全世界で大人気「ポケモン」で資産形成? “投資しやすさ”にも注目
Finasee / 2023年2月27日 7時0分
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Finasee(フィナシー)
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1996年2月27日、ポケモンシリーズ最初のゲームソフト「ポケットモンスター赤・緑」が発売されました。これを記念し、毎年2月27日は「Pokémon Day(ポケモンデー)」と定められています。誕生から25年以上たった現在も人気は色あせておらず、世界から支持を集めるキラーコンテンツとなりました。
今日は平成の大ヒット商品、ポケモンに焦点を当ててみましょう。また、昨年はポケモンの生みの親の1人である任天堂が31年ぶりに株式分割を発表しました。他にも株価が大きい「値がさ株」で同様の事例が相次いでいます。上場企業がなぜ株式分割を行うのか、その理由についても解説します。
ポケモンが世界的ブームに「ポケットモンスター赤・緑」は、任天堂の携帯ゲーム機「ゲームボーイ」用のソフトとして発売されました。同じ作品ながら「赤」と「緑」で登場するポケモンが異なり、現実のプレイヤーはデータ通信を介してポケモン同士を交換することができます。このため、約150種の「ポケモン図鑑」を完成させるためには、「赤」と「緑」をそれぞれ持つ友人同士で協力する必要がありました。
このように、ポケモンは現実の人同士のコミュニケーションを前提としたシステムが採用されており、同シリーズが人気を集めた理由の1つと考えられています。同じ仕組みは現在まで踏襲されており、2022年11月の最新版も「スカーレット」と「バイオレット」に分けて販売されました。
ポケモンシリーズは日本にとどまらず、9言語に対応する世界的なヒット商品に育ちます。その累計出荷本数は2022年2月末時点で4億4000万本以上にも上りました。ゲームだけでなくポケモンそのものが愛されるようになり、関連するテレビアニメは世界192の国と地域で放送されました。国連加盟国が193カ国ですから、ポケモンの認知度は本当に世界レベルといえるでしょう。
任天堂が31年ぶり分割で投資しやすくポケモンの誕生を支えたのが任天堂です。開発当初から関わり、開発費も出して全面的にポケモンを支援してきました。現在、ポケモンは主に「株式会社ポケモン」によって運営されていますが、任天堂はその共同出資者でもあります。
そんな任天堂は2022年5月、1:10の株式分割を発表しました。これは株価を10分の1に減じると同時に、株数を10倍にする措置のことです。任天堂の株式分割は1991年5月が最後で、実に31年ぶりとなります。
これにより、任天堂株式に投資しやすくなりました。任天堂は当時株価が5~6万円で推移する代表的な値がさ株で、取引所の最低取引単位である100株を購入するには500万~600万円が必要でした。しかし2022年10月以降は最低投資額が10分の1になることとなり、比較的投資しやすくなっています。ポケモンの成長に期待するなら、これを機会に投資を検討してみてはいかがでしょうか。
【任天堂の業績】
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出所:任天堂 決算短信
【任天堂の株価】
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拡大画像表示値がさ株で株式分割が相次ぐ理由
任天堂だけでなく、最近は株価が大きい上場企業で株式分割の発表が相次ぎました。
【株式分割を発表した主な上場企業】
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なぜ株式分割が増えているのでしょうか。理由の1つが、株主の数を増やすためだと考えられます。東京証券取引所は株主の数が一定以上でなければ上場を維持できないとするルールがあるのです。
また「流通株式」を基準としたルールもあります。上場株式数から大株主などに固定化された株数を引いた株式のことで、これを満たさなければ上場を続けることができません。
【東証の上場維持基準(一部)】
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出所:日本取引所グループ 上場維持基準の概要
上記は2022年4月に導入された新しいルールで、基準を満たせない既存の上場企業は当面の間その適用を猶予する経過措置が適用されていました。
しかし1月25日、東京証券取引所は「論点整理を踏まえた今後の東証の対応(案)」の中で、この経過措置を2025年3月に終了する案を示しました。それ以降は上場企業に本則の基準に従うよう求め、1年以内に改善されない場合は監理銘柄または指定銘柄に指定し、原則として6カ月後に上場廃止処分とする内容です。
これを避けるためには、上場企業は株主の数や流通株式を維持しなければいけません。そこで株式分割を行い、投資しやすくすることで新しい株主の獲得を目指していると考えられます。
また2024年に始まる「新NISA」も株式分割を後押ししそうです。今年1月に株式分割を発表した信越化学工業は、理由に新NISAへの対応を挙げました。新NISAに設けられる「成長投資枠」では年240万円まで株式にも投資できるようになるとされており、最低投資額が枠内に収まるよう調整する狙いがあるとみられます。
上場企業にとって、取引所は資金調達の場でもあり、投資家層の拡大は基本的にメリットがあります。今後も株式分割の発表は増えるかもしれません。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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