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医療費用と介護費用が両方高額になった時の対応

ファイナンシャルフィールド / 2021年1月21日 23時10分

医療費用と介護費用が両方高額になった時の対応

日本の公的医療保険制度と公的介護保険制度は、とても親切にできています。どちらも医療費や介護費用について、一定程度以上の金額は支払わなくても済むような制度になっています。公的医療保険の高額療養費制度(2019年3月掲載)と公的介護保険の高額介護サービス制度(2020年8月掲載)がその制度です。
 
今回は、この2つの制度を使っても費用負担が高額な場合の対処法について考えてみましょう。

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高額医療・高額介護合算療養費制度

「高額医療・高額介護合算療養費制度とは、世帯ごとに医療保険+介護保険の年間(※8月~翌年7月で計算)の負担額を合算して、一定の限度額を超えた分が支給されるものです。
 
公的医療保険の「高額療養費制度」そして介護保険の「高額介護サービス費制度」は、1カ月ごとの医療費と介護サービス費の自己負担を軽減する制度です。高額医療・高額介護合算療養費制度は、1年単位でこの2つの制度を利用してもなお一定の限度を超えた場合に費用を支給してくれる制度です。
 

制度の対象とならない費用

この制度の対象とならない費用もありますので注意が必要です。
 
例えば、公的医療保険では入院した時の居住費や食事負担、そして差額ベッド代が対象になりません。介護保険では、本人の要介護区分の支給限度を超えて利用したサービス費のほか、住宅改修費の自己負担分、福祉用具の購入費用、施設サービスなどでの食費や滞在にかかる費用などは対象となりません。
 
また、高額療養費、高額介護サービス費で支給される額は対象となりません。対象となるのは実際に自己負担した部分です。
 
通常は世帯単位で判定しますので、夫婦両方の費用を合算できます。ただし、例えば夫が年上の夫婦の場合、夫が75歳になると後期高齢者医療保険に加入することになりますが、妻は国民健康保険に加入したままです。この場合、保険制度が異なるので合算ができません。
 

70歳未満を含む世帯の限度額

限度額は以下のとおりです。

限度額

■住民税非課税世帯:年間34万円
■標準報酬月額26万円以下:年間60万円
■標準報酬月額28万円〜50万円:年間67万円
■標準報酬月額53万円〜79万円:年間141万円
■標準報酬月額83万円以上:年間212万円

 
※標準報酬月額とは、簡単にいえば4月5月6月の合計収入を3で割ってランク分けしたものです。
 

70歳以上の世帯の上限額

世帯全員(70~74歳のみ)が住民税非課税の「低所得者II」世帯の限度額は年間31万円です。さらに、被保険者とその扶養家族すべての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合は「低所得者I」世帯となり、限度額が年間19万円となります。
 
「一般世帯(年収約370万円未満の世帯)」の限度額は年間56万円です。それ以上の収入がある「現役並み所得」世帯は、70歳未満と基準が同じとなります。
 

申請手続きと申請期限

高額医療・高額介護合算療養費制度は、加入している公的医療保険を通して自分で申請します。国民健康保険や後期高齢者医療制度は市区町村役場の窓口で、協会けんぽ・健康保険組合などは、勤務先を通して申請します。
 
なお、協会けんぽ・健康保険組合などに加入している人は、介護に関する自己負担の証明書の交付を、住んでいる自治体から受ける必要があります。交付された証明書を添付して、勤務先に申請してください。
 
申請期限は、毎年7月31日の翌日から2年間と定められています。
 
もし、被保険者が死亡した場合は、死亡した日の翌日からから2年間ですので注意が必要です。
 

申請を忘れずに

この制度は、前述のように算定期間が8月〜翌年7月までで、医療費控除(1月〜12月)と時期が異なりますので、忘れないように注意してください。
 
高額医療・高額介護合算療養費制度における自己負担限度額を超えてしまいそうな場合、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者には、市区町村役場から通知が届きますので、それをもとに申請しましょう。
 
ただし、協会けんぽや健康保険組合などに加入している人へは、各健康保険から通知はされません。各自で医療費・介護サービス費を計算して、自己負担額を上回る可能性があれば、協会けんぽ等に確認して申請してください。
 
いずれにしても、この制度を利用するには、自分で申請を行う必要があります。制度についての詳細は、各自治体や加入している医療保険の窓口などに相談してください。
 
執筆者:北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント
 

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