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こども家庭庁が発足 子育て支援3兆円、いじめ対策2億円…何をする?

Finasee / 2023年4月1日 11時0分

こども家庭庁が発足 子育て支援3兆円、いじめ対策2億円…何をする?

Finasee(フィナシー)

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日本の出生数が2022年、初めて80万人を割り込みました。年々減少が問題視されており、少子化は日本が抱える重要な課題の1つです。日本の総人口も2050年代に1億人を下回ると予想されています。

【日本の出生数の推移(1947年~2022年)】

厚生労働省「人口動態統計」より著者作成

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【日本の総人口の予測】

国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」より著者作成

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政府は進行する少子化を食い止めるため、2021年12月に「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」を閣議決定しました。それに伴い、本日「こども家庭庁」が発足します。こども家庭庁はどのような役割を持つのでしょうか。

「異次元の少子化対策」の担い手

こども家庭庁は当面、「異次元の少子化対策」の具体的な政策を取りまとめる役割を担います。

異次元の少子化対策とは、岸田首相が2023年の年頭記者会見で述べた言葉です。少子化問題を経済と並ぶ重要な課題と位置付け、経済的な支援や保育サービスなどの拡充、また働き方改革の推進を行うと表明しました。

対策の基本的な方向性は3つです。第1に、児童手当を中心に経済的支援を強化することです。第2に、学童保育や病児保育を含め、幼児教育や保育サービスの量・質両面からの強化を進めるとともに、伴走型支援、産後ケア、一時預かりなど、全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充を進めます。そして第3に、働き方改革の推進とそれを支える制度の充実です。

引用:首相官邸 岸田内閣総理大臣年頭記者会見(2023年1月)

こども家庭庁はまず政策推進会議を開催し、内閣官房で取りまとめた意見などを踏まえつつ「こども大綱」(※)の作成方針を決定します。その後、国民や子どもなどから広く意見を集め、秋ごろまでに大綱の閣議決定を目指す予定です。岸田首相が掲げる異次元の少子化対策は、その過程で明らかになっていくでしょう。

※こども大綱:こども施策に関する基本的な方針、重要事項を定めるもの。これまで別々に作られてきた「少子化社会対策大綱」、「子供・若者育成支援推進大綱」、「子供の貧困対策に関する大綱」が束ねられ、こども大綱に一元化される。

出所:内閣官房こども家庭庁設立準備室 こども基本法説明資料

こども家庭庁の役割と予算の内訳

こども家庭庁の役割は、異次元の少子化対策をまとめるだけではありません。同庁は3つの部門で構成されており、全体を取りまとめる「企画立案・総合調整部門」のもと、「生育部門」では子どもの安全な成長を支える政策が、「支援部門」では虐待やいじめ、また経済的な困難を抱える子どもや家庭をサポートする政策が実施されます。

【こども家庭庁の3つの部門】

出所:内閣官房 こども政策の推進に係る作業部会 こども政策の新たな推進体制に関する基本方針(概要)

予算案を見れば、より具体的な政策が見えてくるかもしれません。政府はこども家庭庁に関連して約5.2兆円の予算を計上しており、その内訳は以下のようになっています。

【こども家庭庁に関連する2023年度当初予算案(補正予算含む)】

出所:内閣官房 令和5年度当初予算案の概要(こども家庭庁)

実は日本だけではない少子化問題

異次元の少子化対策やこども家庭庁の政策は一定の効果を発揮するでしょう。しかし、少子化の完全な解消は簡単ではありません。少子化は、日本だけでなく世界中で起こっている現象なのです。

まず、世界の人口は主に「後発開発途上国(Least developed countries)」がけん引して増加していくことが見込まれています。また「開発途上国(Less developed countries)」や「先進国(More developed countries)」も、2100年までほぼ横ばいで推移すると推測されています。

【世界の人口の予測(2022年=100)】

国際連合「世界人口推計(2022年)」より著者作成

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しかし出生数に目を向けると、先進国や開発途上国で大きく落ち込むと予想されています。特に発展途上国で減少ペースが大きく、先進国以上に少子化が進むでしょう。また後発開発途上国においても2060年代ごろから減少に転じる見込みです。

【世界の出生数の予測(2022年=100)】

国際連合「世界人口推計(2022年)」より著者作成

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このように、少子化は世界的な課題の1つです。なぜ出生数が減るのか、経済的な要因と結びつける仮説もありますが、明確な理由はまだ明らかになっていません。それだけ、少子化は解決が難しい問題の1つといえるでしょう。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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