マイナポイント、獲得まで山あり谷あり。どうやって乗り越える?
ファイナンシャルフィールド / 2020年12月2日 11時20分
令和2年7月より申し込みが始まったマイナポイント。キャッシュレス決済サービスで2万円分のチャージまたは買い物をすると、5000円分のポイント還元を受けられる政府主導の事業です。
しかし、「申し込みから獲得までの手続きに苦労した!」という声を筆者はよく聞きます。そこで本記事では、これから申し込む方に向けて、手続きにおける注意点をまとめました。
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コロナ禍でマイナンバーカードの取得に時間がかかる
マイナポイントを申し込むには、マイナンバーカードが必要です。しかし、入手までどの位時間がかかるのでしょうか?
総務省は「年内に申し込みをすれば間に合う」と呼び掛けています。マイナポイントの申請期限は2021年3月末ですので、かなり余裕を持った申し込みを勧めていますが、これはコロナ禍の影響を考慮しているからと思われます。
実際、筆者の知人が緊急事態宣言明けの2020年6月に申し込んだときは、申請から入手まで2ヶ月近くかかっています。冬場のコロナ第3波の懸念もあることから、マイナンバーの申請は早めに行ったほうがよいでしょう。
古いスマホでは申し込みができない
マイナポイントはどこで申し込みすればよいのでしょうか。
現在、自宅からはスマホ・パソコン、自宅外ではコンビニのマルチコピー機・ATM・市区町村窓口などで可能です。一見、幅広い申し込み方法があるように見えますが、すべての人がこれらの申し込み方法を利用できるわけではありません。
まずスマホですが、お持ちの機種によっては申し込みができない場合があります(※1)。専用のアプリをダウンロードし、自身のマイナンバーカードの情報をスマホで読み取ることで申し込みを行うのですが、この読み取りができない古い機種しか持っていない場合、スマホの申し込みができません。
パソコンの場合は、マイナンバーカードの読み取りを「ICカードリーダライタ」で行います。すでに持っている方であればよいのですが、持っていない方は購入する必要があります。価格は2000~3000円前後が一般的ですが、マイナポイントの還元分が最高5000円であることを考えると、出費をためらってしまいそうです。
古いスマホしかない、ICカードリーダライタもない、という方は、コンビニのマルチコピー機やATMなどを利用することになります。
今使っている決済手段が、マイナポイント対象とは限らない
マイナポイントを受け取るには、キャッシュレス決済手段を提供する「決済事業者」を1つ選ぶ必要があります(※2)。対象となる決済手段は、電子マネー、プリペイドカード、QRコード決済、クレジットカード、デビットカードの5種類です。ただし、すべての決済事業者がマイナポイント事業に参加しているわけではありません。
特にクレジットカードは、総事業者数190社(※3)の内、マイナポイントに参加しているのは2020年11月時点で23社に過ぎません。デビットカードに至ってはわずか3社です。普段使っているクレジットカードやデビットカードがマイナポイント未対応であれば、新たな決済手段を探して申し込みする必要があります。
マイナポイントがすぐに付与されない、または有効期限があることも
苦労してマイナポイントを獲得しても、使わなければ意味がありません。そこで注意したいのが、マイナポイントの付与タイミングとポイントの有効期限です。これらは決済事業者によって異なります(※4)。
決済と同時にマイナポイントを付与する事業者がある一方、「利用額が2万円に達した月の翌月」「月1回」など、買い物時にすぐポイントが付かないところがあります。マイナポイントを早く使いたい方は注意が必要です。
また、有効期限も120日間から無期限までさまざまです。さらに、無期限の中でも一定期間ポイントを使わないと新たに期限が設定されたり、「通常のポイント」を一定期間内に獲得すれば有効期限が延長されたりするなど、「条件付き」の場合もあります。決済事業者を選ぶ際は、こうしたポイントの付与条件や有効期限もしっかり確認しておきましょう。
「普段よく買うものは何か」をもう一度考えてみましょう
皆さまの中には、ここまで読んで「最高5000円のおトクのために、これだけ苦労するのは…」と申し込みに二の足を踏む方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、マイナポイントの申請を通じて、こんな利点もあります。それは「電子決済でこんなものも買えるんだ!」と新たな発見があることです。
例えばゆうちょの場合、電子マネーやスマホ決済で、郵便、荷物料金やカタログギフトなどの物販商品を郵便局で購入できます(※5)。マイナポイント対応の電子マネーなどでこれらを購入するとマイナポイントを獲得できます。
もしマイナポイントの申請に行き詰まったら、「自分が普段よく買うものは何か?」を考えた上で、それに合ったキャッシュレス決済手段がないか探してみるのもよいでしょう。
(出典および注釈)
(※1)対応機種は以下から確認できます。総務省「マイナポイントアプリ対応スマートフォン一覧」
(※2)決済事業者は以下から確認できます。総務省「対象となるサービス一覧」
(※3)経済産業省「平成30年特定サービス産業実態調査(確報)」
(※4)(※2)のリンクから確認できます。
(※5)郵便局「郵便窓口におけるキャッシュレス決済」
執筆者:酒井 乙
CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。
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