「三菱UFJ 純金ファンド」が資金を集める理由
Finasee / 2023年3月10日 19時0分
Finasee(フィナシー)
金の運用で最大規模の公募投信
「三菱UFJ純金ファンド」(愛称:ファインゴールド)は、金に投資する公募投信でトップクラスの規模を持つ銘柄です。純資産総額は毎年増加しており、年次ベースで前年を下回ったことはありません。特に近年は増加ペースが拡大しているようです。
【三菱UFJ 純金ファンド】
三菱UFJ純金ファンドが資金を集める理由を探りましょう。
「コロナ」と「ウクライナ」で資金集まる三菱UFJ純金ファンドの純資産総額は、特に2020年と2022年に大きく増加しました。2020年は「コロナショック」で、2022年は「ロシア・ウクライナ問題」で市場が不安定になった年にあたります。これらの年に三菱UFJ純金ファンドに資金が集まったのは、「有事の金」が意識されたためでしょう。
【純資産総額の増減額】
有事の金とは、情勢が不安定なときは金が値上がりしやすいということを表す言葉です。
金はそれ自体が価値を持つ資産で、価値がゼロになることは基本的にありません。対して株式は企業の価値に裏付けられた資産であり、その企業が破綻すれば価値の全てが失われる可能性があります。そのため、相場に強い不透明感が生じると、株式より金が選好されやすいといわれています。事実、過去の多くの金融危機では株式より金のパフォーマンスが良好でした。
【主な金融危機時における騰落率】
近年台頭するインフレ懸念も、三菱UFJ純金ファンドが資金を集めた理由の1つでしょう。
インフレは物価の上昇を指しますが、視点を通貨に移せば、インフレは通貨の価値が下落することを意味します。価値が下落した通貨で金を購入するためには、対価としてより多くの通貨を用意しなければいけません。つまり、金が値上がりすることになるのです。
一方企業に目を向けると、物価の上昇は経費の増加につながるため、インフレは目先の業績を悪化させる要因となります。したがって、インフレ下における短期的なパフォーマンスは株式より金の方が良好となることが少なくありません。例えば2000年以降、3%以上のインフレが起こった場合の3カ月平均騰落率は、株式より金の方が優秀でした。
【インフレ水準別の3カ月平均騰落率(2000年1月~2022年5月)】
三菱UFJ純金ファンドは、株式との分散投資に向いています。
株式や債券といった有価証券は、企業などに裏付けられて初めて価値を持つ資産です。その企業が経済環境の悪化などで業績不振に陥れば、価値の下落は基本的に避けられません。したがって、株式と債券への分散投資は一般的ですが、経済が急激に悪化すればどちらも下落するケースが想定されます。
対して金は、それ自体に物質的な価値を持つ資産です。需給などから価格の変動は起こりえますが、経済の変化が金の本質的な価値まで変えることは通常ありません。また金は埋蔵量などから生産に制約があるため、大きく供給過多に傾く可能性は低いと見られています。
このように、金の価値の仕組みは株式や債券のそれとは異なります。資産同士の関連性が低いことから、分散投資に向いているでしょう。資産形成の手段として株式を中心に据えている人は、分散投資の組み合わせとして金を検討してみてはいかがでしょうか。
なお三菱UFJ純金ファンドは、大阪取引所における金価格への連動を目指す「上場純金信託(愛称:金の果実)」という金ETFで運用されており、当該ETFの信託報酬に上乗せして運用コストがかかります。証券会社に口座がある人は、上場純金信託を直接購入した方が低い運用コストで運用できるでしょう。
ただしETFの売買は証券会社が定める手数料がかかるため、三菱UFJ純金ファンドの販売手数料や信託報酬と比較し、運用期間などの観点から、どちらが有利か判断するよう留意してください。
【三菱UFJ 純金ファンドの概要】
銘柄 三菱UFJ純金ファンド(愛称:ファインゴールド) 運用会社 三菱UFJ国際投信 ファンドのタイプ 国内型(その他資産) 設定日 2011年2月7日 信託期間 無期限 決算日 1月20日 受渡期間 4営業日 販売手数料(最大、税込み) 1.1% 信託報酬(全体、税込み) 0.99% 信託報酬(販売会社、税込み) 0.2475% 信託財産留保額 なし 主な販売会社 三菱UFJ銀行イオン銀行
岡三証券
Finasee編集部
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