「神様」「伝説的」世界中で愛される日本の漫画家が60歳の若さで死去【2月9日はどんな日?】
Finasee / 2023年2月9日 12時0分
Finasee(フィナシー)
・NTTが「世界一」の企業に! 投資初心者も株に殺到…歴史的暴落の末路
漫画は日本を代表する文化のひとつです。海外でも人気を集めており、特に90年代初頭に『ドラゴンボール』や『美少女戦士セーラームーン』などの人気タイトルが現地語で出版されたフランスでは、漫画市場が大きく発展しました。今や「Manga」は世界の共通語になりつつあります。
2月9日は「漫画の日」です。なぜ今日が漫画の日なのか、その由来と昨今の出版業界を救ったキラータイトル『鬼滅の刃』について確認しましょう。
漫画の神様、手塚治虫の命日漫画の日は漫画専門の古書店「まんだらけ」によって定められました。2月9日としたのは、漫画の神様と呼ばれる手塚治虫(本名:手塚治)の命日に由来しています。
手塚治虫は『鉄腕アトム』や『ブラック・ジャック』で知られる伝説的な漫画家です。18歳のときに『マアチャンの日記帳』で漫画家デビュー後、数々の名作を生み出しました。生涯の作品数は約700タイトル、ページ数は15万枚にもなるそうです。
出所:手塚治虫公式サイト
手塚治虫は1989年2月9日、胃がんのため60歳で亡くなりました。まだたくさんの作品を作っていただろう巨匠の死に、日本は大きな悲しみに包まれました。
手塚治虫をしのんで定められたのが本日の漫画の日ですが、実は漫画の日とされるものはほかにもあります。例えば11月3日は文化の日ですが、2002年に日本漫画家協会と複数の出版社が「まんがの日」としました。漫画を文化として認知してほしいという思いが込められているほか、手塚治虫の誕生日でもあるのです。また、漫画を用いた風刺週刊誌『パンチ』がイギリスで創刊された7月17日を漫画の日とするケースもあります。
年に3回も記念日があるのは、それだけ漫画が日本で愛されている証拠といえるでしょう。うち2回が手塚治虫に由来していることも、漫画の神様として慕われている証といえそうです。
『鬼滅の刃』のヒットでコミック市場は過去最高記録を更新手塚治虫の漫画家デビューは1946年ですが、漫画は現代でも広く愛されています。特に近年は出版市場におけるシェアも大きくなってきました。
出版市場全体の販売額はピークの1996年以降、右肩下がりに下落しています。しかし2019年と2020年は2年連続で前年を上回りました。出版科学研究所によると、『鬼滅の刃』の記録的な大ヒットが大きく寄与したようです。
『鬼滅の刃』は吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)による漫画作品で、累計発行部数は1億5000万部を突破しました。1冊400円とすれば1タイトルで600億円にも上る計算です。出版業界にとってはまさに救世主のような存在でしょう。
出所:鬼滅の刃 公式ポータルサイト
2020年のコミック市場規模は6126億円となり、ピークだった1995年の5864億円を大きく上回ります。出版市場全体の2020年の販売金額は1兆6168億円ですから、コミック市場は全体の37.9%を占めるまでになりました。
【2020年の出版市場の概況】
出所:出版科学研究所 日本の出版販売額コミック販売の50%超は電子に近年は電子化された出版物のシェアが上昇しています。2014年では出版物全体の売り上げに対して電子化されたものは6.7%程度でしたが、2020年には24.4%にまで上昇しました。
【紙&電子 出版物売り上げシェア】
出所:出版科学研究所 日本の出版販売額電子化の傾向はコミック市場で顕著に表れています。コミック市場の売り上げは2014年~2020年で4456億円から6126億円に増加しましたが、上昇分の全ては「電子コミック」が担いました。「コミックス」と「コミック誌」はどちらも減少した一方、「電子コミック」は3.8倍以上に売り上げを伸ばし、コミック市場全体の上昇に貢献しています。
「電子コミック」の2020年の売り上げ3420億円はコミック市場全体の55.8%。つまり販売金額ベースでは、電子化されていない漫画のほうが珍しいという状態です。
【コミック市場の推移】
出所:出版科学研究所 日本の出版販売額媒体が紙からデジタルに変わっても漫画の面白さは変わりません。これからも漫画は世界中で愛されていくでしょう。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
マネー・トリビア
過去の「今日」にはどんな出来事があった? 金融知識の豊富な著者陣が独自の視点でお金にまつわるその日のトピックをセレクトし、奥深い豆知識をお届けします。
この記事に関連するニュース
-
『鬼滅の刃』イラスト記録集の表紙解禁 描き下ろし!日輪刀をド派手に構える宇髄天元
ORICON NEWS / 2024年11月18日 14時5分
-
漫画家・楳図かずおさん死去 享年88 代表作は「漂流教室」「まことちゃん」など
モデルプレス / 2024年11月5日 18時55分
-
『ブラック・ジャック』50周年・『火の鳥』70周年!手塚治虫さんの名作版画が「京都高島屋」に集合
IGNITE / 2024年10月29日 17時0分
-
『ブラック・ジャック』や『火の鳥』など、マンガの神様・手塚治虫の名作版画を10月30日(水)から京都高島屋で一堂に展示販売します!
PR TIMES / 2024年10月29日 10時0分
-
日本でマンガが広がった背景に、どんな「仕組み」があったのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月27日 9時10分
ランキング
-
1ジャパネット2代目に聞く「地方企業の生きる道」 通販に次ぐ柱としてスポーツ・地域創生に注力
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時0分
-
2相鉄かしわ台駅、地元民は知っている「2つの顔」 東口はホームから300m以上ある通路の先に駅舎
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 6時30分
-
3クシュタールの会長「セブン&アイとの統合で小売業のチャンピオンに」…敵対的買収は「考えていない」
読売新聞 / 2024年11月22日 9時5分
-
4日本史の偉人「意外と二面性ある」驚きのトップ3 戦国時代や幕末の偉人も、どんな二面性?
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 9時20分
-
5「観光客が土下座強要?」に見るFENDIの反省点 インバウンド対応を迫られる各企業が今すべきこと
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください