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日本に275万人いる社長「6割超が赤字」の現実…最も懐が厳しい業種は

Finasee / 2023年4月10日 12時0分

日本に275万人いる社長「6割超が赤字」の現実…最も懐が厳しい業種は

Finasee(フィナシー)

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4月10日は「社長の日」です。日付の410がシーイーオー(CEO:最高経営責任者)と読めることから、「社長チップス」といったお菓子開発などを手掛ける企業「ESSPRIDE(エスプライド)」が制定しました。

社長という仕事には華やかなイメージもありますが実際はどうなのでしょうか? 今日は公的な調査から日本の社長についてフォーカスしてみましょう。

日本に社長はどれくらいいる?

まずは日本の社長の数について注目してみましょう。国税庁「会社標本調査(2019年度)」によると法人の数は274万5437社となりました(連結子法人は除く)。したがって日本に社長はおよそ275万人いると考えられます。京都府の人口が約255万人なので、そう考えると社長は意外に多いように感じられますね。

では社長の割合はどれくらいなのでしょうか? 総務省の「人口推計」によると、2019年における日本の総人口は約1億2617万人。つまり日本人全体の約2.2%が社長だといえます。50人集まると1人は社長がいる計算です。

ただし総人口は高齢者など働いていない世代も含まれるため、社長の割合を測る分母としては適さないかもしれません。そこで生産年齢人口(15~64歳の人口)と比較してみましょう。2019年の生産年齢人口は約7507万人のため、こちらから考えれば社長の割合はおよそ3.7%と計算できます。また、国税庁「民間給与実態統計調査」によると2019年の給与所得者は5990万人であり、これをベースに考えると社長の割合は約4.6%となりました。

6割超が赤字… 社長の厳しい懐事情

社長のお金事情はどうでしょうか? 社長といえばお金持ちで羽振りが良いイメージがあるかもしれません。しかし実態は厳しいようです。上述した国税庁の「会社標本調査(2019年度)」によると、欠損法人(※)の数は全体の61.6%にまで上りました。つまり社長の6割以上は赤字企業を経営しているのです。特に「出版印刷業」など欠損法人の割合が70%を超える業種もありました。

※欠損法人:法人税の計算上、所得がマイナスに陥っている法人

【赤字企業が多い業種ワースト5】
1.出版印刷業:73.9%
2.料理飲食旅館業:73.6%
3.繊維工業:73.3%
4.食料品製造業:71.6%
5.小売業:70.2%

※数値は欠損法人割合(欠損法人の数÷全法人の数)
出所:国税庁 会社標本調査(令和元年度分調査)

欠損法人割合が過半を占める状況は常態化しており、2019年度の61.6%はむしろ改善しつつある数値です。10年前は7割を超えていました。これは利益を計上できた企業が赤字企業の半数にも満たないということを意味しています。

【欠損法人割合の推移】
2009年度:72.8%
2011年度:72.3%
2013年度:68.2%
2015年度:64.3%
2017年度:62.6%
2019年度:61.6%

出所:国税庁 会社標本調査(令和元年度分調査)

一定の改善が進んだ上でなお赤字企業のほうが多いため、その経営者たる社長の経済状況も厳しいものと推測されます。社長といってもお金に余裕があるとはいえないようです。

日本の有名な社長たち

上述の通り、全体を俯瞰すると社長というだけで成功しているとは限りません。むしろ赤字企業のほうが多いという状況です。

しかし中には大成功している社長ももちろんいます。ここでは上場企業の経営者の中から特に有名な3人の社長(会長職含む)を紹介します。

孫正義(そん・まさよし)
ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長執行役員。1957年生まれ。米カリフォルニア大学在学中にパソコン時代の到来を確信し1981年に日本ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)を設立。通信事業などを中心にグループを拡大させる。

永守重信(ながもり・しげのぶ)
日本電産代表取締役会長。1944年生まれ。1973年に日本電産を創業するも国内で受注が伸びないことから渡米し、米3M(スリーエム)からモーターの大型受注を獲得。これをきっかけに国内外で受注が拡大し、現在では多数の製品で世界シェア首位の座を占めている。

似鳥昭雄(にとり・あきお)
ニトリホールディングス代表取締役会長。1944年生まれ。1967年に似鳥家具店(現ニトリホールディングス)を創業。初期は競合の出店や社員の横領などで経営難に陥るも、視察した米国家具チェーンからヒントを得て「ニトリ」を国内有力ブランドに育て上げる。
 

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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