50代になるとねんきん定期便の額が変わる。経過的加算額って一体なに?
ファイナンシャルフィールド / 2020年12月8日 22時30分
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「年金」というとどんなイメージをお持ちですか? 難しそうとか、とっつきにくいなどと、思っておられる方が多いと思われます。確かに、使われている言葉や表現には難しいところがあります。
その中で今回は、「ねんきん定期便」と「経過的加算額」について分かりやすく説明したいと思います。
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そもそも年金とは
大きく分けると年金は「公的年金」と「私的年金」に分かれます。
日本の年金は3階建ての構造になっています。公的年金は、1階部分といわれる20歳から60歳未満の全国民が対象の国民年金と、2階部分といわれる会社員や公務員などが対象の厚生年金からなります。また私的年金は3階部分といわれ、企業年金や個人年金などがあります。
日本の公的年金制度は世代間扶養の賦課方式になっています。具体的にどういうことかというと、現役世代が保険料を払い、高齢者世代に給付をするというものです。ただし、老齢基礎年金の給付の半分は国が税金でまかなっています。
ねんきん定期便とは
「ねんきん定期便」とは、日本年金機構が作成している、保険料の実績や将来の年金給付に関する情報(年金の納付状況など)を毎年誕生月に全加入者に送付するものです。「ねんきん定期便」は年齢によって形式や内容が異なります。以下でくわしく見ていきましょう。
ねんきん定期便の形式と内容
ねんきん定期便の形式と内容は、年齢により変わります。また、節目の年(35歳・45歳・59歳)にはより詳細なものが届きます。大まかには下記のとおりです。
<50歳未満の方>
毎年「ハガキ」にて直近1年間の情報と「加入実績に応じた年金額」を記載したもの
<50歳以上の方>
毎年「ハガキ」にて直近1年間の情報と「年金見込額」を記載したもの
<節目の35歳・45歳の方>
「封書」にて全期間の年金記録情報と「加入実績に応じた年金額」を記載したもの
<節目の59歳の方>
「封書」にて全期間の情報と「全期間の年金見込額」を記載したもの
以上のものが年金加入者の「誕生月」に送付されます。
「加入実績に応じた年金額」とは、厚生年金保険や国民年金に加入して保険料を納めた期間に応じて計算されたもので、「年金見込額」とは、原則60歳までの加入を前提(特別支給の老齢厚生年金受け取り対象者は受給権が確定したとき)に受給開始年齢で算出されたものです。
ここでのポイントは、記載されている年金の金額が、50歳になると「加入実績に応じた年金額」から「年金見込額」に変わるということです。50代になるとねんきん定期便の額が変わるのはこのためです。
チェックするべき項目は
毎年送られてくるねんきん定期便では、(1)年金の月別納付状況(2)累計の保険料納付額(3)年金加入期間(4)年金額(50歳未満では、加入実績に応じた年金額・50歳以上では年金の見込額)を最低限チェックしていただきたいと思います。
また、節目の年に送られてくる封書でのねんきん定期便では、すべての項目をチェックした方が良いでしょう。
そして分からない点や、違っている点があった場合は、必ず年金事務所に問い合わせてください。
経過的加算額とは
昭和61年の年金制度の改正で、厚生年金の受け取り開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことにより、60歳以降に受け取ることができる年金は、定額部分と報酬比例部分になり、「特別支給の老齢厚生年金」として受け取ることになりました。
そして65歳以降についての公的年金はそれまでの定額部分が老齢基礎年金に、報酬比例部分が老齢厚生年金として受け取ることになります。
50歳以上の「ねんきん定期便」には、「3老齢年金の種類と見込み額(年額)」の欄に「経過的加算部分」という言葉が出てきます。この「経過的加算額」は、65歳からもらう老齢基礎年金の額より65歳以前にもらう定額部分の額が多いため、65歳以降の老齢厚生年金に定額部分より老齢基礎年金を引いた差額が加算されるものです。
まとめ
人生100年時代、終身である公的年金は老後の生活の基礎をなすものです。
正しい年金額を知るということは、自分にとってライフプランを作成する上で大切なことです。預金通帳を見るように、ぜひともねんきん定期便もチェックをしていただきたいと思います。
またねんきん定期便の内容については、「ねんきんネット」でいつでも簡単に検索できますので活用をお勧めします。ねんきん定期便に記載されているアクセスキーを利用すると便利です。
[出典]
※日本年金機構「大切なお知らせ、『ねんきん定期便』をお届けしています」
※日本年金機構「ねんきんネット」
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表
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