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世界一の「自動車王国」日本、“5県だけ”で欧州一国を上回る巨大経済

Finasee / 2023年6月7日 12時0分

世界一の「自動車王国」日本、“5県だけ”で欧州一国を上回る巨大経済

Finasee(フィナシー)

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モータースポーツファンなら誰もが憧れる世界三大レースがモナコの「モナコGP」、アメリカの「インディ500」、フランスの「ル・マン24時間レース」です。いずれもこの時期に集中して開催されるため寝不足の人もいるのではないでしょうか。

【世界三大レースの決勝開催日(2023年)】
・モナコGP:5月28日(優勝:マックス・フェルスタッペン)
・インディ500:5月28日(優勝:ジョセフ・ニューガーデン)
・ル・マン24時間レース:6月10日~6月11日
※いずれも現地時間

自動車レースは日本でも盛んに行われていますが、日本で最初に行われた本格的な自動車レースをご存じでしょうか? 1936年の6月7日に行われた「第1回全国自動車競走大会」がそれにあたり、1万人以上の観客を集めたといわれています。当時の人口はおよそ7000万人と現在(1億2500万人)の6割以下ですから、いかに注目されたか分かりますね。

今日は日本初の本格レースの概要と、日本の自動車産業について解説します。

日本初の本格自動車レース。国産部門の優勝は「オオタ号」

日本最初の本格的な自動車レースは「多摩川スピードウェイ」で開催されます。1936年5月に開業したアジア初の常設サーキットで、全長1200メートルのオーバル型のコースでした。残念ながら現存はしておらず、現在は観客席の一部を移設する工事が進められているようです。

第1回全国自動車競走大会にはフォードやブガッティ、ベントレーといった欧米の自動車メーカーが参加し、優勝杯はイギリスのインヴィクタが手にしました。

レースには外国車だけではなく日本の技術者が手掛けた自動車も参加しています。ホンダの創業者本田宗一郎も弟と一緒にアメリカ車を改造した「浜松号」で参加しますが、ゴール直前でクラッシュし大けがを負ってしまいます。

日本車部門で優勝したのは三井物産傘下のオオタ自動車工業が手掛けた「オオタ号」でした。当時オオタ自動車工業は日産自動車と並び国産乗用車の代表的な存在で、日産自動車の伝説的なヒット作「ダットサン」を破り記念すべき第1回目の国内優勝メーカーに輝きました。

世界一売れている自動車メーカーは日本企業!

全国自動車競走大会は戦局の激化で1938年の第4回を最後に中断されますが、日本の自動車メーカーは戦争を生き抜き今や世界的な規模にまで成長しました。

特にトヨタ自動車の成長は目覚ましく、グループ全体の新車販売台数は2022年まで3年連続世界一を獲得しています。

【自動車メーカーグループの販売台数(2022年)】
1.トヨタ自動車グループ:1048万台
2.フォルクスワーゲン:848万台
3.現代自動車グループ:684万台
4.ルノー・日産・三菱自動車:615万台
5.ゼネラルモーターズ:593万台

出所:HANKYOREH

国内の自動車産業は中部地域(愛知県・岐阜県・三重県・富山県・石川県)に集中しており、当地における乗用車生産金額および自動車部品生産金額の全国シェアはそれぞれ39.7%、48.4%にまで及びました(2020年)。中部地域の総生産は2018年で6060億ドルに達し、これは台湾全体の総生産に匹敵する水準です。日本の自動車産業がいかに巨大か分かりますね。

【中部地域の総生産比較(2018年 米ドル換算)】
・スイス:7360億ドル
・台湾:6090億ドル
・中部地域:6060億ドル
・ポーランド:5870億ドル
・スウェーデン:5550億ドル
※中部地域は愛知県・岐阜県・三重県・富山県・石川県

出所:経済産業省 中部経済産業局 中部経済のポイント2021

日本は部品メーカーも世界級!

日本は自動車部品メーカーも世界トップクラスです。自動車産業専門の調査会社FOURIN(フォーイン)によると、世界の自動車部品メーカーの売上高ランキング上位に「デンソー」と「アイシン」が並びました。

【世界の自動車部品メーカー売上高ランキング(2020年)】
1.ボッシュ(ドイツ)
2.デンソー(日本)
3.ZF(ドイツ)
4.コンチネンタル(ドイツ)
5.現代モービル(韓国)
6.アイシン(日本)

出所:FOURIN(フォーイン)

両社はともにトヨタグループに属する自動車部品メーカーで、2022年3月期の売上高はどちらも前期比で増収を果たしました。しかし、自動車の生産は世界的な半導体不足の影響を受け依然として不透明な状況が続いています。

もっとも悪い材料ばかりではありません。両社が前提とする想定為替レートはデンソーが1ドル=125円、アイシンが105円で、足元ではこの水準を上回っています。この為替水準が続くなら好業績が期待できるかもしれません。

【デンソーおよびアイシンの業績】

 

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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