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住宅ローン控除を受けるための確定申告の手続き方法と注意点

ファイナンシャルフィールド / 2021年1月30日 11時30分

住宅ローン控除を受けるための確定申告の手続き方法と注意点

住宅ローンという大きな支出を抱えるなか、少しでも節約を、と考える方は多いのではないでしょうか。そのような方にとって、支払った所得税が返還され、場合によっては住民税が減額される「住宅ローン控除」は、忘れずに手続きをしておきたい制度です。
 
しかし、住宅ローン控除を受けるためには初年度については確定申告をしなければならないため、手続き方法がよくわからず、面倒に感じる方もいるでしょう。
 
ここでは、住宅ローン控除のための確定申告について知りたい方へ向けて、適用要件や手続きの流れ、2年目以降の手続き方法など、基本的な情報をまとめました。ぜひ、手続きの準備をする際の参考にしてください。

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住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、個人が住宅ローンなどの借り入れをして住居の新築や取得、増改築などを行った場合に、一定の要件を満たすことで所得税・住民税から控除を受けられる制度のことです。正式には「住宅借入金等特別控除」「特定増改築等住宅借入金等特別控除」といいます。
 
住宅ローン控除が受けられるのは、住宅に住みはじめてから10年間(消費税率10%で取得した場合は13年間)です。控除を受けることができる金額は、原則として次のように計算します。
 
住宅ローン控除額=年末残高等×控除率
 
控除率は住宅に住み始めた年や適用経過年数によって異なります。また、年末残高や控除額の上限も住み始めた年ごとに違うため、注意が必要です。
 
たとえば、令和元年10月1日から令和2年12月31日までに住みはじめ、かつ10%の消費税率で購入した新築住宅の住宅ローンについて令和3年に控除を受ける場合、年末残高(上限4000万円)×1%(40万円まで)の控除を受けることができるほか、11年目から13年目までの控除額については以下の計算式によって求められた金額になります。

 

(11年目から13年目までの住宅ローン控除額)
・年末残高等〔上限4000万円〕×1%
・(住宅取得等対価の額-消費税額)〔上限4000万円〕×2%÷3
のいずれか低い金額

 

住宅ローン控除の適用要件

住宅ローン控除の主な適用要件は次のとおりです(新築、土地代金を含む場合)。
 
1.新築した日から6ヶ月以内に住みはじめ、控除を受ける年の12月31日時点で引き続き住んでいる。
 
2.控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下である。
 
3.住宅の床面積が50平方メートル以上で、床面積の2分の1以上が自分が居住するためのスペースである。
 
4.住宅ローンの借入期間が10年以上である。
 
5.住みはじめた年と前3年・後2年の6年間(令和2年3月31日以前の譲渡は前後2年ずつ)の間に、住宅、土地以外の資産について長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていない。
 
住宅ローン控除の適用を受けるには、要件のすべてを満たす必要があります。住宅ローンの目的などによって適用要件は異なるため、自身のケースについて要件に当てはまっているかきちんと確認しましょう。
 

確定申告が必要なのはどんな人?

確定申告を必ずしなければならないのは、適用を受けようとする最初の年です。また、個人事業主の方など普段から所得税の確定申告を行っている方は、2年目以降も引き続き確定申告で手続きをします。
 
初年度の確定申告の手続き方法を、以下にまとめました。
 

期間と期限

確定申告は原則として、申告する年度の翌年の確定申告書受付期間に行います。期間は年度ごとに違いますが、毎年2月半ば~3月半ばごろまでの1ヶ月間です(令和2年分の確定申告の受付期間は、令和3年2月16日~3月15日まで)。
 
申告する内容が還付申告(払いすぎた所得税等を返還してもらうための申告)の場合には、翌年1月1日から申告できます。また5年以内であれば、いつでもさかのぼって手続きすることが可能です。
 
ただし、住宅ローン控除を所得税から控除しきれず、住民税からも控除を受ける場合には注意が必要です。住民税からの控除は納税通知書が送達されてしまうと受けられなくなるため、住宅ローン控除の金額が所得税額を上回る場合は、納税通知書が送達される毎年5~6月までには確定申告をすませるようにしましょう。
 

手続きの方法

必要書類の準備→申告書と計算書・付票の記入→申告書の提出→納税または還付というのが、確定申告の大まかな流れです。確定申告書の提出には、次の3つの方法があります。
 
・e-Taxで申告する
・所轄税務署に郵送する
・所轄税務署の窓口に提出する

 
具体的な方法はそれぞれ以下のとおりです
 

●e-Tax
「国税庁 確定申告書等作成コーナー」で申告書を入力し、e-Taxで送信します。e-Taxの利用方法は、パソコンやスマートフォンなどにマイナポータルAPをインストールして、マイナンバーカードを利用する方法と税務署で発行されたID・パスワードを使う方法が選べます。

 

●郵送
記入した確定申告書類と添付書類を封筒に入れ、住所地などの所轄税務署宛に郵便、または信書便で送付します。収受日付印のある確定申告書の控えがほしいときには、確定申告書の控えと、宛名を記載し必要な金額の切手を貼った返信用封筒を同封すると返送してもらうことができます。

 

●窓口
住所地などの所轄税務署の開庁時間内に、記入した確定申告書類と添付書類を持参し、提出します。また、税務署に設置された時間外収受箱へ投函することもできます。

 

必要書類

新築、中古住宅の購入、各種増改築など、住宅ローンを組んだ目的によって、住宅ローン控除を受けるために必要な書類は異なります。ここでは、住宅を新築したまたは新築住宅を購入した場合を取り上げ、土地の購入代金を含まない場合と含む場合、それぞれの必要書類を紹介します。
 

1.土地の購入代金を含まない場合(敷地の取得に係る住宅借入金等がない場合)

・確定申告書
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
・マイナンバーの記載がない住民票の写し(平成27年分以前の申告のみ)
・家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写しなど(家屋の新築(取得)年月日・家屋の取得対価の額・家屋の床面積などが住宅ローン控除の要件に該当することがわかるもの)
・補助金等の額を証明する書類(補助金を受けている場合)
・住宅取得等資金の額を証明する書類の写し(住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けている場合)
 
このうち、確定申告書と(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、自分で必要事項を記入する必要があります。

 

2.土地の購入代金を含む場合(敷地の取得に係る住宅借入金等がある場合)

1の書類に加えて、次の書類が必要です。
 
・土地の登記事項証明書、売買契約書の写しなど(取得年月日、取得対価の額がわかるもの)

 

2年目以降の住宅ローン控除の手続き方法

2年目以降の住宅ローン控除について確定申告で手続きする場合、手続きの方法や流れは同じです。しかし、初年度のように多くの書類を用意しなくてもいいことになっています。
 
2年目以降の確定申告で必要な書類は、以下の3点です。
 
・確定申告書
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

 
確定申告書と(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、必要事項を記入して提出します。
 

給与所得者は年末調整で対応できる

会社勤めをしているなどの給与所得者の方は、2年目以降は会社が行う年末調整のときに必要書類を提出することで、住宅ローン控除の手続きができます。
提出する書類は、次の2点です。
 
・年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(証明書)
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

 
年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書は、住宅借入金等特別控除証明書と一体になっており、申告書部分に自分で内容を記入してから提出します。はじめの年に税務署から控除適用期間の分がすべて送られてくるため、紛失しないように注意しましょう。
 

ふるさと納税との併用には注意

節税対策としてふるさと納税を利用している場合も、住宅ローン控除を併用することは可能です。
 
しかし、ふるさと納税も住宅ローン控除と同じく、所得税・住民税から控除される仕組みです。また、ふるさと納税が先に控除されたうえで、住宅ローン控除が適用されます。そのため、ふるさと納税を併用することで住宅ローン控除を上限額いっぱい受けることができないケースがあることには注意しましょう。
 

しっかり確定申告して住宅ローン控除を受けましょう

住宅ローン控除は、正しく手続きすることで大きな節税ができる制度です。初年度は必ず確定申告をしなければならないため戸惑うことも多いかもしれませんが、手続きできる期間や手続きの方法を確認し、必要書類などを前もって準備したうえで、余裕をもって確定申告に臨んでください。
 
また、2年目以降についてはら確定申告の手続きが初年度よりも簡便になること、給与所得者は確定申告をしなくてもいいことを覚えておきましょう。住宅ローン控除の手続きについて正しく知ることで、スムーズに手続きを進めることができます。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
 

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