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世界のアップルから毎年1.5億円を受け取る日本の「意外な企業」

Finasee / 2023年4月28日 12時0分

世界のアップルから毎年1.5億円を受け取る日本の「意外な企業」

Finasee(フィナシー)

・「今年電気代が下がる」これだけの理由…家計の味方となる“新技術”

私たちに身近な通信機器といえば携帯電話ですが、「インターホン」も忘れてはいけません。戸建て住宅やマンションなどに幅広く設置され、年におよそ1000億円分のインターホンが出荷されています。

【インターホンの出荷額】
・2019年度:1049.14億円
・2020年度:972.47億円
・2021年度:949.03億円

出所:インターホン工業会 生産統計 年別推移グラフ

4月28日は「インターホンの日」です。今日はインターホンのトップメーカー「アイホン」と、同社がアップルから毎年1.5億円以上ものお金を受け取る理由について学びましょう。

4(よい)2(ツー)8(わ)でインターホンの日

インターホンの日を定めたのはインターホン工業会です。4(よい)2(ツー)8(わ)で「良い通話」と読めることから4月28日が選ばれました。

また、インターホンの日にちなみインターホン工業会は4月を「インターホン点検月間」と定めています。毎日稼働するインターホンは経年劣化が避けられず、同会は適切に保守点検がなされていても10~15年で交換するよう推奨しています。ご自宅のインターホンもチェックしてみてはいかがでしょうか。

ちなみにインターホン工業会はインターホンの日にかかるキャンペーンを実施しており、期間中に簡単なクイズとアンケートに回答すると最大1万円分の商品券を受け取れます。

【インターホンの日 懸賞クイズキャンペーン】
・キャンペーン期間:2023年4月1日~5月31日
・特典1:商品券1万円分(3名)
・特典2:商品券3000円分(10名)
・特典3:QUOカード1000円分(40名)
・条件:インターホンに関するクイズとアンケートの回答

出所:インターホン工業会 インターホンの日 懸賞クイズキャンペーン

2台に1台はアイホン!(※スマホのことではありません)

インターホンの国内トップシェア企業は「アイホン」です。1948年創業の老舗で業界シェアは54.9%(2021年3月期)。つまり日本のインターホンは2台に1台はアイホン製です。同社の製品はホワイトハウスやモンサンミッシェルにも納入されました。皆さんのご自宅に設置されたインターホンもアイホン製ではないでしょうか。

アイホンの製品は一般的なドアホンにとどまりません。病院のナースコールのほかオフィスやエレベーターなどで用いられる業務用インターホン、トイレの緊急呼び出しシステムなど、アイホンの製品はさまざまな場面で用いられています。

業績は以下の通り。2021年3月期は売上高が減少し純利益は上昇しました。

【アイホンの業績】

出所:アイホン 2021年3月期決算短信

売上高の主な減少要因は海外市場です。北米地域や欧州地域でロックダウンが実施され営業活動に影響が出てしまいました。一方で売上原価や人件費、交通費などの販売管理費が減少したため営業利益が上昇し、純利益でも増益となっています。

なお今期の売上高は524億円、純利益は30億円となる見込みです。円安やウクライナ侵攻による原油高、部品の供給不足により一時は落ち込みを見せましたが、売り上げや経費削減が順調に進んでいることから今期の予想は上方修正されました。

【アイホンの業績と予想】

出所:アイホン 業績予想の修正に関するお知らせ(2023年3月14日付)

「iPhone」商標使用料は1.5億円?

ところでアイホンという名前は何かに似ていると気付きませんか? そう、アップルのスマートフォン「iPhone」ですね。音が似ているためアイホンと聞くとスマートフォンをイメージする方も多いでしょう(ちなみにアイホンの英語表記は「AIPHONE」)。

音が似ていても両社の製品は大きく異なるため問題ないと思うかもしれません。しかしアイホンは先んじて「アイホン」や「AIPHONE」などの商標を登録していたため、アップルがiPhoneを国内で販売するとアイホンが持つ商標権を侵害する恐れがありました。

アップルはアイホンと交渉し2008年3月に商標について合意に至ります。具体的な契約内容は公開されませんでしたが、アップルが商標の使用料をアイホンに支払いiPhoneを国内で販売する内容だと思われます。

商標の使用料についても明かされていませんが、アイホンの損益計算書における「受取ロイヤリティー」がアップルから受け取っている商標の使用料だと考えられます。その額は当初1億円でしたが2017年3月期には1.07億円、2018年からは1.5億円に上昇しました。

【アイホンの受取ロイヤリティーの推移】
・2012年~2016年3月期:1億円
・2017年3月期:1.07億円
・2018年~2021年3月期:1.5億円

出所:アイホン 各年の決算短信より

iPhoneの製造には多くの日本企業が参加していますが、商標の使用料という形で関わっているのはアイホンならではの強みといえるでしょう。

【アップルのサプライヤーリストに掲載される日本企業の例】
・AGC
・日立製作所
・ジャパンディスプレイ
・京セラ
・村田製作所
・日本電産
・パナソニック
・ルネサスエレクトロニクス
・シャープ
・ソニーグループ

出所:2021 Apple Supplier List

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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