詳しく知りたい! 住宅ローンの繰り上げ返済についてFPが解説

ファイナンシャルフィールド / 2020年11月27日 11時0分

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住宅ローンの返済中にある程度の資金が貯まれば、繰り上げ返済を考えるでしょう。ただし、繰り上げ返済にも種類があり、正しい方法で行うことが必要です。今回は繰り上げ返済を行うことによるメリットや注意点などを解説します。

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繰り上げ返済とは?

繰り上げ返済とは、住宅ローンを契約した際に決めた毎月の返済額とは別に、まとまったお金を一時的に返済することです。そうすることにより、返済期間を短縮したり、毎月の返済額を減らしたりすることができます。
 

繰り上げ返済の2つのタイプ

では、繰り上げ返済の2つのタイプについて詳しく説明します。
 

期間短縮型

期間短縮型とは、繰り上げ返済を行うことにより、返済期間をそのぶん短縮させることです。それ以降の毎月の返済額が変わることはありません。
 

返済額軽減型

返済額軽減型とは、繰り上げ返済を行うことにより、毎月の返済額を減少させることです。毎月の返済額は削減できますが、返済期間は変わりません。
 

期間短縮型と返済額軽減型。どちらを選ぶのが良い?

とにかく早く住宅ローンの支払いを終わらせたいのであれば、期間短縮型を選ぶことをおすすめします。逆に子どもの教育資金が必要になるなど、近いうちに住宅ローンの支払い以外で支出が増えることが予想されているのであれば、そのぶんの余裕を持たせるために返済額軽減型を選ぶとよいでしょう。
 
一般的には期間短縮型のほうが総返済額の削減効果が高いといわれていますが、どちらを選ぶかはそのときの状況によって異なります。また、繰り上げ返済を行うにあたって、その時期が早ければ早いほど総返済額の削減効果は高くなります。
 

繰り上げ返済をすることによるメリット

期間短縮型を利用する方法、そして返済額軽減型を削減する方法のどちらにも共通していえるメリットは、「総返済額を減らすことができる」ということです。
 
繰り上げ返済でまとまった金額を支払い、それを元本部分の返済に充てることから、そのぶん支払う利息に影響し、それが結果的に総返済額の削減につながるというわけです。もちろん、返済額軽減型を利用することで、毎月の固定費の支払いを削減することができることから、毎月の家計の収支に余裕を持たせることもできます。
 

繰り上げ返済をすると支払利息はどれくらい変わる?

では、以下の条件で繰り上げ返済を行うと、どのくらいの利息削減効果があるのか、シミュレーションをしてみましょう。
 
(当初借入条件)
・借入金額:2100万円
・ボーナス返済:なし
・当初借入期間:35年
・金利:1.3%の固定金利
・返済方法:元利均等返済
この条件で、5年後に300万円の繰り上げ返済(期間短縮型)を行った際の効果は以下のとおりとなります。

繰り上げ返済を行わなかった場合 繰り上げ返済を行った場合
毎月返済額 6万2261円 6万2261円
年間返済額 74万7132円 74万7132円
総返済額 2614万9620円 2488万9554円
残りの返済期間 30年 24年4ヶ月

※三井住友銀行「住宅ローン 一部繰上返済シミュレーション」より筆者作成(2020年11月15日実施)
 
300万円の繰り上げ返済をおこなったことにより、そのうちの297万3682円が元金の返済に充当されることになった結果、毎月の返済額は変わらないものの、残りの返済期間が5年以上短縮されることになっています。そして総返済額については、126万円の削減効果があることが分かります。
 
では、同条件で返済額軽減型を行った際の効果を見てみましょう。

繰り上げ返済を行わなかった場合 繰り上げ返済を行った場合
毎月返済額 6万2261円 5万2193円
年間返済額 74万7132円 62万6316円
総返済額 2614万9620円 2552万5140円

※三井住友銀行「住宅ローン 一部繰上返済シミュレーション」より筆者作成(2020年11月15日実施)
 
返済額削減型ですので、返済期間は変わりませんが、毎月の返済額が1万円削減できているのが分かります。そして年間では12万円、最終的な総返済額の削減効果は約62万となっています。
 
このようにみると、やはり上で述べたように、同じ繰り上げ返済でも期間短縮型の方が総返済額の削減効果が大きいことが分かります。今回利用したシミュレーションは三井住友銀行のシミュレーションサイトですが、非常に使いやすいのでご自身でも利用してみてください。
 

繰り上げ返済を行う場合の注意点

資金に余裕ができたからといって、その全部を繰り上げ返済に充てることは避けるようにしましょう。繰り上げ返済に充てる資金については、「毎月の支出の3ヶ月分を除いた金額」と考えることが大切です。3ヶ月分の生活資金はいわゆる緊急資金というもので、最低限現金で確保しておきたい資金です。
 
したがって、繰り上げ返済に充てる金額は、あくまでも「余剰資金」という考えを持ち、その範囲内で繰り上げ返済を行うようにしてください。もちろん、それ以外にも直近で必要となる支出が予定されているのであれば、それを除いておくことも忘れないようにしましょう。
 
また、繰り上げ返済を行う際の手数料についてもきちんと把握しておくことを忘れてはいけません。最近ではほとんどの金融機関が繰り上げ返済の手数料を無料としていますが、無料で繰り上げ返済する際に条件(最低返済額など)を設けている金融機関も存在します。
 
そのため、自分が利用している住宅ローンの繰り上げ返済手数料の内容について、きちんと確認しておくことが大切です。
 

繰り上げ返済を行うタイミングは?

住宅ローン控除の適用を受けている間の繰り上げ返済を行うタイミングは、なんといっても1月です。なぜなら、住宅ローン控除の控除額は年末のローン残高によって決まります。
 
したがって、年末の残高はできるだけ多く残して住宅ローン控除の適用を受け、その直後に繰り上げ返済を行うことが利息の削減を考えるうえでも最適のタイミングです。住宅ローン控除の適用を受けている人は、このことを忘れないようにしてください。
 
住宅ローン控除の適用期間を過ぎている場合は、毎月決められている返済額の引き落とし日よりも前に行うことが大切です。
 
また、最近は繰り上げ返済を行う際に手数料がかからない住宅ローンを取り扱う金融機関が増えています。もし自分が利用している住宅ローンに、繰り上げ返済手数料無料のサービスがあるのであれば、こまめに返済を行うことも繰り上げ返済の効果を上げる手段であると覚えておきましょう。
 

繰り上げ返済は必ず行うべき?

もちろん資金に余裕があるのであれば、繰り上げ返済を行うメリットはあります。
 
しかし、今後数年のうちにまとまった出費が予定されている場合や、今後の収入が不安定になりそうな状況であれば、無理に行うべきではありません。繰り上げ返済を行うのであれば、今後数年のライフプランや自分の置かれている状況を把握しながら、無理のない範囲の額で行うようにしてください。
 

まとめ

繰り上げ返済は余剰資金ができた際にはぜひ利用してもらいたい返済方法ですが、住宅ローン控除の適用期間が残っている場合は、控除額を最大に利用できるような工夫をすることが大切です。
 
繰り上げ返済を行うことによってどれだけ総返済額の削減効果があるのか、そして今がベストなタイミングなのかをシミュレーションを用いてきちんと判断してから行うようにしましょう。
 
[出典]三井住友銀行「住宅ローン 一部繰上返済シミュレーション」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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