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エリート夫の“金銭感覚”で離婚も視野に…30代主婦がひそかに進める“計画”の驚きの中身

Finasee / 2023年2月10日 11時0分

エリート夫の“金銭感覚”で離婚も視野に…30代主婦がひそかに進める“計画”の驚きの中身

Finasee(フィナシー)

<前編のあらすじ>

相談者の加藤由紀子さんは39歳の専業主婦です。夫の裕久さんは上場企業の会社員で、2人には小学3年生の長男、健吾くんがいます。結婚以来、家計管理は裕久さんが行っており、由紀子さんへ渡される生活費は月5万円。

その後、物価の値上がりを理由に7万円まで増額してもらえたものの、それだけで日々の生活費をまかなえるはずもなく、独身時代の貯金や父親の遺産を切り崩して暮らしています。

減り続ける貯金を前に将来への不安を募らせた由紀子さんは、離婚も視野に入れ、経済的自立を目指すことに。「親子2人分」の生活費を稼ぐために、由紀子さんはまず何から始めるべきなのでしょうか――。

●前編:「言い返すと怒り出す…」倹約強いる夫の“プチモラハラ”に苦しむ妻がとった行動
※登場する人物はすべて仮名です。

経済的自立へのカギは、在宅ワークを本格化させること

由紀子さんの現在の在宅ワークの内容を伺ったところ、知り合いの会社のWEBサイトの更新を請け負っているとのこと。その仕事は不定期で、報酬も「お友達価格」だそうです。その他、ご自分のコネクションでいくつか仕事を依頼してくれる先があり、現在の月収は3万円前後でした。

そこで、いまの仕事に本格的に取り組み、収入を大幅にアップするための工夫をご提案しました。

クラウドソーシングサービスを活用して収入アップを目指す

由紀子さんは以前、子育ての空き時間を利用してWEBデザインを本格的にスクールで勉強していました。きちんと対価を受けて仕事をするスキルは十分あるわけです。今後クラウドソーシングなどを利用すれば、今の倍、あるいはそれ以上稼げる可能性があります。

「在宅ワークなんて、いわば内職でしょう。それで自立なんてできっこないと思い込んでいました。でも、健吾のことを心配しながら外で働くのは難しいので、自宅にいながら仕事ができるなら、それでやっていきたいです」

当面の行動目標として、WEBデザインの仕事が豊富なクラウドソーシングに複数登録し、可能な限り案件に応募することにしました。由紀子さんも仕事が増えれば、在宅ワークで自立することへの視界が広がるでしょう。

最終的に親子2人で生活できる程度の収入が得られるか、頑張ってみる価値はあるはずです。

個人事業主になるのなら、青色申告がおすすめ

会社で雇用されるのではなく在宅ワークをして働くということは、個人事業主になることを意味します。

個人事業主の収入は給与収入とは税制が異なります。そのため、今後もずっと個人事業主でやっていくつもりであれば、税務署に「開業届」を提出し、「青色申告」をしたほうがよいでしょう。

由紀子さんがやっているWEBデザインのような仕事は、仕入れもなく、大きな経費がそれほどありません。ただし、所得税は収入から経費を差し引いた所得にかかります。経費が少ないと、収入に対してほぼダイレクトに税率がかかることになり、手取りが少なくなってしまうのです。

その対策として、青色申告をすることで、最大65万円の青色申告特別控除が適用され、認められる経費の幅も白色申告より広くなります。

注意しておきたいのは、青色申告のためには複式簿記による帳簿付けが必要なこと。面倒に感じる人もいるようですが、クラウドの会計ソフトなどを利用して入出金を記帳する習慣をつければ、確定申告の時期には申告書を印刷するだけで済みます。

見直すべきは「足りなければ貯蓄で補う」の意識

在宅ワークの本格化とは別に、もう一点、由紀子さんにアドバイスしたことがあります。それは、もう少し節約に取り組んでほしいという耳の痛い話です。

お話を伺って、確かに毎月5万円、7万円でのやりくりは大変だろうと思いました。必要に迫られときには蓄えを取り崩すのも仕方ないでしょう。けれども、約10年で1000万円もの貯金が減っていくペースは、さすがに速すぎるのではないかと気になったのです。

結婚前まで比較的自由にお金を使えた人にとって、急に制限をかけられたストレスは耐えがたかったかもしれません。ただ、これから離婚して自分の力で生きていこうとするなら、限られた収入でやりくりするしかありません。

厳しいようですが、家計を見直して、できるだけ貯金からの補てんを減らす努力も大切だとお伝えしました。

自立への見通しが切り札となり、臆せず意見を言える関係に!

相談を終え事務所を後にした由紀子さんは、意気揚々とした様子でした。きっと経済的な自立への希望が湧いたのでしょう。

その数カ月後、期待を超える事後報告をいただきました。由紀子さんはあれからすぐにクラウドソーシングなどに登録し、順調に仕事が取れたそうです。今では月収も10万円を超え、今後は在宅でも20万円くらいは稼げるようになりそうだとうれしそうに話してくれました。

さらに、自分に自信が持てたおかげで、裕久さんとも言いたいことを言える関係になったという変化も。 自立への見通しが立ったことが、夫婦関係を改善するための一種の「切り札」になったのでしょう。

***
 

由紀子さんからのお話を伺う限りでは、裕久さんはいわゆる「モラハラ夫」ほどひどいわけではないでしょう。これからご夫婦で対等にお金の話ができるようになれば、結婚生活を続けながら歩み寄れる可能性も大いにあるのではないかと思いました。

由紀子さんが経済的に自立さえできていれば、離婚するかしないかの選択は自分次第です。この先ずっと専業主婦でいるとしても、いざというときの生活力があって損することないといえるでしょう。

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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