闇バイト「一度やったらやめられない」恐るべき理由…20代男性の後悔
Finasee / 2023年3月2日 11時0分
Finasee(フィナシー)
良太さん(仮名、20代前半)は3つのアルバイトを掛け持ちするフリーター。生活していくのがやっとで、常々「もっとお金を稼げる方法はないものか」と考えていました。
そんなときにSNS上で「高額報酬」をうたう闇バイトを発見。早速投稿者に連絡を取ると、携帯電話を契約して送るよう指示が出されます。契約料金などの負担はなく、ただ指定された住所へ送るだけで5万円の報酬を受け取れるという話でした。
軽い気持ちで闇バイトに手を出した良太さん。銀行口座を開設して通帳を送る、という作業もしました。ところが後日、報酬が振り込まれないどころか携帯電話の請求まで来てしまいます。さらに雇い主とは連絡が取れなくなっており、さすがにおかしいと思って調べると、自分のしていたことが違法行為だったことを知ります。
告発されてしまう恐れから携帯会社に事情も説明できず、泣く泣く、使ってもいない携帯代を支払う羽目になってしまったのです……。
●闇バイトに最適? “話題”の通信アプリとは
※前編【「5万円の報酬」につられて闇バイトに手を出した結果…絶望の末路へ】からの続き
良太さんが名義を貸した銀行口座はどうなったのでしょうか? こちらについては、後に警察から連絡がありました。なんと良太さんの貸した口座が振り込め詐欺に使われた、というのです。
良太さんは警察から「詐欺の幇助犯」として取り調べを受けてしまいました。銀行口座を人に貸すのは「犯罪収益移転防止法」という法律に違反する行為です。良太さんは、知らず知らずのうちに犯罪行為にまで手を染めてしまっていたのです。
そのことが銀行に発覚し、良太さんは自分の使用している他の口座まで凍結されてしまいました。
結局、良太さんは携帯電話会社に自分が使ってもいない料金の支払いをしなければならず、犯罪の被疑者にもなってしまい、銀行口座まで使えなくなって大変な目に遭いました。
闇バイトなんかに手を出すんじゃなかった、と心から後悔しています。
闇バイトとは良太さんが手を出してしまった「闇バイト」とは、違法行為をして高額な報酬をもらうことをいいます。
良太さんのように携帯電話を契約して依頼主に送ったり銀行口座を開設して情報を伝えたりするものだけではなく、振り込め詐欺の実行役をさせられるケースなどもあります。
闇バイトのパターン以下では闇バイトのパターンとしてどういったものがあるのか、闇バイトでよくあるケースや特徴を見てみましょう。
携帯電話や銀行口座の名義貸しまずは携帯電話や銀行口座の名義貸しです。今回良太さんが引っかかったのと同じパターンです。
携帯電話の名義貸しをすると、携帯会社からは名義人へ請求が来ます。結局携帯代を払わないといけないケースが大半です。かといって携帯会社に真実を告げると違法行為が明らかになるので、良太さんのように泣き寝入りしてしまう人も多数います。
振り込め詐欺の実行役闇バイトでは、振り込め詐欺の実行役をさせられるパターンが非常に多くなっています。
例えばキャッシュカードを受け取ってATMで出金するように言われます。しかし出金するお金は被害者がだまされて振り込んだものです。出金した時点で銀行に対する窃盗罪が成立します。
振り込め詐欺の実行役をすると、初犯でも実刑判決を受ける可能性が高くなっています。
強盗最近では、強盗行為まで闇バイトで募集するグループがあります。強盗はいうまでもなく重罪であり、基本的に執行猶予もつきません。いくら高額な報酬をもらえるとしても、絶対にやってはいけません。
テレグラムを使ったやりとり闇バイトの特徴は「テレグラム」という通信アプリを利用する点です。テレグラムとは、一定期間が経過すると履歴が消去される通信アプリです。
犯人側は証拠を残したくないので、テレグラムを使ってやりとりをさせて証拠を自動的に消そうとしています。
高額報酬をうたっている闇バイトの特徴は高額報酬をうたっていることです。ほとんどの人が報酬に引きつけられて手を出してしまいます。
しかし良太さんのように携帯電話や銀行口座の名義貸しでは報酬が払われないこともありますし、違法行為をしてしまったら報酬をもらっても割に合いません。
高額報酬をうたう闇バイトには絶対に手を出すべきではありません。
闇バイトから逃れられない理由闇バイトは危険がいっぱいです。しかし実際には振り込め詐欺の受け子のような闇バイトを一回始めると、なかなか逃れられない人が多数です。なぜやめられないのか、理由を見てみましょう。
離脱しようとすると脅されるほとんどの人が「やめようとすると自分や家族に危害を及ぼすと脅迫される」ので、仕方なく闇バイトを継続してしまいます。
闇バイトを行う際、当初に身分証明書を送ったりして細かく個人情報や家族の情報などを伝えさせられます。そうしていざやめようとすると「お前や家族に危害を加える」と脅されてやめられなくなってしまうのです。
闇バイトのトラブルに巻き込まれてしまったら見知らぬ人から違法行為の誘いを受けても、絶対に応じてはなりません。お金以上に失うものが多すぎます。巻き込まれて困ったときにはすぐに弁護士や警察へ相談しましょう。
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福谷 陽子/法律ライター・元弁護士
京都大学法学部在学中、司法試験に合格。勤務弁護士を経て、法律事務所を設立し、約7年間独立営業。中小企業法務や債権回収、不動産の任意売却やカード破産などの案件を多数手がけた。悪徳商法、投資詐欺などの消費者問題にも深い知見がある。現在は弁護士時代の経験を活かして、各種の法律メディアにて執筆、監修、編集、さらに法律事務所のWebマーケティングなどに携わる。
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