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経済規模「49倍」の中国、40年で最悪の成長率に失速…政策転換で暗雲

Finasee / 2023年2月19日 11時0分

経済規模「49倍」の中国、40年で最悪の成長率に失速…政策転換で暗雲

Finasee(フィナシー)

・交通事故で大けが、相手がまさかの「無保険」…損害補償はどうなる?

1997年2月19日、「中国近代化の父」と呼ばれる鄧小平(とう・しょうへい)氏が亡くなりました。中国経済を大きく発展させた功労者として有名ですが、天安門事件で国際的な批判を浴びた人物としても知られます。

今日は中国経済が成長してきた歴史と、中国株式市場の概要について押さえましょう。

高成長の礎を築く

1978年に実権を握った鄧氏は、社会主義的な構造だった中国を市場経済へと移行させる「改革開放政策」を採りました。税を優遇し外資の誘致を目指す経済特別区の設置や統制緩和による経済自由化の促進を図り、より先進的な経済を目指します。

【主な改革開放政策】
・1979年9月:農業改革に着手
・1980年4月:IMF加盟
・1980年5月:経済特別区の設置を決定(深圳など4カ所)
・1985年2月:経済技術開発区の建設を決定(上海など14都市)
・1986年10月:「外国企業の投資奨励に関する規定」交付
・1990年12月:中国初の証券取引所(上海)を開設

出所:内閣府 世界経済の潮流(2002年秋)

これらの政策を受け、中国経済は目まぐるしく成長しました。2010年には名目GDP(ドル建て)で日本を上回り、現在ではアメリカに次いで世界第2位の経済規模を誇ります。

【ドル建て名目GDPの推移】

IMF「World Economic Outlook Database(October 2022)」より著者作成

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中国の成長率は、新興国の中でも驚異的です。2020年までに新興国全体の経済は1980年のおよそ12.6倍に拡大しましたが、中国は約49倍にまで大きくなりました。

【ドル建て名目GDPの推移(1980年=100)】

IMF「World Economic Outlook Database(October 2022)」より著者作成

拡大画像表示「ゼロコロナ」終了で感染が急拡大

2000年代以降に圧倒的な高成長を遂げた中国ですが、今年は失速が懸念されています。1月17日に発表された2022年の実質GDP成長率は年率3.0%と、政府目標の5.5%前後を大きく下回りました。これは1980~2020年で2番目に悪い数値で、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年を除けば最低です。

【中国実質GDP成長率ワースト5(1980年~2020年)】
・2020年:2.24%
・1990年:3.89%
・1989年:4.20%
・1981年:5.10%
・2019年:5.19%

出所:IMF World Economic Outlook Database(October 2022)

成長率が振るわなかった原因として、いわゆる「ゼロコロナ政策」で経済が停滞したこと、その解除が行われた12月以降は感染拡大により消費が冷え込んだことなどが指摘されています。

特にゼロコロナ政策の転換に伴う感染者数の拡大は爆発的で、報道によるとピーク時は1日あたり約700万人もの新規感染者が出たようです。日本のピークが約26万人(2022年8月19日)ですから、人口の違いを考慮してもかなりの数ということが分かります。

もっとも、中国では強力な行動制限が緩和されたことから、感染が落ち着けば他の国のように経済は再開に向かうかもしれません。

中国株式市場の仕組み

中国の経済再開に期待するなら、現地の株式に投資してみたいという人も少なくないでしょう。

中国の株式市場は、中国本土にある「上海証券取引所」と「深圳証券取引所」、そして「香港証券取引所」の3つがあり、さらに以下のようにいくつかの市場と株式に分かれています。

【中国株式市場の概要】

 

上海取引所と深圳取引所は、以前まで外国人は「B株」しか取引できませんでした。しかし2014年に上海取引所が、2016年には深圳取引所が香港取引所と接続するようになり、外国人も香港を経由して「A株」の一部を売買できるようになりました。

ただし日本国内から売買するには、さらに外国株式取引口座を設ける証券会社が取り扱う銘柄に限定されます。主要なネット証券ではSBI証券と楽天証券、またマネックス証券が中国株式に対応しており、いずれも「香港取引所」の株式に投資が可能です。ただし「上海取引所」には楽天証券しか対応していません。

【主要ネット証券の中国株式の取り扱い】

※2023年1月27日時点

外国株式への投資は、株式の値動きに加え為替の変動も損益に影響します。比較的リスクが大きいため、投資の判断は慎重に行ってください。

【中国株価指数】

Investing.comより著者作成

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執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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