「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」に資金が流入した2つの理由
Finasee / 2023年3月14日 19時0分
![「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」に資金が流入した2つの理由](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/finasee/finasee_11877_0-small.png)
Finasee(フィナシー)
サブプライムローンショックを乗り越えた米国リートファンド
「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」(以下:ダイワUSリートBコース)は2004年7月に運用を開始しました。2007年頃から顕在化したサブプライムローンショック(※)を乗り越え、2023年1月までに280%以上のリターンを稼いでいます。純資産総額も大きく増加し、米国リート型ではトップクラスの規模を持つ銘柄に育ちました。
※サブプライムローンショック:信用力が低い人向けの住宅ローンを「サブプライムローン」と呼び、米国を中心にその多くが不良債権化したことに端を発して起こった金融危機
【ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)】
![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/2/7/800m/img_27cbdabb8e165b485e5a5b76d6b2555396518.jpg)
ダイワUSリートBコースの純資産総額は、なぜこれほど積み上がったのでしょうか。
分配金利回りの高さで注目ダイワUSリートBコースは、分配金利回りの高さが注目され資金が集まったと考えられます。
2011年は海外のリートで運用される投資信託に資金流入が相次ぎました。ダイワUSリートBコースにおいても、2011年から2012年にかけて純資産総額が大きく増加しています。
【年末時点の純資産総額(2008年~2012年)】
ダイワUSリートBコースは、2010年から2011年にかけて分配金を40円から110円にまで引き上げました。為替の下落などから基準価額も低下していたため、分配金利回りは20%後半にまで上昇します。これが注目され、ダイワUSリートBコースに資金が流入したと見られています。
【分配金と分配金利回りの推移(2010年~2012年)】
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ダイワUSリートBコースの純資産総額の増加は、米国株式からの資金流入も理由の1つでしょう。
2011年から2021年にかけて、ダイワUSリートBコースの純資産総額が減少した年は、いずれも米国リート(NAREIT指数)の騰落率が米国株式(S&P500)を下回った年でした。反対に、米国リートが米国株式より大きなリターンを稼いだ年は全て純資産総額が増えており、特に米国リートのリターンがプラスの年は1000億円以上増加しています。
【純資産総額の増減額および米国リートと米国株式の騰落率(2010年~2021年)】
![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/5/0/800m/img_50d3d2aba9d34d3e517aaf5ad37c7a5787917.jpg)
これらから、米国リートは米国株式とよく比較される関係にあり、米国株式が軟調なときの逃避先として選ばれているといえそうです。今後もアメリカの株式の調子が悪いときは、ダイワUSリートBコースへの資金流入が起こるかもしれません。
アメリカ初のリート専門機関が運用ダイワUSリートBコースは、運用の権限を「コーヘン&スティアーズ・キャピタル・マネジメント」に委託しています。同社は米国初のリート専門の運用会社として1985年に誕生しました。リートといった不動産証券や実物資産などの運用を展開しており、リート運用では最大級の資産規模を持っています。
組み入れる銘柄は、ファンダメンタルズ分析を通して安定的な配当が見込める銘柄を選定し、特に米ドル建てでポートフォリオ配当利回りが市場平均以上となるよう目指して決定します。
【組入上位10銘柄(2023年1月末時点)】
銘柄 用途 比率 プロロジス 産業施設 9.3% ウェルタワー ヘルスケア 9.2% リアルティ・インカム その他商業施設 7.3% デジタル・リアルティー・トラスト データセンター 7.2% インビテーション・ホームズ 戸建住宅 6.7% サイモン・プロパティー・グループ ショッピングモール 5.8% パブリック・ストレージ 貸倉庫 5.4% ミッド・アメリカ・アパートメント・コミュニティー 集合住宅 4.4% エクイニクス データセンター 4.2% サン・コミュニティーズ 簡易住宅 3.6%※ポートフォリオ配当利回り:3.5%
ダイワUSリートBコースは、配当利回りを重視したい人に向いているでしょう。米国リートは収益の90%以上を投資家に還元することで税制上の優遇が受けられる仕組みが設けられているため、株式よりも高い配当が期待できます。
またインフレ対策としても一定の効果を持つでしょう。短期的にはコスト上昇による業績の悪化などから株式の下落を招きやすいインフレも、実物の不動産を裏付けに持つリートにとっては必ずしも値下がり要因とはいえません。物価の上昇を懸念するなら、株式だけでなくダイワUSリートBコースも併せて保有してみてはいかがでしょうか。
ただし、インフレ下で通常行われる利上げは、リートにとっても一般に収益の悪化要因です。また米国株式と同じように、価格変動リスクや為替変動リスクがあることには留意してください。
【ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)の概要】
銘柄 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし) 運用会社 大和アセットマネジメント ファンドのタイプ 海外REIT型 設定日 2004年7月21日 信託期間 無期限 決算日 毎月17日 受渡期間 5営業日 販売手数料(最大、税込み) 3.3% 信託報酬(全体、税込み) 1.672% 信託報酬(販売会社、税込み) 500億円以下の部分:0.781%500億円超~1000億円以下の部分:0.825%
1000億円超~2000億円以下の部分:0.88%
2000億円超の部分:0.935% 信託財産留保額 なし 主な販売会社 ゆうちょ銀行
りそな銀行
あおぞら銀行
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
Finasee編集部
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