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金融のプロがこっそり教える! 「自分が買いたい」投資信託ランキング【2023年3月】

Finasee / 2023年3月22日 17時0分

金融のプロがこっそり教える! 「自分が買いたい」投資信託ランキング【2023年3月】

Finasee(フィナシー)

銀行や証券会社などの金融機関に勤務し、投資信託をはじめとする金融商品の販売関連業務に携わっている人を対象とする専門誌『Ma-Do(マ・ドゥ)』。同誌では、読者である金融のプロフェッショナルの方々に「もし自分がいま買うとしたらどの投資信託なのか?」を定期的に調査している。ここでは、その最新の結果を、選んだ理由の具体的なコメントとともに紹介したい(調査実施期間:1月下旬~2月上旬、N=98)。

足元では資金流出もプロは米国成長株投信を引き続き支持

今回は同率で1位となったファンドが2つあり、まずは前回(2022年12月)に続いて「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」がトップを守った。

①アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信
  <アライアンス・バーンスタイン>

①eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  <三菱UFJ国際投信>

③米国株式配当貴族
  <野村アセットマネジメント>

③キャピタル世界株式ファンド
  <キャピタル・インターナショナル>

③eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  <三菱UFJ国際投信>

同ファンドは文字通り米国の成長株を投資対象とするファンドだが、根強い人気を誇る。ただし、最も純資産残高が大きい「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の分配金が昨年12月以降はゼロとなっていることも影響し、同コースからは大きく資金流出するなど足元の流出入動向には陰りも見える。しかし、あくまで長期の目線で引き続き高い評価をしているのは、やはり金融のプロならではと言えるだろう。

「米国の継続的な成長期待ができる企業への投資を行うというコンセプトのもと、長年、運用実績が良いため」(北陸信越地方の第二地銀・本部)。「過去・現在・将来にわたって成長し続ける米国株式が投資対象だから」(証券会社・本部)。

同じく1位に並んだのは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。これまでは同シリーズの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が上位となるケースが多かったが、今回は同ファンドのほうが多くの支持を集める結果となった。世界的にマーケットの潮目が変わりつつある中、米国に偏るのではなく、全世界の株式に分散したいというニーズが高まっているのかもしれない。

「世界の株式に分散投資できるから。アメリカだけだと不安もある」(東海地方の地銀・支店)。「ノーロード、信託報酬が低い。実際に積立を何年も続けてきて、長期分散積立投資の効果を実感しているから」(関東地方の地銀・本部)。

「米国株式配当貴族」が新たにランキング入り

今回は3位にも同率で3ファンドが並んだが、1つ目が「米国株式配当貴族」で、急速に支持を高めてランク入りした。同ファンドは「S&P500指数」を構成する米国の代表的な企業から、「25年以上連続して増配を実施している」銘柄で構成された指数「S&P500配当貴族指数」との連動を目指すインデックスファンドだ。

「長期投資、長期保有に向いている。特に若い人に積立投資で保有してほしい商品だと思う」(関東地方の地銀・支店)。「金融引き締め局面が終盤になるので、グロース銘柄系の投資が中心になってくると思いますが、あえていろいろな投資戦略との併せ持ちで相性がいいのではないでしょうか? 景気減速局面が長引く可能性もあります」(証券会社・支店)。

2つ目はこのランキングの常連となった「キャピタル世界株式ファンド」。「長期の運用実績があることと販売用資料が分かりやすいため、お客さまにも理解を得られやすい」(証券会社・本部)。「ファンドマネジャーが堅実で目先の利益にとらわれず、投資方針の理念がしっかりしていると感じる」(関東地方のIFA)。

同率3位の最後の1つは、前述の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。同ファンドは2月に「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」を抜いてついに日本で最も純資産残高の大きい公募投信(ETFを除く)となった。「今後も持続的な成長が期待できると考えており、コストも低いため」(東海地方の地銀・支店)。

上位には前回に引き続き株式型のファンドが並んだが、「米国株式配当貴族」のような“新顔”も現れるなど、変化の兆しも出てきた今回のランキング。世界的に金利が戻ってきた中、インカム収入が期待できる債券型ファンドの動向などにも今後は注目したいところだ。

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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