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NISAを始めた人はお金が2.4倍!?「まだやってない」人が直視すべき現実

Finasee / 2023年2月13日 12時0分

NISAを始めた人はお金が2.4倍!?「まだやってない」人が直視すべき現実

Finasee(フィナシー)

・「新NISA」はこれだけ進化する! いまさら聞けない“革命的”制度変更

2月13日は2(に)13(いさ)の語呂合わせで「NISA(ニーサ)の日」です。NISAとは専用の口座を通じて行う投資が非課税となる制度で、2014年から始まりました。

投資の利益には約2割の税金がかけられますが、NISAを通した投資には税金がかけられません。対象となる利益額には上限がないため、極端にいえば利益が1兆円を超えても非課税です。せっかく投資するならぜひ利用したいですね。

今日はNISAの日にちなみ、2つのNISA「一般NISA・つみたてNISAの概要」と、「NISAをしていた場合の損益」、そして2024年から始まる現行のNISAを大きく拡充した「新NISAの概要」について確認しましょう。

2014年から「一般NISA」、2018年から「つみたてNISA」スタート

NISAには2014年から先行してスタートした「一般NISA」と、2018年から始まった「つみたてNISA」があります。概要を以下にまとめました。

【一般NISA・つみたてNISAの概要】

※1.2015年以前は100万円/年
※2.金融庁の認可を得た投資信託に限られる

出所1:金融庁 NISA特設ウェブサイト 一般NISAの概要
出所2:金融庁 NISA特設ウェブサイト つみたてNISAの概要

端的にいえば、自由度が高いのは一般NISAで、非課税期間が長いのがつみたてNISAです。一般NISAは年間120万円まで投資でき、投資商品やタイミングも比較的自由に選べます。

一方、つみたてNISAは年間40万円までしか投資できず、投資できる商品は金融庁が認可した投資信託だけ。また投資タイミングは積立投資しか選べません。その代わり非課税期間が最長20年と長く設定されています(一般NISAは最長5年)。仮に2022年に投資すると、2041年末まで税金がかかりません。

両者は同時に併用できないため、どちらか選んで利用しましょう。NISAは銀行や証券会社で開設できます。

もしもNISAをしていたら今いくら?

制度が始まった当初から一般NISA・つみたてNISAをしていたら、今はそれぞれいくらになっているのでしょうか? 全世界株式(※)に投資をしていたと仮定し、シミュレーションしてみましょう。

※全世界株式:MSCI ACWI Index(円建て、グロス)

全世界株式の2014年~2021年のリターンは以下の通りです。2015年・2018年はマイナスですが、その他の年は全てプラスとなり、7年間の累計では+145.5%の上昇となりました。

【全世界株式のリターン】

出所:MSCI ACWI Index (JPY) FACT SHEET(DEC31,2021)

一般NISAの当初の投資上限額は年間100万円です(現在は120万円)。仮に100万円を2014年初から投資し、ロールオーバー(※)を経て2021年末まで保有していた場合、約245万円になっている計算です。

※ロールオーバー:非課税期間を延長する処置。一般NISAの非課税期間は最長5年だが、ロールオーバーを行うと新たに最長5年延長できる。

つみたてNISAがスタートした2018年から2021年末までの全世界株式の累計リターンは+64.8%ですが、これは2018年の年初に一括投資した場合のリターンです。積立投資しかできないつみたてNISAの場合、そのまま当てはめることはできません。

シミュレーションのため、各年初に投資上限40万円を投資したと仮定すると、リターンは以下のようになります。2018年はマイナスですが、2021年末には約218万円になりました。4年間の累計投資額は160万円なので、36%以上お金を増やせた計算です。

【2018年~2021年のつみたてNISAリターン】

 

リターンは投資対象などで異なるため一概にはいえませんが、NISAを始めている方の多くは利益が出ているといえそうです。

2024年に始まる「新NISA」とは

2024年から始まる新NISAでは、投資できる期間と非課税期間が撤廃されます。いつでも投資することができるようになり、購入した商品には無期限で税金が発生しません。

さらに、投資できる金額も大きく引き上げられることになりました。新NISAでは、「生涯投資枠」という枠が設けられ、累計で1800万円まで投資可能です。

なお、新NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」という2つの枠が設けられ、前者は240万円、後者は120万円を超えて投資することはできません。2つの枠は併用できるため、年間の投資枠は合わせて360万円です。両枠で上限まで投資すると、5年で生涯投資枠に到達する計算です。

【新NISAの概要】

※1.監理銘柄、整理銘柄を除く
※2.毎月分配型、高レバレッジ型、信託期間20年未満の銘柄を除く
※3.金融庁の基準を満たした一定の銘柄のみ(つみたてNISAと同様)

出所:金融庁 新しいNISA

新NISAでは、年間投資枠を毎年使い切る必要性は薄れることになりました。現行のNISAは投資できる金額が年間投資枠で管理され、未使用分の枠を翌年に繰り越すことができません。従って、制度を最大限利用するためには枠を毎年使い切る必要があります。

しかし新NISAの場合、投資できる金額はあくまで生涯投資枠で管理されます。年間投資枠は設けられますが、使わなかったからといって生涯投資枠が減るわけではありません。つまり「最大で1800万円まで投資できるが、年間では最大360万円まで」という制度になるのです。投資資金が少ない人でも、枠を使い切りやすくなるでしょう。

なお、本来2042年までの制度だった「つみたてNISA」は、2023年に終了することになりました。もともと終了が決まっていた「一般NISA」と「ジュニアNISA」も合わせ、現行のNISAは今年で全て役割を終えます。ただし、既に購入した商品は現行のルール通り非課税期間が続くので、慌てて売らないようにしましょう。

【NISAの抜本的拡充・恒久化(一部抜粋)】

現行の一般NISA及びつみたてNISAについては、令和5年末で買付を終了することとするが、非課税口座内にある商品については、新しい制度における非課税限度額の外枠で、現行の取扱いを継続する。

出所:自由民主党 公明党 令和5年度税制改正大綱

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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