学生特例制度、将来の年金額にどう影響を与えるか知っていますか?
ファイナンシャルフィールド / 2020年11月18日 10時10分
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日本国内に住むすべての人は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、国民年金保険に加入して、保険料を支払わなければなりません。ただし、学生の場合は、申請することで在学中の保険料の支払いの猶予が受けられる「学生納付特例制度」があります。
保険料を支払わなくて良いのなら、支払いたくないと思うかもしれませんが、そんなに簡単なものではありません。払わなければ払わないだけの影響が出てきますので、ぜひ知っておいてほしいと思います。
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申請に必要なものとは
特例を受けるためには、申請しなければなりません。
必要となるのは、以下の2点です。
・年金手帳または基礎年金番号通知書
・学生等であること、または学生等であったことを証明する書類
学生を証明する書類は、在学期間がわかる在学証明書(原本)または学生証(裏面に有効期限、学年、入学年月日の記載がある場合は裏面も含む)の写しを添付しなければなりませんので、必ず準備してください。
学生で特例が受けられるからといって、申請を後回しにするのはNGです。その理由は、申請日前に生じた不慮の事故や病気による障害について、障害基礎年金を受け取ることができない場合が出てくる可能性があるからです。
特例制度の利用を考えているのなら、できるだけ早く申請することが大切です。
将来、受け取る年金額に影響する
スピーディーに申請すれば問題ないのでは? と思うかもしれませんが、障害基礎年金と同等に重要になってくる、老齢基礎年金に影響が出てくることを知っておきましょう。
そもそも老齢基礎年金を受け取るためには、原則、保険料の納付済期間等が10年以上必要になります。ただし、学生納付特例制度を申請し承認を受けていれば、この10年以上という老齢基礎年金の受給資格期間に含まれることになります。
何だか、お得な制度のように思えますよね?とはいえ、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。つまり、免除期間は支払った期間として認められるものの、将来、受け取ることのできる老齢基礎年金額には反映されないことになっているのです。
将来、満額の老齢基礎年金を受け取るためには、40年の保険料納付済期間が必要です。老後の生活としてできるだけ多く年金として得たいと思うなら、免除期間後に保険料を支払えば良いのです。
追納して将来の年金額をアップさせる
まず、勘違いしてしまいがちなのが、この学生納付特例期間は、あくまでも支払いを猶予する制度であって、保険料の支払いそのものが免除されるものではないということです。
また、学生という立場から考えると、将来受け取るであろう老齢基礎年金については、遠い話であり、年金額を増やすということをイメージしにくいかもしれませんね。とはいえ、先の見えない世の中だからこそ、将来に備えておくことが大切になってくるのではないでしょうか?
学生納付特例期間については、10年以内であれば保険料をさかのぼって支払う(納める)ことができます。これを追納(ついのう)と言います。追納することで、将来、受け取る年金額を増やすことができますので、追納することをお勧めします。
ただし、学生納付特例期間の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、申請して承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされる点にも注意してください。
結局、どうすれば良いの?
追納するべきか、追納しないべきか、悩んでしまう人も多いと思います。
追納した場合のメリットとしては、将来受け取ることのできる老齢基礎年金額が増えることと、追納分の社会保険料控除が受けられることがあります。簡単に言うと、節税効果があります。
節税効果はケースバイケースですが、将来の年金額の上乗せと節税効果、自分の懐事情を総合して判断しても良いかもしれませんね。
執筆者:飯田道子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
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