飲食店へのコロナの影響は? ラーメン、カレーなど1人客が多い業種は影響が比較的少ない?
ファイナンシャルフィールド / 2020年10月11日 1時0分
新型コロナウイルスは7月から再び感染拡大し、9月後半には徐々に下降傾向といわれていました。しかし、東京都では依然として毎日かなりの数の感染者が発生しており、終息が見えない状況です。
長引くコロナ禍で、飲食店は厳しい状況が続いています。
ポスタス株式会社(東京都中央区)は、飲食店のPOSデータ調査結果に加え、2020年6月から8月のコロナ禍の飲食店において、食堂・定食、レストランなどの「食事系」、カフェ・喫茶といった「軽食」、寿司、中華料理などの「専門料理」、「居酒屋」の4業種・24ジャンル別の売上動向について調査しました(※)。
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全ての業種で7月から8月にかけて売上ダウン。「食事系」は8月は回復傾向も、「居酒屋」は回復が遅れる
まず、飲食店の4業種別の昨年度の売上と今年の売上を比較しました。その結果全ての業種で、6月から7月にかけての売上が上昇し、7月から8月にかけて下降しました。緊急事態宣言が解除された後、売上が伸びたものの、7月になって新型コロナの感染者数が再び増加し、東京都などで営業自粛要請が発令されたことによるものだと考えられます。
8月の時点で最も売上が回復しているのは 「食事系」で、昨年度比70.8%、回復が遅れているのは「居酒屋」で昨年度比52.3%であり、7月の64.2%から11.9ポイントと大きく下落しています。特に夜の売上比重の高い居酒屋は、営業自粛の影響が大きかったようです。
1人で食べる系の飲食店は比較的コロナの影響が少なく、みんなでシェア系の業態の店は落ち込みが大きい
次に、飲食店のジャンル別に6月から8月の売上の、昨年との対比の平均を見てみましょう。全体の平均は昨年対比63.1%ですが、「食事系」の「カレー」(77%)、「そば・うどん」(75%)、「ラーメン」(74%)など客単価が1000円台前後のジャンルは平均より高くなっています。
これらの業種はランチなどでよく利用されるほか、一人で誰とも話さず、店での滞在時間も短いことから、感染リスクが比較的低いと思われます。そのため、売上の落ち込みがそれほど大きくなかったのでしょう。
「専門料理」では「焼肉」(71%)、「韓国料理」(69%)、「寿司」(68%)、「お好み焼き」(67%)などのジャンルは全体平均を上回っています。これらは家族で利用されやすいほか、自分で調理できたり、テイクアウトしやすいことが理由ではないかと考えられます。
一方で、「専門料理」の中でも昨年より大きく落ち込んでいるのは、「沖縄料理」(42%)、「その他西洋料理」(47%)、「しゃぶしゃぶ」(48%)です。
「沖縄料理」は対象店舗の58%が沖縄県に集中しており、外出自粛による観光客の減少や、8月の感染者数拡大が売上に影響していると思われます。「その他西洋料理」は大皿から取り分けて食べるイメージがあり、みんなで同じ鍋をつつく「しゃぶしゃぶ」とともに敬遠される傾向にあったのではないでしょうか。
このことから、感染リスクが低そうであること、昼食などで日常的に利用されやすいこと、家族での食事に選ばれやすいことが、コロナの影響を受けにくい飲食店の業態であるようです。
7月は関東地方が、8月は九州・沖縄地方が売上悪化
次に、飲食店の月次売上推移を見ていきましょう。7月の飲食店の売上は昨年度の64%、客数は63%で、6月に比べて7ポイント改善しました。
「GO TO トラベル」キャンペーンが始まった週は昨年度の68%まで回復したものの、その後の感染拡大により最終週には55%まで悪化しました。エリア別で見ると、感染者数が激増した東京都を含む関東地方のみが、昨年度の59%と全国平均を下回り、全国平均からマイナス5ポイントとなりました。
8月の売上は昨年度の61%、客数は62%と、7月からさらに悪化しました。8月3日に全国の1日あたり感染者数が過去最多の1983人を記録。主要都市各地で、独自の緊急事態宣言や、飲食店への営業自粛要請が発令されたことが要因であったと思われます。前月と比較すると、エリアによって差が顕著に表れました。
エリア別で見ると、九州・沖縄地方と中部地方の落ち込みが大きく、前月と比べてそれぞれマイナス15%、マイナス12%となりました。お盆休みで、再びプラスの推移となり、全体では昨年の66%、関東地方では68%まで回復。その他、近畿地方や中部地方といった主要都市でも売上が伸びました。お盆明けにはいったん売上は下降しましたが、その後再び回復傾向となりました。
これから寒い時期を迎えるため、再び新型コロナやインフルエンザなどの感染者が増える恐れがあります。飲食店は厳しい状況が続くかもしれません。私たちは、感染防止策を徹底しているお店を利用したり、テイクアウトするなどして業界を支援したいものですね。
[出典]
※ポスタス株式会社「2020年8月度の飲食店POSデータ調査を発表」(株式会社 PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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