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金利上昇は株にマイナス? 「今が買い」アメリカ利上げで狙い目の銘柄

Finasee / 2022年3月15日 12時0分

金利上昇は株にマイナス? 「今が買い」アメリカ利上げで狙い目の銘柄

Finasee(フィナシー)

今年の株式市場は「利上げ」がテーマの1つになりそうです。アメリカで3年ぶりの利上げが予想され代表的な株価指数S&P500は2月末で年初来8%を超える下落を見せています。

3月15日はアメリカで最後の利下げが行われた日です。新型コロナウイルス対策から2020年に緊急利下げが行われました。今日は「アメリカが利下げした背景」と「金融政策の基本」、また「利上げで期待できる株式」について確認しましょう。

新型コロナ対策で0~0.25%まで緊急利下げ

2019年12月末、WHO(世界保健機関)の中国事務所に武漢市で原因不明の肺炎が検出されたと報告されました。現在まで世界中を混乱させている新型コロナウイルスの発生です。感染者は爆発的に増加し、世界中で4億4700万人を超える方が感染しました(2022年3月8日時点)。

出所:NHK特設サイト「新型コロナウイルス 世界の感染状況」

アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は2020年3月、経済への影響を鑑み緊急的に金利を0~0.25%にまで引き下げます。同じ月に2度も利下げする異例の対応で引き下げ幅は1.5%にもなりました。

【FRBの金利推移】
~2018年11月:2.00~2.25%
2018年12月:2.25~2.50%
2019年7月:2.00~2.25%
2019年9月:1.75~2.00%
2019年10月:1.50~1.75%
2020年3月(1回目):1.00~1.25%
2020年3月(2回目):0.00~0.25%

出所:日本貿易振興機構(ジェトロ) ビジネス短信

今月はおよそ2年間続いてきたアメリカの低金利政策の転換が予想されています。FRBのジェローム・パウエル議長はこれまで2022年3月の利上げを示唆してきました。直近は物価も高進しているため利上げは確実視されています。仮に利上げとなれば2018年12月以来およそ3年3カ月ぶりで、市場では0.25%または0.50%の利上げを予想する声が多いようです。

FRBの政策が話し合われるFOMC(連邦公開市場委員会)は3月16日まで開催され、内容は日本時間の17日未明に発表される予定です。

いまさら聞けない! 金融政策の基本

ところで、なぜFRBは新型コロナウイルスの対応で利下げしたのでしょうか? また、なぜ今月は利上げをするのでしょう? 理由は、FRBは金利を上げ下げし景気や物価のコントロールを試みているためです。

金利は低いほうが経済にプラスです。低金利下では銀行に預けてもお金は増えにくいため使ってしまおうという気になりやすく、また利息の負担も小さいためローンも組みやすいでしょう。

つまり金利が低い状況は景気を刺激する効果が期待でき、FRBをはじめ各国の中央銀行はこういった動きを狙い利下げします。FRBが2020年3月に利下げしたのも、新型コロナウイルスによって低下する景気を押し上げようという狙いがありました。

こう聞くと「ずっと金利を下げておけばいいのでは?」と思うかもしれません。確かに金利の低下は景気を促す効果がありますが、利下げには物価の上昇という副作用もあります。景気が上向くと消費が促されるため需給から物価が上昇しやすいのです。

適度な物価の上昇(インフレ)は望ましいですが、物価が極端に上昇する「ハイパーインフレ」は経済に深刻な悪影響があります。例えばジンバブエでは2008年に年率2億%もの物価上昇が起こりました。現在100円のモノが来年には200億円になっている計算で、通貨の価値が2億分の1になることに等しいです。現地通貨のジンバブエドルは機能を失い、2015年に廃止されました。

このような極端な物価上昇が起きないよう中央銀行は金利を引き上げます。金利の上昇は預金を促しローンを抑えるため消費が低下し、結果的に物価に下落圧力が働きます。今月FRBで金利の引き上げが見込まれているのも、直近上昇している物価の上昇を抑制しようという狙いもあるでしょう。

ただし金利の引き上げは景気を冷やす副作用があります。景気を冷まし過ぎるケースもまた悪影響が大きいため利上げも簡単ではありません。中央銀行は金利を上下させ景気と物価がちょうどいい範囲にとどまるようバランスを取ることが仕事で、これを一般に「金融政策」といいます。

【金融政策の概要】

 利上げ時はどの株を買えばいいの?

上述の通り金利の上昇は景気を冷ます効果があるため、短期的には株式にも下落圧力となりやすいです。FRBの利上げが予想される中、どのような株式を買えばよいのでしょうか?

利上げで恩恵がある代表的な銘柄が金融株でしょう。銀行や保険といった銘柄は利上げで収益改善の思惑が働きやすく買いが入りやすいと考えられます。

また今回はアメリカで利上げが予想されており、日本が追随しない場合は日米で金利差の拡大が予想されます。日本円より米ドルで持っておくメリットが大きくなるため円安・ドル高の圧力が起こりやすいでしょう。仮に円安が起これば輸出が大きい自動車株などにも恩恵があるかもしれません。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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