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障害年金ヒント集(3) とりあえずの事後重症請求

ファイナンシャルフィールド / 2021年1月13日 23時0分

障害年金ヒント集(3) とりあえずの事後重症請求

年金の相談を受けていると、「障害年金をもらいたい。でも、ハードルが高くて…」と悩んでいらっしゃる人がたくさんいることが分かります。確かに、障害年金を受給するには、いくつものハードルがあります。
 
しかし、取り組み方をちょっと変えると、うまくハードルを越えられる場合もあります。悩んでいる人たちへの受給のためのヒント集です。
 
第3回は「とりあえずの事後重症請求」です。

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障害認定日請求か、事後重症請求か

障害年金の請求方法には、大別して、障害認定日請求と事後重症請求があるのはご存じのことと思います(「初めて2級の請求」などもありますが、レアケースなので、今回の説明では省きます)。
 
障害認定日請求は、障害認定日の障害の程度で判定してもらうものです。障害認定日は原則として、初診日の1年6カ月後です。請求の際は、20歳前障害の場合を除き、障害認定日から3カ月以内の症状が書かれた診断書を準備します。
 
事後重症請求は、障害認定日には障害等級に該当しなかったけれど、その後に症状が重症化した場合や、障害認定日から3カ月以内の症状が書かれた診断書を入手できない場合などに、請求時の障害の程度で判定してもらうものです。
 

受給総額で見ると、障害認定日請求のほうが有利

障害認定日請求の場合は、請求が認められると、障害認定日に受給権が発生し、その翌月分から(障害認定日が請求時から5年以上前の場合は、直近の5年間分)が支給されます。
 
それに対し、事後重症請求の場合は、請求が認められると、請求日に受給権が発生し、その翌月分から支給されるので、受給総額で見ると、障害認定日請求のほうがはるかに有利です。このため、障害認定日請求ができる場合は、できるだけ障害認定日請求をするようにします。
 

障害認定日請求は、手続きが複雑になりがち

しかし、障害認定日当時の診断書の取得には手間取ることがあります。障害認定日から年月がたっていると、もしかしたら、病院がすでに閉鎖されていたり、存続していても、カルテがなかなか見つからなかったりするかもしれません。
 
あるいは、当時の病院名がどうしても思い出せず、診断書の作成依頼に至らない場合もあります。こうした対応に日数をかけているうちに、請求が1カ月後、2カ月後と後送りになってしまうのは、受給総額を考えると望ましくありません。
 
別の理由もあります。手続きが複雑になりがちな障害認定日請求の場合、その複雑さから行き詰まってしまい、障害年金の請求そのものを断念してしまう人がいます。これは避けなければなりません。
 

「とりあえず、事後重症請求」という考え方も

こうした場合は、まず、手続きの取りやすい事後重症請求をして、とりあえず、障害年金の受給権を確保するのが得策になる場合があります。事後重症請求が認められた後で、障害認定日請求をやり直せばよいのです。
 
障害年金の請求書には、障害認定日請求をせずに事後重症請求をする理由を具体的に書く欄があります。「とりあえずの事後重症請求」の場合はこの欄を活用します。
 
詳細に書く必要はありません。日本年金機構が職員用に配布している「受付・点検事務の手引き」によると、記入例として「病院が廃業し診断書が添付できないため」「カルテが廃棄されて診断書が作成できないため」などが挙げられていますので、例えば、障害認定日当時に受診していた病院名を思い出せない場合などは、「病院名を思い出せず、障害認定日時点の診断書を添付できないため」としておけば良いでしょう。
 

ただし、弱点がある

ただし、事後重症請求をした後で改めて障害認定日請求をする場合は、次の弱点があります。

  • 手間と費用がかかります。最初の事後重症請求で提出した書類を再度作成して提出しなければなりませんし、家族の生計維持証明のための戸籍謄本など再度取得して提出しなければならない負担があります。
  •  

  • 障害認定日から5年以上経過している場合は、請求月が後になればなるほど、遡及して受給する年金額が減ります。上述のように、遡及して支給されるのは、請求日以前5年以内分だからです。
     
    事後重症請求の1年後に障害認定日請求をした場合、障害認定日での受給権が認められても、すでに障害年金が1年間支給されているので、この1年間分を除く4年間分が支給されます。

 

どちらが良いかは、請求者の事情次第

頑張って最初から障害認定日請求に取り組むほうがよいのか、「とりあえずの事後重症請求」をしたほうがよいのかは、請求者それぞれの事情によって異なります。迷う場合は、近くの年金事務所や社会保険労務士など専門家に相談されるのが良いでしょう。
 

執筆者:和田隆
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士
 

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