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ビットコインで儲かったら確定申告が必要(その2)損益通算と繰越控除

ファイナンシャルフィールド / 2021年3月3日 22時30分

ビットコインで儲かったら確定申告が必要(その2)損益通算と繰越控除

その1では、株式と比べて、ビットコインの税額が大きくなることを説明しました。その2では、それ以外の特徴について説明したいと思います。

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株式と仮想通貨  損益通算ができる範囲

株式投資をされている方はよくご存じと思いますが、証券会社Aと証券会社Bにそれぞれ口座を持っていた場合、証券会社Aで譲渡損失をして証券会社Bで譲渡益を上げた場合、証券会社Aの損失と証券会社Bの利益とを合算して株式合計の売却益について課税されます。
 
また、別途配当所得がある場合は、配当所得と株式の譲渡損失を合算して利益のある場合に課税されます。これを損益通算といいます。
 
株式の損益通算の範囲は、株式の譲渡所得とそれに関する配当所得・利子所得に限られ、上場株式と一般株式の間での損益通算はできません。
 
これに対し、仮想通貨の場合はどうでしょうか?
 
ビットコインで利益を出し、イーサリアムで損失を出した場合、両者を合算して、合計で利益が出た分に対し課税されます。ただし、他の雑所得との損益通算はできません。
 
損益通算について株式と仮想通貨の比較をすると、その範囲は株式が同種の株式および配当、仮想通貨は仮想通貨の範囲でしか損益通算ができないということにあり、大きな違いはないということになります。     
 

株式と仮想通貨の違い  繰越控除ができるか?

繰越控除とは、ある年度で損失を出した場合、翌年度以降の利益と相殺できる制度のことをいいます。株式の場合は、損益通算してさらに損失がある場合は翌年度から3年間にわたりその損失を繰り越し、翌年度以降の利益と相殺することができます。
 
ところが、仮想通貨の場合は、ある年度で損失を出しても、その損失を翌年度以降に繰り越すことはできません。
 
繰越控除についていうと株式の方が税制的に優遇されているということができます。
 

税務申告の義務

株式の場合

株式の場合は、原則として申告分離課税なので、少しでも利益が出れば申告する義務があります。ただし、証券会社で「源泉徴収あり」のみの特定口座でしか取引をしていない場合は、源泉徴収で納税義務が完了するので、申告する必要はありません。
 
また、繰越控除の権利を得ようとする場合は損失を出した場合でも申告しないと翌年以降に繰越控除が受けられません。
 

仮想通貨の場合

仮想通貨の売却益は雑所得に分類されます。雑所得にはそれ以外に次のような種類の所得があります。
 

●公的年金
●著述業、挿絵、作曲などによる所得
●個人年金保険の給付金
●iDeCoの給付金
●先物取引による所得など

 
上記雑所得のうち、公的年金による所得を除いた所得の合計が20万円以内の場合は申告する義務がありません。
 
ですから、雑所得のうち公的年金以外の他の所得がない場合、仮想通貨による所得が20万円以内であれば申告の義務はなく、税金を払う必要もないということになります。また、繰越控除も受けられないので損失を申告する必要もありません。
 

同一銘柄複数売買の場合の申告方法

株式の場合

同一銘柄を1年間に何度も売買した場合、売却益をどのように計算するかが難しいので計算方法が定められています。株式の場合は「総平均法に準ずる方式=移動平均法」となっています。
 

仮想通貨の場合

仮想通貨の場合は、「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を提出しないと「総平均法」、届け出をして「移動平均法」を選択した場合は「移動平均法」になります。
 
総平均法と移動平均法の違いについては、その3で詳しく説明をしたいと思います。
 

まとめ

以上、2回にわたり、株式と仮想通貨の税制の違いを見てきました。ポイントは次のとおりです。
 
1. 売却益の増大に伴う手取り利益率の変化
株式は売却益の大小にかかわらず、税率が20%なので、手取り利益率は80%で一定。これに対し、仮想通貨は累進課税方式をとっているので、売却益が伸びるほど、税率が大きくなり、手取り利益率は下がる。この点で仮想通貨は株式に比べ不利。
 
2. 繰越控除が認められるかどうか株式の場合、当該年度の損失について、翌年度から3年間の繰越控除が認められるのに対し、仮想通貨の場合、繰越控除は一切認められない。この点でも、仮想通貨は株式に比べ不利。
 
仮想通貨の税制は株式と比べ必ずしも有利ではありません。仮想通貨への投資を行う場合は、価格の上昇率だけではなく、上記の点も頭に入れて行うことをお勧めします。その3では、総平均法と移動平均法について説明をしたいと思います。
 
出典 国税庁 No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
 

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