将来の年金が不安です。主婦(主夫)が厚生年金に入るメリットとは?
ファイナンシャルフィールド / 2020年12月11日 9時30分
![将来の年金が不安です。主婦(主夫)が厚生年金に入るメリットとは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_93248_0-small.jpg)
専業主婦(夫)やパートタイマーとして働くメリット、とされている年金の第3号被保険者制度。この制度は、一定の受給要件を満たした会社員や公務員の配偶者の場合、配偶者本人が年金保険料を支払わずとも、将来の年金を確保できる仕組みのことです。
受給要件の中には所得要件があるという背景もあり、会社員などの配偶者は働き過ぎに注意するという風潮がありました。
とはいえ、時代は変わり、景気の悪化やコロナ禍などもあり、将来のライフプランに不安を覚える人も少なくありません。そこで今回は、主婦(夫)が厚生年金に加入する場合、どのようなメリットがあるのか。どのようにすれば損をしないのかを考えてみましょう。
The post 将来の年金が不安です。主婦(主夫)が厚生年金に入るメリットとは? first appeared on ファイナンシャルフィールド.
そもそも第3号被保険者ってなに?
まず、制度の確認をしてみましょう。
国民年金の加入者のうち、厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)が、第3号被保険者になることができます。このときの保険料は、配偶者が加入している厚生年金や共済組合が一括して負担するため、納める必要がないとされており、該当する場合には事業主に届け出なければなりません。
第3被保険者の年金額は国民年金と同額です。2020年現在、20~60歳までの40年間納付した場合の国民年金の満額支給額は78万1700円です。ひと月に換算すると、およそ6万5000円です。
景気+ライフスタイルの変化も影響?!
ご自身の所得から保険料を納付することなく、受給できることはメリットがありますが、65歳になってから受け取ることができる年金額が、月額6万5000円では少ないと感じる方もいらっしゃいます。もちろん、以前、ご自身で厚生年金を納付していた人は、その分の年金額を受け取ることができます。
国民年金を含んだ厚生年金の受給平均額は、月額14万5000円。平成30年度の厚生年金保険・国民年金事業の概況(※)によると、国民年金の平均受給額は5万6000円といわれていますので、夫と妻で受け取ることのできる年金額は20万1000円です。
今の時代は晩婚化などもあり、60歳以降も住宅ローンを支払い続けたり、セカンドライフの資金を貯めるタイミングが子供の学費が増加する時期と重なるなどして、思うように貯蓄できない人もいます。そうなると、20万1000円で住宅ローンを賄いながら、生活しなければならなくなってしまいます。
セカンドライフで収入を増やすためには、単純に働けば良いのですが、できるだけ若いうちに働いて、受け取る年金額そのものを増やしておきたいと考える方もいらっしゃると思います。
専業主婦(夫)が厚生年金に加入するメリットとは
専業主婦(夫)が厚生年金に加入する最大のメリットは、将来、受け取る年金額を増やすことができることです。
年金保険料は給料から天引きされるので、納付しなければならなくなると損をしている気持ちになることもあるかもしれません。しかし、年金保険料は労使折半です。会社が半額負担してくれますので、決して損をするわけではないのです。
150万円の壁?! お得な働き方を知っておこう
専業主婦(夫)の年収が103万円以下の場合、所得税・社会保険料ともに納付する必要はありませんが、103万円を超えると所得税を納付しなければならなくなります。
年収130万~150万円程度で社会保険の加入条件を満たしていれば、所得税の納付に加えて、社会保険に加入しなければなりません。103万円のときよりも収入は増えていますが、その分、支出も増えていきます。働いて収入を得ているメリットが感じにくい、という傾向にあります。
それならば、厚生年金の上乗せをして働くメリットを享受したいなら、年収150万円以上を目指しましょう。1カ月の収入に換算すると、12万5000円ですので、パートタイマーというよりも派遣社員や契約社員として働くイメージとなりますね。
派遣社員や契約社員で働く場合には、インフルエンザ予防接種の助成が受けられたり、福利厚生も充実したりしますので、年金額の上乗せプラスαの効果も期待できますよ。
なお、夫(妻)の会社によっては、配偶者の収入によって扶養手当を支給している会社もあります。いくら働くとそうした制度やメリットを享受できるのかは、個別の事情により違ってきます。自分の働く会社の福利厚生とともに、夫(妻)の会社の福利厚生も確認して、どれくらい働くかを考えていきましょう。
(※)厚生労働省年金局「平成30年度の厚生年金保険・国民年金事業の概況」
執筆者:飯田道子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
関連記事
夫が亡くなったら遺族年金、いくらもらえる?4組の夫婦で比較してみた
遺族年金ってどんな人がもらえるの?受け取り手続きはどうするの?
「夫が、25年払えば年金はもらえるから、これ以上払ったって損だからって言うのです。」本当?嘘?
The post 将来の年金が不安です。主婦(主夫)が厚生年金に入るメリットとは? first appeared on ファイナンシャルフィールド.
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
40年間専業主婦でしたが、定年退職する夫に「パートで働いて」と言われました。このタイミングで働いたほうが得なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月19日 2時30分
-
来年65歳以降も70歳まで雇用継続できることになりました。7つ年下の専業主婦の妻は、これからも社会保険料を払わなくてよいのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月10日 10時0分
-
40歳の専業主婦。子どもが「大学」を卒業するまで、15年ほど「年収200万円」の仕事をする予定です。将来の年金額はどのくらい増えますか? 手取りは減ってしまうでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月2日 4時30分
-
ずっと専業主婦だったのに「夫の遺族年金」と「自分の年金」だけで生活できているという姉。いったい月いくら受け取っているの? 夫の年収が「700万円」だったケースで試算
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月30日 2時20分
-
自分はずっと専業主婦でしたが、夫がなくなった場合に、遺族年金はどれくらい受け取れますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月29日 23時0分
ランキング
-
1メルカリ「フルリモート廃止?」に私が感じたこと 一体感を得るには「ある種の非効率さ」も重要だ
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 11時0分
-
2エリート官僚にトラックドライバーの気持ちはわからない…「長時間労働の禁止令」に運転手たちが猛反発のワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月26日 8時15分
-
3〈最低賃金1054円に〉過去最大増なのにパート、アルバイトから大ブーイングのワケ「扶養控除ライン据え置きはオフサイドトラップ」「政治家の報酬だけは世界トップクラスだけど、賃金はオーストラリアの半分」
集英社オンライン / 2024年7月26日 18時56分
-
4スキマバイト「タイミー」が上場、27歳社長の素顔 時価総額1000億円超「ユニコーン」に導いた手腕
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 9時0分
-
5RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 19時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)