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住宅ローンのフルローンは危険? メリットとデメリットを知っておこう!

ファイナンシャルフィールド / 2020年12月27日 10時50分

住宅ローンのフルローンは危険? メリットとデメリットを知っておこう!

近年、住宅ローンをフルローンで借りる方が増えています。「フルローンは避けたほうが良い」という意見もありますが、なぜフルローンは危険なのか。そもそもフルローンとはどのようなものなのか、というところから解説します。

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住宅ローンのフルローンって何?

そもそも住宅ローンにおけるフルローンとはどういうものなのでしょうか。
 
通常、住宅ローンを借りる際には頭金を用意するケースが大半です。なぜなら、頭金を入れることで借入金額を少なくすることができ、それが月々の返済金額を抑えたり返済期間を短くしたりすることにつながるためです。
 
しかし、どうしても頭金を用意することができない、という方もいらっしゃるでしょう。そのようなケースに対応するために、最近では頭金なしで借りることができる住宅ローン商品が発売されています。この「頭金なしで借りることができる住宅ローン」がフルローンといわれるものです。
 

フルローンはなぜ危険といわれるの?

フルローンを利用することによる一番の問題は、「借入額の増加」です。借入する金額が増えることにより、支払う利息も当然増加します。また、毎月の返済額にもよりますが、頭金を入れないのであれば返済期間は長くなるでしょう。そうなると、頭金を入れるのと入れないのとで最終的な総返済額に大きな違いが生じます。
 
住宅ローンは他のローンと比べ、借入金額も大きく返済期間も長期にわたるものです。したがって、長期的な視点で見ると、頭金を用意しないフルローンは総返済額が大きくなり、さらには途中で売却しようと思っても売却金額よりもローン残債の方が多いという「オーバーローン」の状況を生み出す危険性も含んでいるといえます。
 
そういった意味でも、住宅ローンを利用する際は、できればフルローンを利用するのではなく、少しでも頭金を用意しておくことをおすすめします。
 

住宅ローンのフルローンのメリットって?

ただし、住宅ローンのフルローン利用にもメリットはあります。それは以下のとおりです。
 

1.手持ちの資金を減らさなくてもよい

頭金を用意する必要がないことから、手持ちの資金を減らさずに済むことがフルローンの1つめのメリットです。
 

2.タイミングを逃さずにほしい物件を購入することができる

頭金を用意できてない状態でどうしてもほしい物件が見つかった場合、フルローンを利用することでタイミングを逃さずに購入することができることも、メリットといえます。
 

3.住宅ローン控除の額を大きくできる

住宅ローン控除を受ける際、その年の年末のローン残高で計算することから、頭金を入れて住宅ローンを組むよりも残高が多くなり、その分住宅ローン控除の額が大きくなるというメリットもあります。
 

フルローンで組む際のデメリットとは?

では、フルローンを利用する際のデメリットについても合わせて解説していきます。フルローンを利用する際のデメリットには、上で述べた「返済総額が多くなり、毎月の返済額や返済期間に影響する」というもの以外に、以下のものが挙げられます。
 

1.住宅ローンの審査にとおりにくくなる

住宅ローンを申し込む段階で、頭金が用意できないという状況であれば、通常よりも審査にとおりにくくなる傾向があります。特に勤続年数が長いにもかかわらず頭金が用意できないことや、年収に対する借入額が大きいということであればなおさらでしょう。
 
一般的に頭金を用意しない場合のローン審査については、厳しくなると考えておくようにしましょう。
 

2.借り入れの際の金利が高くなる可能性がある

フラット35を利用する際の公式サイトにあるように、融資率が90%超か90%以下かで適用される金利が異なります。つまり頭金を1割入れるか入れないかで金利が0.25%程度高くなるのです。このような傾向は他の金融機関においても当てはまる可能性はあります。
 
したがって、頭金を用意せずに住宅ローンを申し込む際は、適用される金利が頭金を用意するよりも高くなる可能性があることを覚えておきましょう。
 

3.オーバーローンになる可能性がある

これは頭金を用意せずに住宅ローンを申し込む際の最大のデメリットといえます。オーバーローンとは、物件の価格以上の融資を受けることです。この問題点は、仮に将来住宅を手放すことになった際に、売却額よりも住宅ローン残債の方が上回る状態になる可能性が高いことです。もちろんその予定がないから心配はないと思われるかもしれませんが、今後のことは予測できません。
 
なんらかの事情で住宅を手放さなければならない事態に陥ることもあるでしょう。その際、住宅を売却してもなおローン残債を払わなければならないといった状態はできるだけ避けたいものです。そのためにも住宅ローンを申し込む際には、無理のない範囲で頭金を用意しておくことが大切です。
 

フルローンを組む際に気を付けたいこと

フルローンを利用する際には、頭金のみならず諸経費においても借入が可能だと思っていらっしゃる方も多いと思います。しかし、金融機関によっては、諸経費だけは借入の対象外で自己負担する必要がある場合もあります。
 
したがって、フルローンを利用しようとしている金融機関の公式サイトなどで確認し、もしも諸経費については借入対象外ということであれば、その費用だけは別途確保しておくようにしましょう。
 
もし、諸経費が確保できなければ住宅ローンを契約することができません。後から気付いて後悔することのないように、このような条件については必ず確認しておくことが大切です。
 

もし頭金を用意できない場合はどんな方法がある?

■親や祖父母からの援助
どうしても頭金を用意できないのであれば、まずは親や祖父母からの援助をお願いしてみましょう。その際はまとまったお金を贈与してもらう形になるので、暦年課税であれば110万円以上は課税されることも覚えておく必要があります。
 
ただし、住宅取得の際の資金援助については、「住宅取得等資金のための贈与税非課税枠」が用意されています。
 
これを利用すれば、住宅資金の場合であれば一般住宅は1000万円、省エネ等住宅の場合は1500万円までが非課税です(適用期間は2021年3月31日まで。それ以降の2021年12月31日までは一般住宅は700万円、省エネ等住宅の場合は1200万円となります)。こういった非課税の特例も使いながら、頭金を用意することが一番の方法です。
 
■住宅取得資金貸付制度の利用
企業にお勤めの方であれば、お勤め先の企業の福利厚生の一環として「住宅取得資金貸付制度」が用意されている可能性があります。
 
住宅取得資金貸付制度とは、住宅取得時の購入資金を、会社が従業員に低金利で融資する制度のことで、多くの企業で採用されている法定外福利制度の1つですので、もし利用できるのであれば利用しない手はないでしょう。このような制度があるかどうか、一度会社に確認してみることをおすすめします。
 

まとめ

フルローンを利用する際のメリットやデメリットについて説明しましたが、やはり、頭金なしで住宅を購入することに対するデメリットのほうが、メリットを上回ってしまうのは否めません。したがって、フルローンを利用するのであれば、そのような事実をきちんと理解したうえで利用するようにしましょう。
 
そして、少しでもフルローンの利用について不安があるのであれば、無理してフルローンを利用するのではなく、頭金を貯めてから住宅を購入するほうが総合的に判断してもおすすめだといえます。
 
出典
住宅金融支援機構|フラット35(金利情報)

 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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