8割以上が消費増税の負担を感じている?増税後の消費行動はどう変化した?
ファイナンシャルフィールド / 2020年11月23日 2時0分
2019年10月に消費税率が8%から10%になってから、気づけば1年以上経ちました。もうすっかり慣れたという方もいらっしゃれば、まだ軽減税率の対象・非対象で迷ってしまうというような方もいらっしゃるのではないでしょうか。
消費増税から1年、ちまたの消費行動はどのように変わったのか。今回は、株式会社GVが発表した、増税後の負担および消費行動に関する意識調査の結果(※)をチェックしてみましょう。
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8割以上が消費増税の負担を感じている
この調査は、全国20代から60代男女800人を対象に行われたもの。まずは、消費増税の負担について見てみます。
【消費税増税の負担を感じている?】
・負担を感じる 82.0%
消費増税の負担を感じている人は、8割以上という結果に。たかが2%、されど2%。軽減税率やキャッシュレス決済によるポイント還元施策などを差し引いても、消費増税は思った以上に消費者の負担になっていることがわかります。
この負担は、いつ頃から感じ始めることが多かったのでしょうか。
【いつから増税の負担を感じるようになった?】
1位:2019年10月 53.2%
2位:2019年12月 9.8%
3位:2020年 3月 8.8%
圧倒的に多いのが、消費増税と同時期という回答でした。ジワジワと家計の負担になるというよりは、増税と同時に苦しみが始まった……という人が多いのかもしれません。
2位は、年末でなにかと出費がかさむ時期である12月。3位は、年度末であることはもちろん、新型コロナウイルスの影響で衛生用品などが一時的に手に入りにくくなり始めた時期と重なります。
具体的な声としては、「2019年10月以降、車検や家の修理、医療費など多額の出費があり、消費税10%の負担がとても大きいと感じた。(50代男性)」「ただでさえ年末は商品の値段が上がる時期なのに、正月の食材を大量に買ったら消費税がとても高かった。(60代男性)」「コロナ禍で収入が激減したことに加え、宅配を頼む機会も増えて消費税がプラスされた金額を見て驚いた。(50代女性)」といったものも。
消費増税から数ヶ月後にコロナ禍を迎えることになり、日本人の財布のひもはかなり堅くなっているといえそうです。
もうケチケチするしかない! 増税後の消費行動の変化
そんななか、ちまたの消費行動はどのように変化したのでしょうか。
【増税後の消費行動はどう変化した?(複数回答)】
1位:外食を減らす 371
2位:モノやサービスをなるべく買わない 339
3位:キャッシュレス決済を利用する(マイナポイント申請含む) 288
4位:副業をする 170
5位:固定費を減らす(保険・家賃・車の見直し等) 118
「外食を減らす」「モノやサービスをなるべく買わない」と、とにかく出費を控えるという行動がトップに挙がりました。1位の外食を減らす行動については、コロナ禍も後押しとなって多くの人が実践していることが考えられます。
また、増税で必然的に増えた出費を補うために、ポイント還元施策が行われていたキャッシュレス決済を積極的に利用したり、マイナポイントの申請をしたりする人も多い様子。その他、副業をして収入を増やしたり、保険や家賃などの固定費を見直して出費を減らしたりする人もいるようです。
「そんなに節約しなくても……」という考えもあるかと思いますが、ここはなりふり構わずケチケチするしかないと腹をくくった人のほうが多いのかもしれませんね。
ちなみに、ポイント還元施策も行われていたキャッシュレス決済について、ちまたの評価は以下のとおり。
【増税後のキャッシュレスに関する意識はどう変化した?】
<キャッシュレス決済の評価>
・(増税前と比べて)キャッシュレス決済を評価する・利用が増えた 58.0%
<キャッシュレス還元の評価>
・キャッシュレス還元があっても増税を感じた 72.4%
6割近くの人が、消費増税以前よりキャッシュレス決済を利用する機会が増えたと回答しています。評価する人も多いようですね。その一方で、キャッシュレス決済のポイント還元施策の恩恵を受けたにもかかわらず、それを上回る消費増税の圧を感じたという人は7割以上という結果に。
たしかに、還元についてはあまり実感がないものの、毎日の買い物で目にする値札やレシートの数字を見ていればイヤでも増税感を味わってしまうのかもしれません。
ずばり、消費税率は何%が妥当?
最後に、ちまたの人たちが消費税率は何%が妥当と考えているのかを見てみましょう。
【消費税率は何%が妥当だと思う?】
1位: 5% 53.3%
2位: 0% 17.6%
3位:10% 10.4%
TOP3は上記の結果に。半数以上の人が5%と回答しています。たしかにキリのいい数字なので計算もしやすく、10%の半分というコンパクトさもちょうどいいのかもしれません。
2位は、ずばり消費税はナシという回答。
具体的には、「モノを買うことに対して税金が掛かることに納得できない。高級品などに消費税が掛かるなら納得できるが、普段の日常生活で必要最低限の買い物に対しては納得いかない。(30代男性)」「収入に対する課税額には差があるのに、消費税は収入の多い少ないにかかわらず全国民に一律で課税されているので不公平だと思う。(50代男性)」という声がありました。
3位は、意外にも現在の10%という回答。具体的には、「10%までは何とか耐えられる税率だと感じます。社会保障を充実するために税金が必要ならば、ある程度仕方ないと思います。(30代女性)」「生活は苦しいですが今の10%くらいは必要なのではないかと思います。公平な税金だと思いますし、何とかやりくりできる範囲です。(40代男性)」という声が。
苦しいけれどギリギリ耐えられるし、日本社会を保つために必要ならば仕方ないという考えの方もいるようですね。
消費増税とコロナ禍のダブルパンチで、消費者の負担はなかなか厳しいのが現実です。できるところから節約し、何とか苦しい時期を乗り切りたいものですね。
[出典]
※株式会社GV「消費税10%引上げ後(2019年10月以降)の負担および消費行動に関する意識調査」(株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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