2021年度から住民税の値上げを予定。どんな人が対象?
ファイナンシャルフィールド / 2021年2月2日 22時30分
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2021年度(令和3年度)より、私たちの個人住民税について税制改正された内容が適用されます。それによって増税となる方もいれば、減税となる方もいらっしゃいます。今回は、住民税増税の対象となる方についての情報をまとめました。
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住民税の増税といっても、実際には住民税の税率が変わるというより、住民税を計算する際に基となる所得の控除などが変わるというものです。
具体的には、住民税は前年度の所得に一定の税率をかけて算出するのですが、その際の所得金額を小さくしてくれる各種控除に変更があり、住民税算定の基礎となる所得の数値が大きくなるため住民税が増税されるといわれているのです。
所得金額が2400万円超の方
2021年度(令和3年度)の改正により、合計所得金額が2400万円を超える方は改正前と比べて基礎控除の額が減り、2500万円を超えると完全に基礎控除の適用を受けられなくなりました。これまで基礎控除の額が一律33万円だったため、所得が2500万円を超える方の中には変更が大きいと感じられる方もいることでしょう。
合計所得金額 | 改正前の基礎控除 | 改正後の基礎控除 |
---|---|---|
2400万円以下 | 33万円 | 43万円 |
2400万円超~2450万円以下 | 33万円 | 29万円 |
2450万円超~2500万円以下 | 33万円 | 15万円 |
2500万円超 | 33万円 | 0円 |
※国税庁 「昨年から変わった点」より筆者作成
給与所得者である方
給与所得者である方には給与所得控除が存在しており、課税対象となる給与から一定の控除をした上で住民税が計算されています。その給与所得控除が10万円引き下げられました。給与での収入が850万円を超える方は最大で25万円引き下げられます。
給与収入 | 改正前の給与所得控除 | 改正後の給与所得控除 |
---|---|---|
162万5000円以下 | 65万円 | 55万円 |
162万5000円超~180万円以下 | 給与収入×40% | 給与収入×40%-10万円 |
180万円超~360万円以下 | 給与収入×30%+18万円 | 給与収入×30%+8万円 |
360万円超~660万円以下 | 給与収入×20%+54万円 | 給与収入×20%+44万円 |
660万円超~850万円以下 | 給与収入×10%+120万円 | 給与収入×10%+110万円 |
850万円超~1000万円以下 | 給与収入×10%+120万円 | 195万円 |
1000万円超 | 220万円 | 195万円 |
※国税庁 「昨年から変わった点」より筆者作成
寡婦(寡夫)控除を受けていた方
これまで、夫と離別・死別した妻が子を扶養していた場合、寡婦控除として最大30万円の控除を受けられていましたが、今回の改正により妻の所得が500万円を超えていると寡婦控除を受けることができなくなりました。
年金受給者の方
公的年金等控除額(例えば厚生年金や国民年金、企業年金などを受け取っている方への控除)が一律10万円引き下げられることになりました。なお、公的年金等に係る雑所得以外の所得の合計所得金額が、1000万円を超え2000万円以下である場合は控除額からさらに10万円、2000万円を超える場合はさらに20万円引き下げられます。
詳細については最寄りの税務署や年金事務所などへお問い合わせください。
2021年度は住民税が増税となる方が出てきます
2021年度から基礎控除を含む各種控除の額が変更となったことで、一部の高所得者の方にとっては住民税に値上げとなるものの、大多数の中所得者や低所得者にとって実質的な変更はありません。一むしろ、新型コロナウイルスの影響で中止となったイベントのチケットの払い戻しができなかった方に寄附金控除を認めたり、住民税の均等割や所得割の非課税範囲が10万円引き上げられたりするなど、支援が必要な層には非課税や減税となるよう均衡が図られています。
自身の住民税の計算式や適用できる控除について気になる点があれば、お住まいの自治体や税務署に問い合わせるようにしてください。
出典
国税庁 昨年から変わった点
江戸川区 2021年(令和3年)度分住民税から適用されるもの
執筆者:柘植輝
行政書士
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