未婚の場合、保険はどうしたらいい?
ファイナンシャルフィールド / 2020年11月24日 10時10分

もしもの時に備える保険、万が一亡くなった時は、遺された家族が生活費に困ることのないよう、死亡保障の保険に加入します。しかし、遺す必要のない人はどう考えれば良いのでしょうか。保険に加入しなくても大丈夫なのでしょうか?
未婚の場合で、主に40代の保険の考え方をイメージしてみました。ここでは生命保険について取り上げます。
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困る人がいなければ保険で遺す必要はない
生命保険で備えられるものは、基本的にもしもの時のお金で、備えていることで安心感を得ることができます。
自分が亡くなった時、自分の収入で生活をしている人がいれば、収入が途絶えて、その後の生活が成り立たなくなってしまうかもしれません。借金があれば誰かが代わりに返済していくかもしれません。誰かが費用を負担して葬式をあげるかもしれません。
これらのようなことがまったくない、つまり経済的に誰も困ることがなければ、生命保険に加入して死亡保険金を誰かに受け取らせる必要はありません。誰かに経済的な負担をさせることがありそうでも、その分以上の資産を残せるなら、生命保険に加入しなくても特に問題はありません。
40代単身者の場合、誰かを養っていることはないでしょうから、亡くなった時でも生活に困る人はいないはずです。親兄弟のために借金は残さず、葬式代程度の資産を残せそうなら、特別な事情がない限り死亡保障の生命保険には加入しなくても良いでしょう。
自分の世話は自分ですることを考えておきたい
生命保険は誰かのために備えるだけでなく、自分のために備えることもできます。
例えば、病気で入院や手術をすることになったら、治療費等がかかります。その治療費を誰が払うかといえば、普通は自分です。
健康保険があるので負担は限定されるかもしれませんが、治療費の自己負担分以外に、身のまわり品の購入や交通費等、これらの想定外費用を自分が負担しなければなりません。仕事に影響が出れば収入減も考えられます。
病気による入院や手術だけでなく、ケガによる通院や要介護になった時の介護負担等、いつ必要になるかわからない、いくら備えたら良いかもわからない、将来への備えを自分の預貯金等ですべて対応することは簡単ではありません。
いつ必要になりそうかを統計から少し考えてみましょう。病気やケガで受療する確率で参考になりそうなのが、厚生労働省の患者調査です。下記のグラフは入院と外来の受療率を5歳ごとに分けて表したものです。
※受療率(人口10万対)=推計患者数/推計人口×10万
※推計患者数は調査日当日に病院等で受療した患者推計数
人口10万対で表しているので、1万のところが10万人に対して1万人になり、確率は10%となります。入院も外来(通院)も若い人は受療率が低く、年齢の上昇に比例して受療率も上がっています。
40代の視点から見ると、入院の受療率はまだ非常に低いものの、今後少しずつ上がっていき、70代くらいから急激に上がっていくと考えられます。40~45歳の入院受療率が311なのに対し80~85歳は3633なので、受療率は10倍以上に上昇します。
通院も40~45歳の3362に対し、80~85歳は1万2551で4倍ほどです。40代はまだまだ健康なので入院や通院する姿を想像しづらいでしょうが、将来は今よりも相当高い確率で入院や通院をすると考えられます。
介護が必要となる要介護の認定者数も確認しておきましょう。下記のグラフは厚生労働省の介護保険事業状況報告から、要介護(要支援)認定者数を5歳ごとに分けて表したものです。
受療率と同じで、年齢が上がるのに比例して要介護(要支援)認定者数が増えています。例えば、65歳以上70歳未満は認定者数が25万8000人ですが、85歳以上90歳未満になると6.7倍の140万人にもなります。
公的介護保険の要介護認定は主に65歳以上の第1号被保険者が対象なので、40歳から64歳までの第2号被保険者が認定される場合は、介護保険法の特定疾病等にかなり限定されます。そのため、40歳から64歳までの要介護(要支援)認定者数は、全体のわずか2%程度となっています。
40代の視点で考えると、入院・通院をする確率や要介護になる確率は今後急激に高くなると考えられ、その時には自分で負担しなければならない費用がいろいろかかるでしょう。何も準備せずに「何とかなる」ことはありません。事前に対策を講じておく必要があります。
40代のうちに考えておきたい保険
将来の医療や介護の費用負担に備えるには、資産運用をして貯蓄を増やすことで準備できますが、生命保険に加入しても準備はできます。生命保険に加入する場合は、目的に合った保険商品の適切なプランを選ぶ必要があります。
目的別の主な生命保険
1.病気やケガによる治療費等に備える → 医療保険(がん保険・傷害保険)
2.要介護になった時の介護費に備える → 介護保険(認知症保険)
3.病気やケガによる収入減少に備える → 就業不能保険(所得補償保険)
長寿化に対応できるよう、3以外は保障期間を終身(一生涯)にしたいものです。ただ、多くの保障を長期間確保しようとすればするほど、払う保険料も膨らんでしまいます。いろいろなプランを比較しながら、安心(納得)できる保障と保険料の最適なバランスを探してみてください。
上記の1から3の保険はいずれも考えておきたいところですが、優先順位は人によって異なります。また、損害保険には主に住まいに関する火災保険、車に関する自動車保険、ケガに関する傷害保険があります。損害保険も必要に応じて加入しておきましょう。
生命保険や損害保険のことで悩んだら、保険会社や保険代理店に積極的に相談してみると良いです。もし中立的な対応を希望するなら、保険に詳しいファイナンシャルプランナーに相談しても良いでしょう。
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者
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