つみたてNISAの口座開設数が増加?シニアの投資デビューには向いている?
ファイナンシャルフィールド / 2020年12月2日 8時50分
コロナ禍で「初めて投資にチャレンジする人」が増えています。つみたてNISAやiDeCoが浸透したことに加え、少額からスマホなどで簡単に始められることが要因です。若年層が資産形成に盛り上がりを見せる中、シニア層はどう向き合ったら良いのかを考えます。
The post つみたてNISAの口座開設数が増加?シニアの投資デビューには向いている? first appeared on ファイナンシャルフィールド.
つみたてNISAの口座開設数が増加
コロナの影響で、この先の景気がどうなっていくのか不安を感じる声を聞きます。その中で、自粛中に投資を始めた人に関する注目すべきデータがあります。日本証券業協会によると、つみたてNISAの口座開設者数が今年3月末からの3カ月間で16.9%増加。
また6月末時点の、つみたてNISA口座での投資未経験者の割合が76.7%で3月末に比べ2.9ポイント上昇しているというのです。3月にコロナショックで株価が急落する場面がありましたので、「ここは買い時」と口座開設の背中を押すことになったのかもしれません。
そもそも政府が若年層に向けて「老後の資金作りは自助努力も必要」というメッセージを送り続けてきました。つみたてNISAやiDeCoのPRだけでなく、長期分散投資をすることでリスクを軽減できることなどの詳細を説明してきたことも功を奏したといえます。
資産の寿命を延ばすには
人生100年時代になりました。健康で長生きすることは本来喜ばしいことですが、お金の心配を感じる人も多いです。「老後資金をそのまま取り崩すと〇年で底をついてしまいます。運用しながら資産を取り崩すことで資産の寿命を延ばしましょう」。昨今は金融機関が、こういうフレーズでシニア層に投資を誘います。
これまで投資経験のある人は「そうだね」と納得しつつも、当初の計画は変更しなくてはなりません。現役時代の資産形成期に「貯める」と「殖やす」を実行してきた人たちです。リタイア後はリスクを減らし、株式から債券などに比率を移行するというのが王道でした。
この予定を繰下げる必要があります。大きなイベントがなければライフプランの見直しをする機会はありません。「予定より20年長生きをした場合どうなるか」で、資産を見直してみると良いと思います。
一方で投資未経験のシニアはどうでしょう。
退職金の失敗例として「世界一周豪華客船の旅など高額消費してしまった」と並んで「勧められるままに投資して大損失を被った」があるので気をつけて、という戒めがあります。
この投資の失敗例は、投資先の分散をせず、一括で大金をつぎ込んだに違いありません。加えて「手持ちの500万円を2カ月ごとに100万円ずつ投資します」は面倒なので、時間の分散もしていないと思います。
例えば以前、毎月分配型債券への投資がはやりました。グローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)が代表例です。退職金などを預けて、毎月の分配金を受け取ります。
「大金を預けると、毎月かなりのお小遣いがもらえる」という感覚で、人気がありました。定期預金を債券投資に移動した人も多く、「定期預金の利息=債権の分配金」のような勘違いが起きてしまったように思えます。
基本的に定期預金の元本は保証されていますが、債券はそうではありません。始めた時期によっては損もあり得るのです。
つみたてNISA、アドバンテージはシニアにも
こんな話を聞くと「投資は怖いのでしたくない」「いつ始めたら良いのかタイミングが分からない」と一歩が踏み出せず、結局何もしないまま…ということになってしまいます。もちろん無理強いするつもりはありませんが「後でやっておけば良かった」と後悔するのなら、お勧めのご提案があります。つみたてNISAを使って投資デビューするのです。
つみたてNISAは、長期的に資産形成できるように設計されています。特徴は4つです。
(1)少額から始められる投資信託が対象
(2)運用利益が非課税
(3)非課税枠は年間40万円で、非課税期間は投資した年から最長20年間
(4)対象商品は長期・積立・分散投資に適した商品に絞られている
・販売手数料が0円(ノーロード)で、信託報酬も低い商品
・頻繁に分配金が支払われない商品
「長期的」、それはシニアには向かないのではと指摘されそうですが、そうでもありません。人生100年時代です。今までの予定プラス20年で、ライフプランの見直しをお勧めしました。つみたてNISAは、非課税や手数料などがお得な制度だけでなく、シニアにとって失敗回避のツールともいえます。
(1)投資信託による投資先の分散、(2)積立投資による時間の分散です。現役世代だけでなく、シニアにも強い味方になると思います。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
関連記事
10年前に100万円で購入したまま放置した株。値下がりが続けているが持ち続けたほうがいい?
人気の『つみたてNISA』を今、始めるべきではないワケ
つみたてNISAとiDeCo、始めるならどっち?
The post つみたてNISAの口座開設数が増加?シニアの投資デビューには向いている? first appeared on ファイナンシャルフィールド.
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
年収400万円の夫が「NISA」を始めました。子どもの学費も考えると普通に貯金してほしいのですが、長期で考えると「得」なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月16日 4時40分
-
同僚が「月5万円」もNISAに投じていることを知り、焦っています。生活費を切り詰めて、投資に回したほうがよいのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月12日 1時0分
-
第28話:NISAという「制度」をどう考えるか
トウシル / 2024年9月3日 13時7分
-
「今から、お金を増やすには⁉」40~50代からでも遅くない。資産づくりで「いちばん最初にすべきこと」
OTONA SALONE / 2024年9月1日 15時30分
-
32歳、周囲の友人がみんな「NISA」を始めました。「月3万円」しか積み立てられないのですが、本当に“貯金”よりも得なのでしょうか? 今からでも始めるべきですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月23日 5時10分
ランキング
-
1ミニストップ、外国籍の利用客に“不適切な張り紙” 「問題を重く受け止め」謝罪
ORICON NEWS / 2024年9月20日 15時53分
-
2あの「ポーター」が人気商品を大胆に変えた裏側 価格2倍にしても素材変えた吉田カバンの挑戦
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 13時0分
-
3「令和のコメ騒動」不足解消でも楽観できない事情 人口減少社会で「農地改革」が進まない本当の理由
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 8時0分
-
4引っ越しをしたときにNHK受信契約をしないまま15年が経ちました。今後さかのぼって請求されることはありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月19日 4時20分
-
5東京メトロは「郵政IPOの悲劇」二の舞を防げるか? 求められる戦略は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月20日 14時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください