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うどん1玉6円、チキンラーメン35円の衝撃価格…売れ行き心配する声も

Finasee / 2023年3月5日 12時0分

うどん1玉6円、チキンラーメン35円の衝撃価格…売れ行き心配する声も

Finasee(フィナシー)

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安藤百福(あんどう・ももふく)は食品大手「日清食品」の創業者です。世界で初めてインスタントラーメンを発明し、日清食品を世界的な大企業へ育て上げました。NHKの連続テレビ小説『まんぷく』でも取り上げられたため知っている方も少なくないでしょう。

3月5日は安藤百福の誕生日です。今日は「日清食品の歩み」と同社に受け継がれる「日清10則」について学びましょう。

世界初の即席ラーメン。うどん6円の時代に35円

安藤百福は1948年に現在の日清食品につながる「中交総社」を設立しました。当初は魚介類の加工・販売のほか、紡績業や雑貨の販売などを手掛けていましたが、1957年に事業に失敗し自宅としていた借家以外の全ての財産を失います。

しかし安藤百福は諦めません。自宅の裏庭に小屋を建て、インスタントラーメンの研究を始めます。ラーメンを選んだ理由は闇市での光景でした。ラーメンの屋台に並んだ人々の姿から日本人が麺好きであることに着目し、家庭でもお湯だけですぐに食べられるラーメンを作ろうと決意したのです。

そして妻が天ぷらを作っている様子から、麺を油で揚げるという方法を思いつきます。油で揚げた麺は乾燥した状態になるため保存性に優れ、しかもお湯ですぐに柔らかい状態に戻る利便性も兼ね備えていました。麺を油で揚げるという方法は、まさにインスタントラーメンにとって理想的な製法だったのです。

そして1958年、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が製品化されました。値段は1食35円でしたが、当時はうどん1玉が6円の時代。売れ行きを心配する声もありましたが、その利便性から大ヒット商品となります。当時は初期の高度経済成長「岩戸景気」にあり、忙しいサラリーマン家庭に受け入れられたのでしょう。

その後も安藤百福は2007年1月に96歳で生涯を終えるまで多くの食品を生み出します。特に1971年の「カップヌードル」は世界的にヒットし、日清食品の躍進につながる大きな財産となりました。

【日清食品の主な歩み】
1948年:資本金500万円で創業
1958年:「チキンラーメン」発売。商号を「日清食品」に変更
1971年:「カップヌードル」発売
1976年:「日清焼きそばU.F.O.」「日清のどん兵衛」発売
2021年:カップヌードルブランド累計500億食突破

海外で人気! 売り上げは2ケタ成長

安藤百福は初期からグローバル展開を考えていました。1966年にアメリカを視察すると、その年の12月には輸出用ラーメンの開発を始めます。そして1970年にはアメリカに法人を設立し、1972年に現地で「トップラーメン」の製造を開始します。トップラーメンはアメリカで初めて製造・販売されたインスタントラーメンとなりました。

1971年に発売されたカップヌードルは日清食品が世界へ進出する大きなきっかけとなります。現在では世界10カ国以上に現地法人を展開し、海外の売り上げは全体のおよそ3割を占めるほどになりました。

世界ラーメン協会によると、インスタントラーメンは世界で1100億食を超える需要があり、その数は増加傾向にあります。特に2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、家庭で手軽に食べられるインスタントラーメンの需要は大きく伸びたようです。今後の日清食品は海外を中心に大きく成長するかもしれません。

【世界のインスタントラーメンの需要推移】
2016年:975.2億食
2017年:1001.1億食(+2.7%)
2018年:1036.2億食(+3.5%)
2019年:1064.2億食(+2.7%)
2020年:1165.6億食(+9.5%)

出所:世界ラーメン協会 総需要一覧表

狂気のCMの背景にある「日清10則」とは?

カップヌードルといえばユニークなテレビCMを思い出す方も少なくないでしょう。他では見られない作風で、ひと目見れば焼き付いてなかなか忘れられません。

しかしテレビCMは一般に高い費用がかかるもの。他と異なる作風で広告を打つのは企業側としても勇気が要るはずです。

日清食品が独特なテレビCMを展開できるのは、同社に受け継がれる「日清10則」があるからでしょう。同社の行動規範とされているもので、10項目にわたって社員に挑戦を促す内容です。日清10則が根付いているからこそ一風変わったテレビCMでも積極的に挑戦でき、ひいてはそれが日清食品の成長の原動力となっているのでしょう。

【日清10則】
1.ブランドオーナーシップを持て
2.ファーストエントリーとカテゴリーNo.1をめざせ
3.自ら創造し、他人につぶされるくらいなら、自ら破壊せよ
4.外部の英智を巻き込み、事業を加速させよ
5.純粋化した組織は弱い。特異性を取り込み、変化できるものが生き残る
6.知識と経験にあぐらをかくな。自己研さんなき者に未来はない
7.迷ったら突き進め。間違ったらすぐ戻れ
8.命令で人を動かすな。説明責任を果たし、納得させよ
9.不可能に挑戦し、ブレークスルーせよ
10.仕事を楽しむことも仕事である。それが成長を加速させる

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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