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カリスマ投資家が指南「投資で結果を出せる」ようになる、ただ1つの習慣

Finasee / 2023年1月11日 18時0分

カリスマ投資家が指南「投資で結果を出せる」ようになる、ただ1つの習慣

Finasee(フィナシー)

ファンドマネージャーとして豊富なキャリアを持ち、人気ファンド「ひふみ」シリーズの最高投資責任者である藤野英人氏が“14歳の自分”に伝えたい「お金の本質」を綴った話題の書籍『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』。

投資をする意味、投資の先にあるもの、お金を通して社会を見つめること……14歳に向け、やさしく語りかける言葉には、私たち個人投資家の大人にとってもハッとするものがあります。

そんな同書の『はじめに』と、第4章『「人生」のこと』の一部を特別に公開します(全4回)。

第2回はこちら

※本稿は藤野英人著『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

投資家には今すぐなれる

投資家という仕事をこれまで身近に感じてこなかったかもしれないけれど、実は14歳の君でもすぐに投資家になれます。口座を開設するために大人の手助けは必要だけれど、株式市場は万人に開かれています。

海外、特にアメリカでは、10代のうちから株式投資にチャレンジして、小さな失敗や成功を重ねて、経済の仕組みを学んでいくというのが普通のこと。日本の10代も、もっと気軽に株式投資を始めたらいいんじゃないかなと思っています。

「人生初の株式投資に挑戦してみた」と話してくれたのは、都内在住の中学3年生、りょうが君でした。

もともとお父さんが投資をしていて、自宅に時々送られてくる株主優待に興味を持ったことがきっかけだったそう。コロナ禍の一斉休校で、自宅で過ごす時間が増えたので、「試しにやってみよう」と、ある製薬会社に的を絞ってお小遣いを投資してみたというりょうが君。「上がったり、下がったり、ドキドキしました」と正直に話してくれました。

「そうだよね。難しいよね。僕だっていまだに難しいと思っているよ」と返しました。

株式投資で利益を出すには、「売上や利益が上がりそうな会社を探す」という眼力が必要になります。

しかも、その〝伸びる可能性〟に他の人がまだ気づいていないタイミングで投資ができれば、株を安く買えます。やがてその会社の成績が伸びて、注目する人が増え、株価が高くなっていけば、株を買ったときの差額から利益が出るというわけです。

さて、この〝伸びる可能性〟を見極める眼力は、専門家ならではの知識とか、百戦錬磨の経験があって初めて備わるものと思われがちですが、実はそんなことはありません。むしろ、14歳の君のほうが伸びる会社を見つけられる可能性は高いのです。

こんなことが実際にありました。

もう15年ほど前、僕の娘が小学生だったときのことです。娘から「パパ、この靴の会社の株、買ったほうがいいよ!」と薦められたのです(娘は父親の投資家という仕事についてぼんやりと理解していて、学校での身近な流行りもの情報を教えてくれる、優秀なアドバイザーでした)。

娘が指さした足元には、スニーカー。「この靴を履くと、速く走れる」という宣伝文句で、運動会で一番を取りたい小学生の間でブームが起きているというのです。「友達の○○ちゃんも、土曜日に買いに行くって言っていた!」。

よく見ると、「瞬足」と名付けられたそのスニーカーは、たしかに見た目もかっこいいし、コンセプトもオリジナリティがあってヒットしそうです。

「どこの会社が出している靴なの?」

「ムーンスター!」

「ムーンスター? 聞いたことがない会社だな。上場していない会社みたいだね。せっかく教えてくれたけれど、投資ができない。残念だね」

「そうなの。ふーん」

このとき、僕はもうちょっと真剣に調べるべきだったのです。実は、ムーンスターはこの頃に社名を変更したばかりで、変更前は「月星化成」という社名でした。僕はこの前の社名は知っていたのです。

数カ月後、新聞記事で「瞬足大ヒット効果! ムーンスターの株価急騰」という見出しを見て、僕は思わず「あっ!」と声を出してしまいました。娘が教えてくれたタイミングで株を買っていたら、3倍から4倍の価値になっていました。

小学生の世界で起きていることは小学生が、中学生の世界で起きていることは中学生が、一番知っています。僕がどんなに作戦を練って、中学生の日常をつぶさに観察しようとしても、中学生の君にはかなわない。

つまり、君にはもう眼力が備わっているということ。友達の間で流行っているもの、まだ流行っていなくても「なんかいいな、これ。使ってみたいな」と感じるものがあれば、その会社がどこかを調べてみてください。

その会社が上場していたら、株価も調べてみるのがオススメです。インターネット検索ですぐに出てくるから試してみましょう。

日常で流行りモノをチェック → 関連する会社をチェック → 上場しているか? → 上場していたら株価は?

この行動の流れを習慣化できると、株式投資で結果を出せるようになるはずです。

ポイントは、すでに大勢の人たちが追いかけている会社ではなく、〝自分だけが知っている〟と自慢したくなる魅力を持つ会社を見つけること。

まだ大人たちが気づいていないタイミングで、勝ちのチャンスをどんどんつかんでいってください。

株式投資とは、単に株価を当てるゲームではなく、「将来、どんな商品やサービスが世の中に必要とされるんだろう?」と考えをめぐらせる体験。

この問いから世の中を見る機会を増やすと、自然と仕事や会社に対する理解が深まっていくし、経済の仕組みもだんだんとわかってくるはずです。

すると、自分が将来どんな仕事をして、どんな人生を送りたいのか、そのイメージも輪郭を成していくでしょう。

勉強がおろそかになるほど夢中になり過ぎないように注意してほしいけれど、中学生ならではのアドバンテージを生かして、投資にもどんどんチャレンジしてみてほしい。きっとこれまで知らなかったたくさんの仕事、多様な会社の存在がカラフルに浮かび上がってきて、将来が楽しみになるんじゃないかなと思う。

14歳の頃の僕である〝君〟に、言っておきたい。

「今から投資を勉強していたら、君は将来、もっともっと投資家として大成功するはずだよ」と。

●第4回『「勉強しない社会人が多いのは、日本にとって由々しき問題」とカリスマ投資家が警鐘を鳴らすワケ』はこちら>>

14歳の自分に伝えたい「お金の話」
 

藤野英人 著
発行所 マガジンハウス
定価 1500円(税込み)

藤野 英人/レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長・最高投資責任者

1966年富山県生まれ。1990年早稲田大学法学部卒業。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。JPXアカデミーフェロー、東京理科大学上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師。投資信託協会理事。近著に、『お金を話そう。』(弘文堂)、『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)。その他『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!』(日本経済新聞出版)など著書多数。

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