「運用会社は市場変動に関する経験の共有を」。ベテラン層ほど強い要望
Finasee / 2023年2月16日 19時0分
![「運用会社は市場変動に関する経験の共有を」。ベテラン層ほど強い要望](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/finasee/finasee_11755_0-small.jpg)
Finasee(フィナシー)
販売会社の若手とベテラン層で、運用会社の「営業・研修担当者の質」に対する要望は、「業界・他社動向に詳しく商品・マーケットの知識がある」、「ニーズや課題を踏まえた対応をしてくれる」という基本的な資質へのニーズが2022年に一段と高まっていることがわかった。金融リテール専門誌『Ma-Do』が実施した「運用会社ブランドインテグレーション評価2022」で、30代以下の若手と40代以上のベテラン層が運用会社に期待する「営業・研修担当者の質」についての回答内容を分析した。「営業・研修担当者の質」の評価で軸になっている「業界・他社動向に詳しく商品・マーケットの知識がある」と「ニーズや課題を踏まえた対応をしてくれる」については、両項目共に75.8%というトップ回答率になっているが、年代別の回答を比較すると、特に40代以上のベテラン層において22年は両項目への期待が高まっている。
![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/2/1/800m/img_2160d2bc92ddbfd2c803daf3f8c9a789173325.jpg)
「運用会社ブランドインテグレーション評価」は、投信販売会社が運用会社を評価する調査で、運用会社について「運用力」「商品開発力・企画力」「営業担当者・研修担当者の質」「サポート力」「ブランド力」「ガバナンス」の6つの軸で評価してもらい、得点順にランキングした。2022年調査は9月~10月にWEBで実施し、国内外の運用会社36社を評価の対象とし、310件の回答を得た。回答者の年齢構成は、20代と30代が合わせて40.3%、40代以上で59.7%だった。
市場変動への対応は経験が必要「業界・他社動向に詳しく商品・マーケットの知識がある」という項目に対する回答は、30代以下の若手が21年の79.4%から22年は75.2%と微減横ばいのところ、40代以上のベテラン層は21年の66.5%が22年は76.2%に上昇した。また、「ニーズや課題を踏まえた対応をしてくれる」という項目に対しても、若手は21年の73.3%が22年は74.4%と微増横ばいだったが、ベテラン層の回答は21年の70.2%が22年には76.8%に増加している。このように、ベテラン層の側に、運用会社のサポートに対する期待が高まったのは、販売会社の営業現場において、投資勧奨など運用商品の購入に関する説明は若手とベテランの別なく行われているものの、相場急変時や相場下落時における状況説明や今後の対応についてのアドバイスなど運用フォローに関する業務は、ベテラン層により負担がかかっているという役割の差があるように考えられる。
マーケット変動時の対応は、マーケットの動きが予測できないだけに、顧客が納得できる説明をするためには、ある程度のマーケット変動に向かい合ってきた経験が必要だ。そのマーケット環境への経験という点では、販売会社においては若手よりもベテランの方が長じ、販売会社と運用会社の側面では、専門的に市場に対峙してきた運用会社に一日の長があることは明らかだ。市場が難しくなれば、当たり前のように運用会社に対する情報提供のニーズは強くなる。運用会社の間では、運用会社内のベテランの経験を若手の営業・研修担当者にまで共有させることができただろうか?
運用会社の組織力も問われる運用会社の組織力が問われる設問は「必要な社内リソースを動かす力がある」という項目だが、この項目の回答率は、若手が21年の13.7%から22年は20.8%に、ベテランは21年の18.0%が22年は24.3%に、年代を問わず上がっている。これは、担当者の資質によらず、例えば、マーケット変動の経験が少ない若い担当者であれば、ベテランの担当者から経験を聞き取って販売会社に還元してほしいというようなことを示していると考えられる。企業調査の経験、あるいは、クオンツ運用の経験など、運用会社に勤めていれば、様々なポジションでマーケット変動に向き合う経験ができる。その経験を総合的に活かして、今の市場の変化に対し、どのような対応が適切であるのか? 販売会社は顧客から問われる内容に対して何か回答する必要があり、そのヒントを欲しいという思いがうかがえる。
このような運用会社の担当者に求める資質は「コミュニケーション能力が高い」という項目への回答率が、若手では21年の47.3%から54.4%に、ベテラン層でも21年の54.7%が22年は58.9%に上がっている。「プレゼンテーション能力が高い」というような気の利いた言葉ではなく、「今、目の前の困ったに応えてほしい」という要望が一段と高くなったようだ。
Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。
この記事に関連するニュース
-
AIが採用業務をサポートするSaaSシステムのOEM販売(システム販売)を開始
PR TIMES / 2024年6月26日 14時15分
-
生命保険のアフターフォロー体験を対象としたNPS(R)ベンチマーク調査2024の結果を発表。NPSおすすめランキング1位は3年連続でソニー生命
PR TIMES / 2024年6月20日 13時15分
-
長く働けて若手もおすすめする企業ランキング
共同通信PRワイヤー / 2024年6月18日 14時0分
-
20代キャリア採用の面接で評価するポイント 2位は「コミュニケーション力」、1位は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月13日 6時50分
-
20代キャリア採用の面接で評価するポイントは、「経験した業務内容」を抑え、「人柄・社風との相性」が最多。ポテンシャルを重視した採用を実施
PR TIMES / 2024年6月12日 12時15分
ランキング
-
1ソニー宮城拠点、250人削減=ブルーレイ、生産縮小
時事通信 / 2024年6月29日 15時49分
-
2「クレカタッチ」は交通系ICカードを駆逐するのか 熊本で「全国相互利用」離脱、一方で逆の動きも
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 7時30分
-
3「押しボタン式信号」なぜ“押してすぐ青”にならないケースが? 納得の理由があった!
乗りものニュース / 2024年6月29日 16時42分
-
4作文は「理系だと苦手」「文系が得意」という大誤解 算数が得意な子は大概「作文もうまい」納得理由
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 10時0分
-
5池袋西武とヨドバシ「売り場折半」の波紋と懐事情 北側にヨドバシ出店、西武の集客力に影響は?
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 10時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)