電気にガス、生活必需品まで… 値上げラッシュに全国民が苦しむ時が来た
Finasee / 2022年3月1日 12時0分
![電気にガス、生活必需品まで… 値上げラッシュに全国民が苦しむ時が来た](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/finasee/finasee_10557_0-small.jpg)
Finasee(フィナシー)
3月は値上げの春となりそうです。1月下旬に全国の電力会社が一斉に値上げを発表し、北陸電力を除き3月分から電気料金が引き上げられます。
どうして電気料金が上がっているのか、その理由を探りましょう。
電力各社が一斉に値上げ1月28日に発表された電力会社の値上げは以下の通りです。中部電力の値上げ幅が最も大きく、標準的な家庭では292円の値上げとなりました。その他の電力会社も北陸電力を除き値上げとなっています。
【電気料金の2022年3月値上げランキング】
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今回の値上げには「燃料費調整単価」の上昇が背景にあります。日本全体の輸入燃料価格が反映されているもので、今回の値上げには2021年10~12月分の輸入価格が反映されました。引き上げには一定の上限があり、北陸電力が値上げとならなかったのは既に上限に達していたためだとみられています。なお、今回の値上げで関西電力と中国電力も上限に達しました。
出所1:経済産業省資源エネルギー庁「月々の電気料金の内訳」
出所2:経済産業省資源エネルギー庁「燃料費調整制度について」
国際的なエネルギー価格は近年上昇傾向にあります。例えば代表的な原油価格の1つ「WTI原油」は2020年4月までおよそ20ドル近辺で推移していましたが、直近では90ドルにまで上昇しました。
【原油価格の推移(WTI原油)】
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エネルギー価格が上昇した理由はさまざまなものが考えられますが、OPEC(石油輸出国機構)の減産が考えられるでしょう。サウジアラビアなど主要な産油国で構成されており、それにロシアを加えた「OPECプラス」は2020年8月から石油産出の減産を行っていました。供給が低下することで需給が締まる思惑から国際的な取引価格が上昇したと考えられます。
OPECプラスの減産幅は2021年8月に縮小されましたが、新型コロナウイルスの収束を期待する動きもあり、足元では依然高止まりが続いています。また欧州のエネルギー輸入の多くはウクライナを通るパイプラインを通ってロシアから行われていることから、緊迫しているロシア・ウクライナ情勢も原油価格の高騰の原因と考えられるでしょう。
4月分の電気料金の燃料費調整単価は2021年11月~2022年1月の輸入価格で決まりますが、エネルギー価格を考えると引き下げは難しそうです。また、燃料費調整単価が上限に達していない電力会社に至ってはさらに値上げされる可能性も否定できません。
電気代だけじゃない! 3月以降の値上げ一覧3月以降に引き上げられるものは電気料金だけではありません。同じく燃料費調整単価が料金に反映されるガス料金も3月から引き上げられます。
マヨネーズやケチャップといった家庭に欠かせない食品も3月以降の値上げが発表されました。トイレットペーパーなどの日用品も値上げが予定されています。各社は値上げの理由として原料費の上昇のほか燃料価格の高騰に伴う物流費の上昇などを挙げました。エネルギー価格の上昇は生活必需品にも影響があるようです。
さらに2022年は社会保障の負担も引き上げが予定されています。私たちの給与から天引きされる雇用保険料は現行0.9%ですが、4月に0.95%、10月に1.35%への引き上げが決定されました。新型コロナウイルスに対応する助成金の支出が増えたため、保険料の引き上げで減少した財源を補う目的があります。また高齢者の医療費負担も、10月から現行の1割から2割へ引き上げられる見込みです。
火災保険料は一般的に損害保険料率算出機構が算出する「参考純率」に基づいて決定されますが、これが2021年6月に引き上げられました。各社の火災保険料には10月から反映されるとみられています。
理由があるとはいえ、値上げは頭が痛い問題ですね。うっかりお金を使いすぎないよう、家計の把握に努めてみてはいかがでしょうか。
【2022年3月以降に値上げされるもの】
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執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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