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人気の60代iDeCo加入、続けるだけでなく最大限活用を おトクになる3つのパターンとは!?

Finasee / 2022年8月26日 11時0分

人気の60代iDeCo加入、続けるだけでなく最大限活用を おトクになる3つのパターンとは!?

Finasee(フィナシー)

iDeCoは2022年5月から60歳以上でも国民年金加入している方は加入できるようになったことを受けて、50代の方が続々と新規加入されているようです。これまで50代の方は、60歳までしか加入できないのでは加入できる期間が短く、積立終了後もすぐに受け取れないというデメリットがありましたが、60歳以降も加入できる方々にとってはそのデメリットが解消されハードルが下がりました。

そもそもiDeCoは自分で公的年金に上乗せする老後資金を作る制度なので、若い方よりも資産形成目的が老後に絞り込まれつつある50代はまさしく活用すべき年代と言えます。そして老後資産をもうひとまわり大きくするために60代になった後も積み立てを継続するだけでなく、積み立て額を増やすことも検討してみてはいかがでしょうか。

この「60歳に到達した段階で限度額が増える」という、3のつパターンについて今回は取り上げたいと思います。

公務員は定年以降、短時間勤務で働くと限度額がほぼ倍増

公務員の方のiDeCoの積み立て限度額は現在月額1万2,000円(年額14万4,000円)です。公務員は現在定年が60歳で、定年以降も働き続ける場合はフルタイムで働くか、短時間勤務で働くかを選択できます。短時間勤務を選択した場合、年金払い退職給付の対象から外れるため、民間でいえば、企業年金に入っていない状態で働くということなります。

iDeCoの積み立て限度額は厚生年金に加入して企業年金に一切加入していない場合2万3,000円と従来の2倍近くに増えます。もし、積立額を倍にするのであれば、老後資金の積み上がりが2倍になるだけでなく、年収が下がって所得税率が下がっても積み立て時の所得控除メリットが増えます。

例えば、60歳まで課税所得500万円で積立額1万2,000円を積み立ていた方が、仮に60歳以降、課税所得が200万円になったとして積立額を2万3,000円に引き上げたとすると、所得税と住民税の軽減額は60歳までの年間4万3,200円から60歳以降は年間5万5,200円 と税メリットは大きくなります。

積立額を増やしているから当たり前と言えば当たり前ですが、税メリットを受けられる枠が拡がることをフル活用すれば、年収が下がったとしても大きな税メリットを受けながら老後資産をしっかり増やしていくことができます。

企業年金のある民間企業にお勤めの方も60歳時点で要確認

確定給付企業年金や確定拠出年金(企業型)といった企業年金に加入している民間企業にお勤めの方も、公的年金に上乗せされて老後に受け取る年金が充実しているという理由で、iDeCoの限度額は原則1万2,000円または2万円(10月以降、企業年金の掛け金額を限度額から差し引く条件も適用)となっています。

定年を引き上げている会社、さらに企業年金の加入資格も60歳以降に引き上げている会社も中にはありますが、ごくわずかです。60歳定年、そしてそれと同時に、企業年金の加入資格は喪失する制度になっている企業がほとんどですので、企業年金加入者の皆さんも、60歳以降、iDeCoの積み立て限度額が2万3,000円に引き上がる可能性が高い方々です。

これら60歳以降iDeCoの限度額が引き上がるという方が、このチャンスを活かすためには自分でそのことを意識して、増額の手続きをする必要があります。それは会社員や公務員の場合、60歳前からiDeCoに加入していると特段の手続きをしなくても60歳以降の積み立ては継続できてしまうので、増額せずに積み立てだけ継続しかねないので要注意です。

運営管理機関側はお勤め先の退職金や年金制度を知りませんから「増額したらいかがですか?」といったご案内を届けることができません。お勤め先は定年にあたって退職金や年金制度の扱いについて説明はしてくれると思いますが、個人の老後資産形成であるiDeCoについて限度額が上がるというようなところまで情報提供してくれるところは稀有だと思います。

60歳が近くなったら、60歳以降にお勤め先の企業年金の加入資格が継続するのか、自分で確認しましょう。企業年金の加入資格を喪失するようであれば、iDeCoの契約運営管理機関に連絡して(またはサイトにアクセスして)増額の申し込み書類を取得し、提出します。2024年12月までは拠出限度額が変わっていることについて勤務先の証明書も一緒に提出することが必要です。

3号被保険者は60歳以降1号被保険者になり限度額は月額6万8000円に

3号被保険者というのは会社員や公務員に扶養されている(年収が130万円未満の人)配偶者という条件だけでなく20歳以上60歳未満という年齢の条件もあります。

つまり3号被保険者が60歳になると、たとえ配偶者が会社員や公務員として働き続けていても3号被保険者ではなくなり、国民年金の加入期間はそこでストップします。

ただし、もし、60歳の時点で、国民年金の加入期間が40年=480か月に達していなければ保険料を払って基礎年金の額を増やしていく任意加入をすることができます。任意加入している間は国民年金の1号被保険者ですので、iDeCoの積み立て限度額は6万8,000円です。3号被保険者の3倍近い金額になります。

課税所得がないと積立時の所得税・住民税の負担軽減メリットは得られませんが、非課税で運用できる老後資産を積み増すことに魅力を感じるのであれば、3号被保険者の方も60歳以降積み立て限度額が引きあがることを有効活用してください。3号被保険者の60歳以降のiDeCo加入継続手続きについては「iDeCoの法改正、フリーランスや専業主婦はどうなる?」に仔細を書きましたので参考にして頂ければ幸いです。

60歳以降のiDeCo加入は税メリットを生かしながら老後資産を積み増すラストスパート期です。限度額が拡大する方々はそのチャンスを最大限活用してみてはいかがでしょうか。

大江 加代/確定拠出年金アナリスト

オフィス・リベルタス取締役。大手証券会社にて22年間勤務、一貫して「サラリーマンの資産形成ビジネス」に携わる。確定拠出年金には制度スタート前から関わり、25万人の投資教育も主導。確定拠出年金教育協会の理事として、月間20万人以上が利用するサイト「iDeCoナビ」を立ち上げるなどiDeCoの普及・活用のための活動も行っている。

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