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営業に言われるがまま保険の見直し…実は損する場合も?見直しの注意点とは

ファイナンシャルフィールド / 2020年11月25日 9時0分

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かんぽ生命保険で不適切な保険販売が相次いで発覚した問題は記憶に新しいと思います。
 
保険会社社員の契約ノルマ達成のため、自分や家族がしつこい営業電話を受けた経験はないでしょうか。営業に押されてよくわからないまま損する保険見直しをしてしまわないか、気を付けてください。

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30年前のお宝保険

今の若い方たちは歴史の教科書で知る程度かもしれませんが、日本は約30年前の昭和から平成に元号が変わった時期はバブル景気と呼ばれ、株価や地価の上昇が続き、金利が高い時代でした。生命保険商品を保障というよりも安全確実な高利回り金融商品として、年利5%以上という今では考えられない高利回りを約束して販売していました。
 
それが、バブル景気が崩壊して金利が低くなってしまい、当初約束していた通りの運用ができなくなった生命保険会社が次々と経営破綻していきました。
 
なんとか受け皿となる保険会社が契約を引き継ぐなどして対応しましたが、当初約束していた高金利の貯蓄商品は金利や保障内容が引き下げられるといったことが続出しました。
 
経営破綻しなかった生命保険会社も、バブル景気時代の高金利を約束した契約を大量に保有し続けていると、経営を圧迫していきます。
 
その結果、高金利の貯蓄商品を契約している顧客に対して、満期前に解約して新たな低金利商品に見直す営業が行われていました。保険の本来の目的である保障重視の商品に見直す意義はあるかもしれませんが、よくわからずに勧められた通りに高利回り商品から見直しをしてしまうケースもありました。
 
そこで、当時知名度が高くなりつつあったファイナンシャルプランナー(FP)が雑誌や書籍で高金利の貯蓄性保険を「お宝保険」として、安易に見直すことのないように注意喚起をして、大事にお宝保険の契約を続けた方も多くいらっしゃいます。
 
満期が10年や20年といった養老保険のお宝保険はすでに満期を迎えていますが、30年以上の養老保険や個人年金保険はこれから満期を迎えてきます。バブル景気崩壊後もしばらくは今よりも高い金利だったため、最盛期よりは低い利回りでも十分お宝保険と呼べる契約をもっている方たちもいらっしゃるでしょう。
 

満期前の見直し勧誘に注意

お宝保険の契約を長期間継続していると、満期前であっても払込保険料総額よりも解約返戻金のほうが高くなります。今の低金利を考えると満期前に解約しても得になります。もちろん、満期まで継続したほうが得になる金額は大きくなるのですが、払込保険料を上回る満期保険金や解約返戻金の利益分に対して税金がかかります。
 
FPとしては信じられないのですが、最近でも
「満期まで継続すると税金が高くなってもったいない。」
「今解約してこの保険に入り直したほうがいい。」
という話を保険会社の営業の方から持ちかけられて、お宝保険の満期前の解約をしつこく勧められていてどうしたら良いかという相談を受けることがあります。
 
確かに満期まで継続したほうが税金は高くなりますが、それ以上に利益が増えるので中途解約をしたほうがいいということは基本的にありません。
 
例外として、その方が契約している多数のお宝保険が同じ年に満期になる、アパート経営をしていて、お宝保険が満期となる年の不動産所得が多くなることが明らかである、といった個別の要因があれば、その年だけ所得の総額が高額になって適用される税率が高いものなるために、中途解約したほうが得になることはあるかもしれません。
 
しかし、そこまでその方のライフプランや資産状況を把握して、お宝保険の中途解約を提案しているケースはまれでしょう。
 
一応申し上げておくと、保険会社が経営破綻する見込みの場合は破綻前に解約したほうが得になるかもしれません。かつて保険会社がいくつも経営破綻した際、保険契約を継続した方の満期金は契約時に約束された金額よりも大きく減額されましたので、同様の取り扱いになる可能性が高いからです。
 
しかし、今はかつての保険会社の経営破綻を二度と起こさないように金融庁などが厳しく監督しています。また、保険営業の方が「自社はまもなく経営破綻しそうだから、今解約したほうがいい」と提案してくることも考えにくいでしょう。
 

見直し商品のリスクを確認する

お宝保険の満期前の解約を勧めてくる場合、新たに契約する保険商品を提案されます。一見、お宝保険を満期まで継続するよりも得に見えるかもしれません。
 
しかし、お宝保険のような円建て運用利率固定で高利回りの保険商品は、今はまずありません。
 
実際は為替リスクがある外貨建て保険や投資信託などを組み込んだ変額保険であり、予想された利回りを下回り、結果的に満期金や解約返戻金が払込保険料総額を下回る「元本割れ」になるリスクを抱えている商品である可能性が高いので、よくご確認ください。
 
お宝保険からの見直し・切り替えだけではなく、退職金などの預金を低金利で預けていてはもったいないと、リスク商品をきちんと理解しないで契約してトラブルになるケースは多くあります。自分だけではなく、親や家族に対しても注意喚起してください。
保険会社の営業の方も仕事です。簡単には引き下がらないで何度も電話をかけてくるかもしれません。あまりにもしつこい営業があった場合は、消費者庁などへの相談することも検討してください。
 
また、中途解約の営業を断ることができても油断は禁物です。無事満期を迎えた際、満期金の支払い手続きということで保険会社の営業担当者からアポイントの電話があって、面談することがあります。その際に、満期金を再度保険で運用しないかと営業されることがあります。
 
先ほど挙げたようなリスク商品をきちんと説明しないまま、契約してしまうことがないように、ご本人はもちろん、遠くにお住まいのご家族にも注意喚起してください。
 
執筆者:西村和敏
ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
宅地建物取引士

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