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倒壊ビルで日本人の犠牲者…前途ある留学生の被害、市長が遺族に謝罪

Finasee / 2023年2月22日 12時0分

倒壊ビルで日本人の犠牲者…前途ある留学生の被害、市長が遺族に謝罪

Finasee(フィナシー)

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ニュージーランドは日本と並ぶ地震大国です。2011年に東日本大震災が発生しましたが、そのおよそ3週間前にはニュージーランドで「カンタベリー地震」が起こり大きな犠牲が出ていました。2月22日がその日です。

私たち日本人と地震は切っても切り離せません。今日は犠牲者のご冥福をお祈りしつつ、カンタベリー地震の経緯について学びましょう。また、将来日本で発生が予想される「南海トラフ地震」と「地震保険の概要」についても解説していきます。

死者185人。日本人の犠牲も

2011年2月22日の午後0時51分(日本時間午前8時51分)、ニュージーランドのカンタベリー地方をマグニチュード6.3の地震が襲います。国土地理院によると、震源が深さ5キロメートルと浅く、地震規模の割に比較的大きな揺れが生じたようです。

出所:国土地理院 2011年2月22日ニュージーランド南島の地震に伴う地殻変動

カンタベリー地方の主要都市クライストチャーチには歴史的な建造物も多く、強度的にもろい建物の多くが倒壊しました。特に大きな被害が出たカンタベリーテレビジョンビルは全層が積み重なるように崩壊し、日本人を含む115人が犠牲となります。同ビルは後にニュージーランド政府の調査でずさんな設計が明らかになり問題となりました。

結局、カンタベリー地震では日本人28人を含む185人が犠牲となりました。治安の良いニュージーランドは留学先として人気があり、犠牲となった日本人の多くは未来のある留学生でした。2020年にはクライストチャーチ市長が来日し、ビルの倒壊に関して市の道義的責任を認め遺族に謝罪しています。二度とこのような悲劇が起こらないよう願わずにはいられません。

10メートルもの大津波が予想。南海トラフ地震について

日本で発生する可能性が高い大地震の1つに「南海トラフ地震」があります。一体どのような地震なのでしょうか。

海底の溝のような地形をトラフといい、駿河湾から日向灘沖にかけて形成されたものを「南海トラフ」といいます。気象庁によると、南海トラフ沿いではこれまで断続的に地震が発生しており、今後も大きな地震の発生が予想されています。

【南海トラフ沿いで発生した主な地震(1500年以降)】
1605年:慶長地震
1707年:宝永地震
1854年:安政東海地震
1854年:安政南海地震
1944年:昭和東南海地震
1946年:昭和南海地震

出所:気象庁 南海トラフ地震とは

気象庁によると、最大クラスの南海トラフ地震が発生した場合、最大震度7の強い揺れと太平洋沿岸の広い地域に10メートルを超える大きな津波が発生すると想定されています。東日本大震災では岩手県大船渡で8メートル以上の津波が押し寄せましたが、最大クラスの南海トラフ地震ではこれに匹敵する津波が到来する計算です。死者・行方不明者数は最大32万3000人にまで達するとも指摘されています。

気象庁における最新の南海トラフ地震関連解説情報によると、今後30年間でマグニチュード8~9クラスの南海トラフ地震が発生する確率は70~80%。直近に発生した昭和東南海地震・昭和南海地震から70年以上たっていることから、切迫性の高い状態と評価しました。

出所:気象庁 南海トラフ地震関連解説情報

気象庁はHPやパンフレットなどでも南海トラフ地震への備えを呼び掛けています。私たちも日頃の備えをいま一度点検しましょう。

地震保険の仕組み

震災時は何より命を守ることが大切ですが、その後は復興を考えなければいけません。その際に役立つのが地震保険です。地震で自宅に生じた損害を補償する保険で、生活再建を経済的に支援する役割を持っています。

地震保険の特徴は国がバックアップしている点でしょう。地震はひとたび起こると被害が広範で、保険会社の補償能力を超える可能性があります。このような場合、保険会社が破綻してしまい十分な補償を受けられないか、そもそも保険商品として販売されません。これでは私たちに不都合なので、国が保険金支払いの一部を負うことで地震保険が成り立っているのです。

出所:日本地震再保険株式会社 地震保険のしくみ

ただし、地震保険では自宅に生じた損害の全てを賄うことはできません。地震保険は火災保険にセットして契約しますが、地震保険の保険金額は火災保険の30~50%の範囲に限定されているためです。

具体的な数値で考えてみましょう。例えば現在3000万円の自宅に住んでいる場合、火災保険は最大3000万円までの補償を契約できます。もしも火災保険の支払い事由で自宅が全損した場合、3000万円の保険金を受け取れるでしょう。

ここに地震保険をセットする場合、契約できる金額は900万~1500万円です。仮に地震で自宅が全損した場合でも1500万円までしか保険金は支払われません。

被害の全額が補償されないため、地震保険は生活再建に十分とは言い難い商品です。しかし未加入ではその補償もないため、地震に備えるためには地震保険への加入が現実的でしょう。

近年では比較的小規模な保険を取り扱う「少額短期保険」の分野で地震を補償する商品も登場しました。地震保険の補償に不足を感じる場合、別にこれらの保険に加入するのもいいでしょう。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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