GHQが根負けした日本の“ある集団” 原爆投下わずか4年で復活したもの
Finasee / 2023年5月16日 12時0分
![GHQが根負けした日本の“ある集団” 原爆投下わずか4年で復活したもの](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/finasee/finasee_10763_0-small.jpg)
Finasee(フィナシー)
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皆さんは株式が路上で売買されていた時代を知っていますか? 戦後に取引所が停止されていたときのことで、投資家は取引所で売買できない間も路上などで戦時国債や株式の売買を行っていました。いわば証券版の“闇市”といったところでしょうか。
5月16日は戦後初めて取引所で売買が行われた日です。今日は取引所の歴史と戦後から算出が始まった日経平均株価の推移を振り返りましょう。
原爆投下後4年間は取引が停止される証券取引所は渋沢栄一らによって1878年に設立されました。日本が近代化し始めた時期で、1878年は大政奉還の11年後、西南戦争の翌年にあたります。当初は現在のように毎日取引されておらず、最も取引が活況だった東京証券取引所でも週2回程度でした。明治時代の後半になると毎日売買されるようになります。
取引は第2次世界大戦下でも行われますが、長崎に原子爆弾が投下された1945年8月9日の翌日からは休会となりそのまま終戦を迎えました。日本を占領したGHQは同年9月に取引所の再開を禁じてしまいます。
ただし取引所が停止している間も証券取引は行われていました。お金に困った人たちが自発的に戦時国債や株式の売買を路上で始めたのです。その後、日証館に場所を移し集団取引の場が形成されました。しかし集団取引では価格形成が安定せず、証券業関係者から取引所の再開が強く望まれるようになります。
GHQは取引所の早期再開に否定的でしたが証券業関係者が粘り強く交渉し、1949年5月16日に証券取引所が再開されました。戦後わずか4年で再開できた背景には先人たちの働きかけがあったのです。
出所:日本取引所グループ 東証を知る 株式市場の歴史Q&A
戦後~現在の日経平均長期チャート日本の代表的な株価指数「日経平均株価」は戦後の取引再開日が算出の起算日となり生まれました。東京証券取引所が1950年から公表している「東証修正平均株価」がルーツで、戦後取引が再開された1949年5月16日までさかのぼって計算が始まります。当時の上場企業495社の中から選ばれた225社の株価を平均して算出された176.21円が最初の価格となりました。
日経平均株価の史上最高値(終値ベース)は1989年に記録した3万8915.87円です。バブル崩壊後は景気が低迷し、日経平均株価は2000年台前半まで下落トレンドを形成します。その後は銀行に対する公的資金の注入などを材料に反発する場面も見られましたが、リーマンショックで再び下落。2009年に付けた7054.98円がバブル崩壊後の最安値となりました。
日経平均株価は2012年頃まで低迷しますがアベノミクスなどを背景に上昇に転じ、2021年末は2万8971.71円で取引を終えます。最初の176.21円から考えると日経平均株価はおよそ72年間で163.4倍、1年あたり7.3%のペースで上昇しました。
【日経平均株価 長期チャート(年足。1949~2021年)】
![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/f/f/800m/img_ffab7a4d211f8b00fd040b5eb04df97042929.jpg)
ちなみに最新の日経平均株価の実績リターンは以下の通りで、2022年は2018年以来のマイナスとなりました。
【日経平均株価 年間リターン】
・2018年:▲12.08%
・2019年:18.20%
・2020年:16.01%
・2021年:4.91%
・2022年:▲9.37%
出所:日本経済新聞社 日経平均株価 月次ファクトシート
一部上場はもう古い? 東証は「プライム」「スタンダード」「グロース」に昨年は取引所にある大きな変化がありました。これまで「一部」「二部」「マザーズ」「ジャスダック」の4つだった市場区分が、2022年4月4日から「プライム」「スタンダード」「グロース」に刷新されたのです。
3つの市場区分の概要は以下の通りです。大まかにプライム市場は大企業向け、スタンダード市場は中堅企業向け、グロース市場は新興企業向けと覚えておきましょう。
【新市場区分の概要】
![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/8/a/800m/img_8adfefe18d45b382beeba01bdc3634f2133620.png)
それまでほとんどの上場企業が東証一部に上場していたことから、市場からは特にプライム市場における上場基準の厳格化を期待する声もありました。しかし実際には上場企業のおよそ半数はプライム入りを果たします。市場が新しくなっても投資家には優良企業を見極める力が求められそうです。
【市場区分における上場企業数】
![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/5/9/800m/img_598440409e231be5beaa2622e26a673843011.png)
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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