新型コロナ時代だから見直したい! 「社内貯蓄制度」の活用方法とは?
ファイナンシャルフィールド / 2020年11月24日 9時30分
新型コロナウイルスの感染拡大により、景気の低迷が続いています。
2020年7月の景気動向指数に基づく景気判断で「悪化」期間がリーマンショック危機前後の11ヶ月を上回り、過去最長を更新しました。こういった未曾有の景気の悪化に伴い、給与やボーナスが大幅に減らされた会社員の方々はたくさんいらっしゃると思います。
収入減の対策として、副業を始めたり、株やFX、あるいは仮想通貨などの資産運用を開始したり、巣ごもりをきっかけに外食や飲み代などを減らすなどして節約にいそしむ方もいるでしょう。
中には、将来の収入増へ向けてZoomなどを使ったオンライン研修を活用するなど、キャリアアップを行っている方もいると思います。
こういった大減収時代に、今一度、社内貯蓄制度の活用について見直すことを提案したいと思います。合理的に税制メリットや福利厚生メリットを享受して資産運用ができるので、普通預金や定期預金に比べて大きな運用益を獲得できる可能性があります。
今回は、社内貯蓄制度の中で、リテラシーを持ちリスク管理をきちんとしたうえで、預金より大きいリターンを期待することができる「従業員持株制度」と「財形住宅制度」について詳しく見ていきたいと思います。
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従業員持株制度
■従業員持株制度のメリット
従業員持株制度とは、従業員の財産形成を助成する制度の1つで、会社の株を給与天引きで取得する制度です。
メリットとしては、株を購入する手数料がゼロであることです。証券会社を通じて株を購入する場合には、購入金額に応じて手数料がかかりますが、持株制度では無料で購入することができます。しかも、給与やボーナスから天引きで購入することができるので、購入の手間が省け、自社株を一定額定期的に積み立てていくことができます。
また、会社から奨励金が出ることも大きなメリットです。会社によってですが、購入金額の5〜15%程度の奨励金が出るので、超低金利時代には大変魅力的です。さらに、配当がもらえること、株価が上がれば、上がった分が利益になります。
■従業員持株制度の留意点
今見てきたように、メリットはたくさんありますが、留意点もあるので確認しておきましょう。
1つ目は、株式なので当然ですが、株価が下落するリスクはあります。特に、自分の会社の将来性に疑問を感じている場合には、購入を控えておいたほうが得策かもしれません。株式を購入するので、自己責任で行うのは、他社の株式や金融商品と同様です。
また、証券会社を通じて購入する場合と違って、売却するには社内手続きが必要になります。株価が上がったからすぐに売却したいと思っても、売却するまでには時間がかかり、せっかくのチャンスを逃す可能性はあります。さらに、インサイダー取引など制度上の制約もありますので、自社の制度をよく勉強してから購入するようにしましょう。
財産形成貯蓄の中でお得な財形住宅
■お得な財形住宅貯蓄
財産形成貯蓄には、一般財形、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の3種類があります。それぞれ給与天引きで、知らず知らずに財産形成ができるメリットはあります。さらに、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄は、両者あわせて元利合計550万円から生ずる利子等が非課税になるメリットがあります。
加えて、財形住宅貯蓄は、住宅購入を奨励する観点から、5%程度の奨励金を出す会社もあります。勤務先の担当窓口などに確認してみましょう。奨励金が出る場合は、経済効果としてはさらに大きくなりますので、ぜひ加入の検討をしてみてください。つみたて金額に応じた融資制度もあるのでお得です。
■住宅購入後もお得な財形住宅貯蓄
財産形成貯蓄は、それぞれ目的があるので、目的に応じて加入するものです。資産運用という視点からは財形住宅貯蓄にメリットがあるのは説明してきたとおりです。
勘違いしやすいのが、一度財形住宅貯蓄を使って家を購入したら、二度と加入できないという誤解です。再加入は可能です。すでに説明しました、給与天引きや非課税、そして会社からの奨励金は、再加入後も有効なのです。
ただし、住宅購入やリフォームなどの払い出し要件に該当していない場合は、過去5年間にさかのぼって利子等に課税されるので注意が必要です。また、財形年金貯蓄と合わせて元利合計550万円を超えると利子等の非課税が受けられないのと、奨励金も受けられません。
しかし、5年を超える期間で運用できる場合は、その超えた期間は、非課税や奨励金のメリットを享受できます。昨今の超低金利時代に、このようなメリットの大きな商品を活用しない手はありません。今一度、財形住宅貯蓄の社内制度をよく確認してみましょう。
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
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