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“英国のウォーレン・バフェット”が運用する「ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド」

Finasee / 2023年2月7日 17時0分

“英国のウォーレン・バフェット”が運用する「ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド」

Finasee(フィナシー)

設定で1000億円以上集めた注目ファンド

「ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド」は、2021年12月に設定された投資信託です。当初から約1180億円もの資金を集め、純資産総額は翌年3月に2000億円、同年9月には3000億円に到達しました。

ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンドは、なぜこれほど多くの資金を惹きつけるのでしょうか。

【ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド】
 

出所:投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」より著者作成イギリスの好成績ファンドが日本初上陸で話題

ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンドが資金を集めたのは、「ファンドスミス社」のネームバリューにあると考えられます。

ファンドスミス社は、テリー・スミス氏によって2010年に設立されたイギリスの運用会社です。旗艦ファンド「ファンドスミス・エクイティ・ファンド」の設定来リターンは約460%と、世界株式(同270%)を大きく上回る成績を残しました(2022年6月末時点)。

テリー・スミス氏はイギリスの老舗金融機関「バークレイズ銀行」出身で、その投資哲学や実績などから“英国のウォーレン・バフェット”と呼ばれています。バフェット氏は著名な投資家の1人で、「never invest in a business you cannot understand(理解できないものに投資してはいけない)」や「Don't watch the market closely(株式市場を注視しすぎてはいけない)」など、これまでさまざまな金言を残してきました。スミス氏も、同じような哲学を持っていることで知られています。

【テリー・スミスの「投資の10の黄金ルール」】
1.理解できないものには投資しない
2.マーケットタイミングを計らない
3.運用コストを最小限に
4.売買頻度を最小限に
5.過度な分散投資を避ける
6.税制上のメリットだけを重視して投資しない
7.投下資本に対して十分な見返りを得られない企業に投資しない
8.天才やカリスマ経営者に依存した企業に投資しない
9.投資したいと思えるビジネスに、適切な価格で投資する
10.優良企業に投資後は、株価の動きに一喜一憂しない

【組入上位10銘柄(2022年6月末時点)】

銘柄   比率   マイクロソフト 8.4% ノボ・ノルディスク 6.0% フィリップ・モリス・インターナショナル   5.3% ロレアル 4.9% エスティローダー 4.8% アイデックスラボラトリーズ 4.2% ペプシコ 4.0% マコーミック 4.0% ストライカー 3.8% オートマチック・データ・プロセシング 3.5%

 

ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンドは、この旗艦ファンドと同一の運用を行う日本初の公募投資信託です。ファンドスミス社やテリー・スミス氏に対する投資家の関心は高く、同銘柄への資金流入へつながったと考えられます。

「真のアクティブ運用」を求める人におすすめ

ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンドは、その「アクティブシェア」の高さから、より積極的にリターンを追求する人におすすめの投資信託です。

アクティブシェアとは、投資信託のポートフォリオがベンチマークとどれくらい異なるかを示す数値です。0%に近いほどベンチマークと同じように投資していることを表し、反対に100%に近いほどベンチマークとの重複がありません。

したがって、アクティブシェアが低い投資信託は平均的なリターンにとどまる傾向にあり、アクティブ運用に対する報酬を払う価値が疑わしくなります。このようなアクティブ型ファンドを「隠れパッシブ」と呼び、批判されることも少なくありません。その点、ファンドスミス・エクイティ・ファンドのアクティブシェアは89%と高水準です(2022年末時点)。

出所:ファンドスミス社 Fund Factsheet

アクティブシェアが高い理由は、投資対象が厳選されているためだと考えられます。ファンドスミス・エクイティ・ファンドは世界中の株式が投資対象ですが、厳格な選別が行われ、最終的には約20~30銘柄にしか投資しません。ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンドでも同様の運用がなされることから、市場平均を上回るリターンには十分期待できるでしょう。

【ファンドスミス社の運用プロセス】

  プロセス  対象銘柄数    ステップ1   ・業種によるスクリーニング(※)
・時価総額20億ドル以下の銘柄を除外
・財務指標で定量スクリーニング 約400銘柄 ステップ2 成長持続性、参入障壁、経営陣、業界環境などで定性スクリーニング 約70銘柄 ステップ3 ・運用チームのリサーチ
・投資確信度と株価の上昇余地を検討
・ポートフォリオ・マネージャーの最終判断 約20~30銘柄

※主に銀行、保険、不動産、航空会社、公益事業などを除外

もっとも、アクティブシェアが高いからといって、必ずしも大きなリターンが得られるわけではありません。特にファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンドは少ない銘柄でポートフォリオが構築されており、比較的リスクが大きくなることが懸念されます(2022年末の組入銘柄数:27銘柄)。投資の際は慎重に判断してください。

【ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンドの概要】

銘柄 ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド 運用会社 アセットマネジメントOne ファンドのタイプ 内外株式型 設定日 2021年12月22日 信託期間 2031年12月10日まで 決算日 1月15日 受渡期間 8営業日 販売手数料(最大、税込み) 3.3% 信託報酬(全体、税込み)     1.8335% 信託報酬(販売会社、税込み) 0.66% 信託財産留保額 なし 主な販売会社 みずほ銀行
みずほ証券
みずほ信託銀行

 

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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