしたいものです。 老後についてもそうですね。「備えあれば憂いなし」。ここでは、今一度、老後とお金について考えてみましょう。
頼りになるのは、やはり年金。あなたの年金額は?
1973年(昭和48年)のオイルショックの際、筆者は小学生。連日、トイレットペーパーの買い出しに、母と隣に住む親戚家族と4人で長い列に並んだものです。今はそれが笑い話の1つになっていますが。
まさか! そんな日がまた来るとは。東京・新宿区に住む筆者は、コロナショックで、生活必需品難民となりました。マスク、トイレットペーパーは、地方から送ってもらうことに。手洗いジェルは、今までよりも2倍以上の価格で購入しているなどなど。
老後に、そのような事態に遭遇したら、頼りになるのはやはり年金です。
しかし、50代前後の方々で「年金保険料を未納にしたままで、将来受給予定の年金は微々たるもの」という方も少なくないでしょう。でも諦めないでください。まだ手はあります。
国民年金第一号被保険者のための「任意加入」制度
国民年金は、20歳から60歳までの40年間支払う義務があります。
60歳時点で、さまざまな理由で40年間(480ヶ月)の国民年金の加入義務期間が欠けている場合には、65歳になっても「満額受給」できません。年金額の「満額受給」を望む場合は、申し出をすることにより、さかのぼって支払うことができます。しかし、下記の内容に注意をしてください。
■加入条件
1.60歳以上65歳までの方で、日本国内に住所のある方。
2.老齢年金の繰上げ受給をしていない方。
3.厚生年金保険、共済年金等に加入していない方。
4.加入義務期間(20歳から60歳未満までの保険料納付額が480ヶ月未満の方)。
・65歳前に年金の受給を受けている方(繰上げ受給をしている方)は「任意加入」を申し出ることはできません。
・65歳時点で、会社員となり厚生年等に加入している方は「任意加入」の申し出はできません(厚生年金部分の一部で加入できています)。
■加入手続き
60歳の誕生日の前日より可能。手続き場所は、お住まいの市区町村役場、またはお近くの年金事務所。
■支払い方法
原則、銀行口座振替。
■手続きに必要な持ち物
年金手帳と預貯金通帳および金融機関届出印。
公的年金は終身保障です。一生涯の保障のある国民年金を満額に近づけるのは、一番賢い方法だと思います。さらに「繰下げ」受給で、70歳に受給すれば年金が42%アップ。75歳で受け取れば84%にもなります。年金が約2倍になるのは大きなポイントです。
改正:確定拠出年金iDeCo加入要件の見直しで、ボーナスポイント
2つ目の方法は、税制優遇制度の高い「確定拠出年金」です。社会保険料控除と同じく、「全額所得控除」と「運用益非課税」、さらに「受取時の税制優遇」という3つのお得がある人気制度です。
老後の年金だけでは、生活資金が不足する可能性が高い、自営業等の第一号被保険者(国民年金加入者)にとっては、「自分年金」として、確定拠出年金iDeCoへの加入で、老後資金の柱を太くすることについては、多くの方がよくご理解されていると思います。今まで、iDeCoの加入は60歳まででした。
しかし、2022年5月から「任意加入」制度になり、年金保険料を支払っている方は、下記の要件のどちらかが満たされるまで、iDeCoの加入が延長されます。
・国民年金の加入が480ヶ月まで
・60歳以上65歳未満
60歳時点で450ヶ月加入だったAさんは、60歳以降も国民年金を納付。62歳と6ヶ月で480ヶ月となりました。まだ、年齢要件は残っていますが、加入期間の上限となり、これ以上、国民年金の加入はできないので、iDeCoの拠出も終了となります。
60歳時点で200ヶ月加入だったBさんは、60歳以降も納付。65歳未満の時点で260ヶ月になりました。まだ満額にはなりませんが、この時点で年齢要件が終了しこれ以上の支払いはできません。iDeCoの掛金拠出もここまでです。
※iDeCoの加入要件に「公的保険」の加入と併用というルールがあります。ですので、60歳時点で、国民年金の義務480ヶ月が終了している方は、iDeCoの掛金をそれ以上継続して拠出することはできません。
掛金の拠出は、上記の要件どおりですが、2022年5月から運用は最長75歳まで延長できることになりました。そこで、もう一息、投資金額を膨らませることができたらいいですね。
つみたてNISAには年齢制限がない
3つ目は、やはり「運用益非課税」制度があるNISAも年金と思い併用です。つみたてNISAの「長期・積立分散投資」のメリットを使って、老後のお金を増やしてみませんか。
つみたてNISAは、2037年まで投資可能です。今、50歳の方なら67歳まで継続投資ができますから、ちょうど年金受給の頃と重なり、不足する老後資金の補填になるばかりか、万が一途中でお金が必要になった場合でも引き出しも可能です。
冷静に考えて、預金も金融資産もなく、年金受給額が1年間に100万円以下で生活ができるでしょうか。今のうちに、しっかりと考えておく必要があります。
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
関連記事
4種類ある「もらえる年金の増やし方」概要とポイント解説
年金を増やす方法『付加保険料納付による付加年金』注意点を徹底解説
遺族年金を受けてきた妻の今後の年金(2)65歳以降の年金を増やす方法
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
大学生のころ学生納付特例を申請して猶予されていました。気が付くともう10年。そのままにしていますが、どうなりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月5日 9時10分
-
50代主婦、将来の年金が「月5万円」しかもらえないと聞きショックです。今から「月10万円」程度でも稼げば、年金額は増えるでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月2日 2時20分
-
40代非正規雇用、老後に受け取れる年金はいくら?
MONEYPLUS / 2024年4月26日 7時30分
-
定年で給料激減の59歳会社員、フリーランス転身を希望するも妻の猛反対に撃沈…から一転、〈月38.1万円〉の年金確保で「明るい老後」を描けるようになったワケ【FPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月25日 11時15分
-
知らなかった…年金見込額「月13万円」で老後が不安な59歳男性「月400円」で年金受給額を増やせる“錬金術”に歓喜【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月12日 11時15分
ランキング
-
1GWが明けたら次の祝日は7月の海の日…産業医が教える「年間幸福度」を最大に引き上げる有給の賢い取り方
プレジデントオンライン / 2024年5月7日 7時15分
-
2思わずクリック「フィッシング詐欺」メールの巧妙 専門家も見極め困難、2要素認証と「意識」が大切
東洋経済オンライン / 2024年5月7日 9時0分
-
3日本郵便と西濃が共同輸送 長距離対象、24年問題に対応
共同通信 / 2024年5月6日 17時34分
-
4「ブラザー工業のTOB案」にローランドDGが大反論 DG常務「傘下に入ると営業利益が50億円下押し」
東洋経済オンライン / 2024年5月7日 11時0分
-
5「ようやく再出発」ダイハツ本社工場で生産再開 国内の全工場が稼働に 停止から約4か月半…従業員「やっぱり長かった」
MBSニュース / 2024年5月7日 9時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください