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ストーカーに追われホテルに駆け込み…「高くついた代償」への“備え”

Finasee / 2023年3月2日 12時0分

ストーカーに追われホテルに駆け込み…「高くついた代償」への“備え”

Finasee(フィナシー)

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一般社団法人・日本少額短期保険協会は、少額短期保険をより多くの人に周知してもらうべく記念日を設けた。少額短期保険をミニ保険ともいうことから、3月2日をミニと語呂合わせし、2014 年に同日を「少額短期保険の日」と定めた。

時代のニーズを素早くつかむ少額短期保険と各種の規制

そもそも少額短期保険とは、次の3要件の全てを満たすものだ。

1.保険金額が少額(上限が損害保険は1000万円、死亡保険は300万円、医療保険は80万円)
2.保険期間が短い(上限が生命保険・傷害疾病保険は1年、損害保険が2年)
3.保障性の商品のみが対象(貯蓄性商品はなし)

少額短期保険は、以前はいわゆる共済が取り扱っていたが、“無認可共済”も多数存在した。こうした“無認可共済”が破綻することもあり、被害を受ける加入者が後を絶たなかった。

このため、2006年4月1日に「保険業法等の一部を改正する法律」が施行され、「少額短期保険業制度」が導入された。これにより、それまで根拠法がないままに共済事業を運営していた、いわゆる“無認可共済事業者”は保険会社となるか、少額短期保険業者として全国の財務局に登録するかを選択することが必要となり、規制が強化された。

少額短期保険は、従来型の生命保険や損害保険と比較して、さまざまなニーズを素早くキャッチして短期で商品開発・発売する特徴がある。一方、従来の保険は長期の期間にわたり契約者と取引をすることを前提に商品開発をする。このため、発売までの時間や費用はかさみがちだ。市場規模が小さい少額短期の保険の開発・発売にはなじまないところがある。ただ、大手の保険会社でも、子会社を活用するなどして少額短期保険を発売する事例が出てきた。

多岐にわたる少額短期保険の保障分野

通常の生命保険や損害保険では取り扱わない分野を保障する商品が多い。最近注目される保険には次のようなものがある。

例えば、ストーカー対策では、ストーカーに遭遇したとき、一時避難をする際の宿泊費や防犯機器の購入代を補填する保険が登場した。

急病や急な出張がありイベントに行けなくなったときのチケット代や、事故・病気で旅行をキャンセルしたときの航空券の代金を補填する保険もある。

孤独死に備える保険も発売された。孤独死の場合、遺品の整理費用をはじめ、賃貸住宅に住んでいる場合には、原状回復のための費用も必要であり、これに対応する保険だ。

スマートフォン関連の保険もある。端末を破損したときの修理代はもちろん、紛失や盗難の際に必要な経費、データを復旧させるときの経費をカバーする保険である。

歯周病対策の医療保険がある。高齢化の中で歯周病に悩むシニアが増えており、歯周病による入院や手術が保障される。

妊産婦への保障が充実する女性向けの医療保険もある。緊急の帝王切開の場合や通常の保険では対象外となることの多い切迫早産によって自宅安静をしたとき、あるいは産後にうつ状態となったときも保障の対象だ。

また、地震保険は火災保険に上乗せする形でしか加入できないのが通常だが、単独で加入できる少額短期保険の地震保険もある。既に従来型の地震保険に加入済みの人も、追加の保険として活用できる。

さらに、新型コロナウイルスに関連する商品もある。コロナに感染して1泊2日以上の入院をした場合に給付金が出たり、入院にまで至らなくても自宅などで医師の治療を受けたときに給付金を受け取れる保険だ。ただ、第6波でコロナが予想外に拡大し、販売を中止したり保険料を引き上げたりする会社も出た。

コロナの拡大でペットを飼い始める人が増大したことで、ペット保険も増加し、加入率は1割強となっている。

確認が欠かせない契約内容

身近なニーズに対応してくれる手軽な少額短期保険が多いが、留意すべき点も多い。

まず、生命保険などに加入したときに、支払い保険料に応じて所得税が軽減される保険料控除制度は、少額短期保険には適用されない。

従来の保険を扱う保険会社が破綻した場合には、「契約者保護機構」が資金を出すなどして契約者を保護することになっているが、少額短期保険の場合は、各社が法務局に拠出した供託金から資金を出す仕組みであり、契約者保護の観点からは劣るといわざるを得ない。

また、少額短期保険は、各種のニーズに応えてくれる重宝な保険制度とはいえ、際立つ特徴にのみ目を奪われることなく、享受できる利点とコストを比較するなどのチェックは欠かせない。増加するペット保険を一例として取り上げる。

コロナ禍の中、ペットを飼う家庭が大きく増大した。しかし、購入後にペットが慢性的な病気を持っていたことが判明し、動物病院にしょっちゅう通院する羽目になった人もいる。

2015年に実施した日本獣医師会の調査によると、犬を飼育する家庭の月間平均医療費は、超小型犬で7435円、小型犬で8217円、中型犬は8183円、大型犬の場合は9281円であり、年間にすると相当な金額になる。ましてや、重度の病気やけがとなると、多額の費用が免れない。

一方、ペット保険で補償されるのは医療費の50%か70%ということが多い。同時に年間の支払い限度額が70万円などと設定されていたり、1日当たりの上限額もあったりする。また、歯科治療や去勢あるいは避妊手術、さらにはワクチン接種も保険の対象外だ。

ペットも高齢化しているが、保険会社が設定した年齢の7歳や12歳といった段階になると、既契約の更新は可能でも、新規の契約はできないことにも注意が必要だ。さらに、高齢になると保険料は高い。大型犬の場合など、10歳時点で年間10万円強となり、0歳からの累計で100万円近くになることもある。

執筆/大川洋三

慶應義塾大学卒業後、明治生命(現・明治安田生命)に入社。 企業保険制度設計部長等を歴任ののち、2004年から13年間にわたり東北福祉大学の特任教授(証券論等)。確定拠出年金教育協会・研究員。経済ジャーナリスト。著書・訳書に『アメリカを視点にした世界の年金・投資の動向』など。ブログで「アメリカ年金(401k・投資)ウォーク」を連載中。

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