住宅ローンの借り換えは諸費用も比較を!金利だけ見ると損をするかも
ファイナンシャルフィールド / 2020年12月4日 11時20分
超低金利時代に入ってから、住宅ローンの金利も低下をしているところが多いようです。住宅ローンを借りている方は、自分の払っている金利よりも安い住宅ローンを見つけることもあるのではないでしょうか。
確かに住宅ローンの借り換えは、支払総額を減らすのに有効な手段ですが、金利が低いという理由だけで借り換えをするのは考えものです。今回は、住宅ローンの借り換えについて、金利や諸費用の話も交えながら解説します。
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住宅ローンの借り換えのポイント
住宅ローンの借り換えは、金利に差があればあるほど返済額を減らすのに有効な手段となります。下がった金利の分だけ、総支払額が減少するからです。しかし、借り換え後の金利が低ければすべての場合でお得になる、というわけではありません。
住宅ローンの借り換えがお得になるには、いくつか条件があります。その条件を詳しく解説していきます。
住宅ローンの借り換えポイント1:ローン残高
1つ目のポイントは、住宅ローンの借入残高です。一般的には、借入残高が1000万円以上だと借り換えがお得になるケースが多いです。その理由は、住宅ローンの支払額に占める金利の割合にあります。
住宅ローンの支払い方には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。どちらにも共通しているのは、残り返済回数が減るほど、金利分の支払いが減ってくるということです。
ということは借入残高が少ないと、住宅ローンの借り換えによって金利支払い分を減少させようとしても、その効果が弱くなるということになります。住宅ローンの借り換えには諸費用がかかるので、場合によっては諸費用の方が高額になってしまう、ということもあり得ます。
借り換えを検討している方は、現在の借入残高がどのくらいあるのか確認をしてみてください。1000万円以上あるなら、借り換えを検討してみましょう。
住宅ローンの借り換えポイント2:金利の差
2つ目のポイントは、借り換え前と借り換え後の金利差です。金利差が1.0%以上あるのであれば、借り換えがお得になるケースが多いです。
金利の差は、支払総額に直結するので重要なポイントです。特に現在は超低金利時代で、今借りている住宅ローンよりも金利が低いものが多く見つかる可能性があります。ただし、住宅ローンの借り換えには諸費用がかかります。
この諸費用は銀行によってまちまちですが、場合によっては数十万円にのぼるケースもあります。金利差が1.0%以上ない場合は、諸費用の額によっては金利の減少効果が少なかったり、諸費用の方が高額になったりしてしまいます。
金利はすぐに計算しにくいため、金利分であといくら支払うことになるのかしっかり計算しておき、諸費用と比較してから借り換えを検討するようにしましょう。
住宅ローンの借り換えポイント3:残りの返済期間
3つ目の借り換えポイントは、住宅ローンの残り返済期間です。これは長ければ長いほど、借り換え効果は高くなります。目安としては、10年以上あれば借り換えを検討するのが良いでしょう。
ローン残高のところでも少し触れましたが、元利均等方式・元金均等方式のどちらも、残り返済期間が長いほど金利の負担分が大きくなります。残り返済期間が10年を切っていると、金利負担分がかなり減少しています。
そうすると借り換えによる金利の減少効果は少なくなり、諸費用の負担を考えると借り換えない方が良い場合も出てきます。借り換えをしたら金利の減少効果より諸費用の支払いの方が大きくなってしまった、ということにならないように、慎重に検討しましょう。
住宅ローンの諸費用を比較するには
住宅ローンの借り換えが効果的になるかどうかには、諸費用が大きく関係しています。諸費用が高額になればなるほど、借り換えによる金利減少効果が薄れてしまうからです。そこで複数の銀行の諸費用を比較することになりますが、比較に際して大事なのは諸費用の内訳です。
金融機関によって、諸費用の内訳は大きく違っています。諸費用の中にはある程度決まっていて、銀行によって差が出ない項目もあります。そこでどの項目で比較をするのか、内訳を確認しておく必要があるのです。
住宅ローンの借り換えにかかる諸費用の内訳はどうなっているのか、詳しく解説します。
住宅ローンの手数料1:金融機関に払う手数料
住宅ローンの借り換えにおける諸費用には、大きく分けて「金融機関に支払う手数料」「登記に必要な費用」の2種類があります。ここでは金融機関に支払う手数料について解説します。
金融機関に支払う手数料は大きく分けると「事務手数料」「保証料」「全額繰上返済手数料」の3種類があります。銀行によって大きく差が出るのは、この3種類の費用です。
事務手数料とは、住宅ローンの借り換えにともなって発生するものです。事務手数料には定額型と定率型があり、定額型は借換金額によらずに一定の金額を手数料として支払うものです。
それに対して定率型は、借換金額の何%かを手数料として支払います。例えば2500万円の借り換えで事務手数料が2%だとしたら、50万円が事務手数料となるわけです。
定率型に比べると定額型の方が手数料は安くすむ場合が多いのですが、定額型でも金融機関が提供する住宅ローン商品によって何パターンか手数料が違う場合があり、どちらがお得になるのか確認が必要です。
保証料とは万一住宅ローンが返済できなくなった場合に、保証会社に肩代わりをしてもらうために払うもので、借換先の銀行の保証会社に支払うものですが、保証会社を持っていない銀行もありその際の保証料はかからないケースもあります。
保証料は一括で支払うか分割で支払うか選ぶことができ、一括で支払う方が安くなります。ただ一括で支払うと、最初に必要になるお金が多くなります。分割にして、毎月の金利に上乗せをして支払う方法が分割型です。ただし、審査結果によっては支払い方法を保証会社から指定される場合もあります。
全額繰上返済手数料は、借り換え前の銀行から借りている住宅ローンを全額繰上返済する際にかかる手数料です。金額は銀行によって大きく違い、無料の銀行もあれば3〜5万円程度かかる銀行などさまざまです。
借り換えを検討する際に、自分の現在借りている銀行の全額繰上返済手数料はいくらになるのか、確認しておきましょう。
住宅ローンの手数料2:登記に必要な手数料
住宅ローンの借り換えには、登記にかかわる費用もかかります。登記にかかわる費用は「登録免許税」と「行政書士・司法書士費用」の2つがかかります。また登録免許税と同様に「印紙税」も必要となります。
登録免許税は、借り換え前の銀行の抵当権抹消登記と、借換先の銀行の抵当権設定登記の両方で必要となります。抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産の個数×1000円です。
不動産の個数とは登記簿に記載されている筆数によるので、家と土地だから2個、というわけではありません。登記簿をしっかり確認しましょう。抵当権設定登記の登録免許税は借入金額の0.4%です。これらの登記をお願いするのに、行政書士・司法書士の費用もかかります。
印紙税は、住宅ローンの契約書にかかる税金です。1000万円超〜5000万円以下は2万円となっています。
諸費用は金融機関によって大きく差がある
住宅ローン借り換えの諸費用は、銀行によって大きな差があります。登記にかかる費用はそこまで大きくは変わりませんが、行政書士・司法書士の費用は見積もりを取ってみないとわかりません。
これらの諸費用は、借り換えがお得になるかどうかの重要なポイントです。借り換えで減少する金利支払い分と諸費用をしっかり計算して、借り換えを検討するようにしてください。
住宅ローンの借り換えは諸費用も重要!
住宅ローンの借り換えがお得になる3条件は「ローン残高1000万円以上」「残り返済期間10年以上」「金利差1.0%以上」です。これにはすべて、諸費用の存在がかかわっています。金利が下がるから借り換える、としてしまうと、諸費用の金額の方が上回ってしまう可能性があるのです。
その諸費用も、銀行によって大きな差があります。借り換えを検討するのであれば、3条件がそろっているかどうかを確認し、諸費用の額も合わせて複数の銀行の条件を比較しなければなりません。住宅ローンの総支払額を抑えるチャンスですから、時間をかけてしっかり検討してください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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