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日本がロシアに「史上初」の対抗措置…米国・EU同調、重大事件も発生【4月19日はどんな日?】

Finasee / 2023年4月19日 7時0分

日本がロシアに「史上初」の対抗措置…米国・EU同調、重大事件も発生【4月19日はどんな日?】

Finasee(フィナシー)

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ロシアによるウクライナ侵攻を受け、多くの国がロシアに対し経済制裁を課しました。日本も協調し、2022年4月19日に酒類や木材など38品目の輸入を禁じる措置を講じます。一連の経済制裁で、日本がロシア産製品の禁輸に踏み切るのは初めてでした。

制裁で悪化するロシア経済

ロシアに対する禁輸措置は各国で相次ぎます。日本を含むG7は、2022年4月に石炭を、5月には原油の輸入を段階的に廃止することで合意しました。ロシアが生産の大部分を握る天然ガスにおいても、アメリカは禁輸し、EUやイギリスはロシア依存を脱却する方針を示しています。

またロシア自身も、対抗措置としてエネルギーの輸出を絞りました。さらに2022年9月には、ヨーロッパへ通じる重要な天然ガスのパイプラインが何者かよって破壊される事件も起こります。これらの要因で、ロシアのエネルギー輸出は大きく減少したとみられています。

【ロシアの商品輸出量の見通し(変化率)】

IMF「世界経済見通し(2022年10月)」より著者作成

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ロシアは輸出の大部分をエネルギーに頼っていることから、その低下は経済にも大きなダメージを与えているでしょう。ロシアルーブルの価値も下落したことから、ロシアではインフレも顕著に現れました。

【ロシアの実質GDPと消費者物価の見通し(変化率)】

IMF「世界経済見通し(2022年10月)」より著者作成

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ロシア中央銀行は政策金利を9.5%から20%にまで引き上げインフレに対処しますが、急激な金利上昇に伴う経済への悪影響も生じていると考えられます。その後は7.5%にまで引き下げていますが、財政赤字が拡大するなら金融引き締めを実施する方針も示しており、再び利上げが行われるかもしれません。

償還が相次ぐロシア関連投信

ロシアはBRICS(※)として注目されていたこともあり、ロシアに投資する投資信託も少なくありませんでした。しかしウクライナ侵攻でロシアルーブルやロシア株式が急落し、ロシアに関連する銘柄の多くは大きく値下がりします。

※BRICS:ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカのこと。経済成長が特に期待される国として注目された。

【ロシアの為替レートと株価指数(2022年2~3月】

Investing.comより著者作成

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市場の急落を受け、ロシア関連投信の多くは新規の買い付けを停止しました。特にロシアルーブルとの為替取引を行う「通貨選択型」では、繰り上げ償還するケースが相次いでいます。

【繰り上げ償還された主なロシア関連投信(通貨選択型)】

 

通貨選択型とは、ある資産に投資しつつ、同時に為替取引を行う投資信託のことです。主要投資対象からの収益に加え、為替取引による効果も上乗せされることから、より大きな利益を目指す投資家に人気があります。通貨選択型は、投資対象の通貨と指定する通貨との金利差も収益源になるため、金利が高いロシアルーブルはよく設定されていました。

しかし経済制裁などからロシアルーブルは取引量が少ない状態が続いており、運用会社は安定的に為替取引を行うことが困難となっています。結果として目論見書に記載する運用ができなくなったため、繰り上げ償還が相次ぐことになりました。状況が改善しない限り、今後もロシアルーブルに対する為替取引を行う銘柄で繰り上げ償還が起こるかもしれません。

脱ロシアのカギ、中東の情勢は大丈夫?

ロシアのウクライナ侵攻は、私たちの生活にも大きな影響を与えました。次の火種はどこにあるのか、心配する人も多いのではないでしょうか。

欧州諸国がエネルギーのロシア依存からの脱却を進める上で、中東の情勢はより重要となってくるでしょう。近年、大きく状況が変わった国の1つが「アフガニスタン」です。アメリカとの戦争で2001年に政権を失ったタリバンは、2020年2月にアメリカと和平合意を結び、2021年8月に再びアフガニスタンを掌握しました。

和平合意に基づいてアメリカ軍が撤退してから、アフガニスタンでは治安の悪化が懸念されています。国際テロ組織「IS(イスラム国)」の地方組織は、タリバンが復権してすぐにアフガニスタンの首都カブールの空港周辺で爆破テロを起こしました。タリバンがISの封じ込めに失敗すれば、アフガニスタンがテロの温床となるかもしれません。

さらにアフガニスタンでは、隣国イランとの武力衝突も相次いで発生しています。イランはシーア派を国教としており、スンニ派のタリバン政権を認めていません。またイランは、同じくシーア派が多数を占めるイラクへの干渉を強める動きが指摘されています。イラクでは親イラン派が勢力を増しており、対立の高まりから内戦を危惧する声もあります。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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