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朝日新聞「捏造記事」掲載の大事件…非難殺到で信頼失墜、社長は辞任【4月20日はどんな日?】

Finasee / 2023年4月20日 7時0分

朝日新聞「捏造記事」掲載の大事件…非難殺到で信頼失墜、社長は辞任【4月20日はどんな日?】

Finasee(フィナシー)

・日本がロシアに「史上初」の対抗措置…米国・EU同調、重大事件も発生

一般に、新聞は信頼されているメディアの1つです。新聞通信調査会が行った「メディアに関する全国世論調査結果(2022 年)」によれば、新聞に対する信頼度はNHKテレビに次いで2番目に大きくなりました。私たちにとって、新聞は正しい情報に触れるために欠かせない存在といえそうです。

【各メディアの信頼度得点(2022年)】

新聞通信調査会「メディアに関する全国世論調査(2022年)」より著者作成

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しかし、過去には新聞の信頼が損なわれる事件もありました。1989年4月20日、「朝日新聞」は記者が捏造した記事を一面に掲載してしまい、大きく非難されます。

記者が故意にサンゴを傷付け事件を捏造

該当の記事は『サンゴ汚したK・Yってだれだ』と題し、朝日新聞の夕刊の一面に載りました。記事には「K・Y」と読める傷が付けられたサンゴ礁の写真も掲載され、心無いダイバーによる自然破壊を告発する内容でした。

しかしその記事に使われた写真は、朝日新聞社のカメラマンが自らサンゴ礁に傷を付けて撮影したものだと判明します。捏造記事を報じてしまった朝日新聞は、世間から痛烈に非難されました。同年6月には朝日新聞社の社長が引責辞任に追い込まれます。

1989年は他にも疑わしい記事が新聞に掲載される事例が相次ぎ、新聞社はそのたびに強い批判にさらされました。一般に新聞に対する信頼は厚く、それを裏切る行為には強い拒否反応が生じるのかもしれません。

その代償か、新聞の購読率は低下し続けています。2008年度ではおよそ9割の人が購読していましたが、2022年度では6割を切りました。購読率の低下は特に全国紙で顕著に表れており、2008年度比で半分以下になっています。現在では新聞以外にもさまざまなメディアが登場し、情報源が多様化していることも理由の1つでしょう。

【新聞購読率】

新聞通信調査会「メディアに関する全国世論調査(2022年)」より著者作成

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【新聞購読率の内訳】

※全国紙:朝日、毎日、読売、産経、日本経済新聞
※ブロック3紙:北海道、中日、西日本新聞

出所:新聞通信調査会 メディアに関する全国世論調査(2022年)

100年以上の歴史を持つ『週刊朝日』が休刊

朝日新聞社は主力商品として『週刊朝日』も発行しています。1922年に創刊された日本最古の総合週刊誌ですが、やはりこちらも発行部数の減少が続いていました。これを受け、週刊朝日は2023年5月末で休刊すると発表します。

【発行部数の推移】

出所:朝日新聞社 有価証券報告書

新聞だけでなく、雑誌も市場規模の縮小が長らく続いています。販売額は1997年をピークに24年連続でマイナスとなり、およそ3分の1となりました。「コミックス」は比較的堅調ですが、特に「週刊誌」や「月間定期誌」で大きく販売額が減少しています。『週刊朝日』もその流れに逆らえず、休刊となってしまいました。

【雑誌販売額】

出版科学研究所「雑誌販売額」より著者作成

拡大画像表示新聞と週刊誌が不調…朝日新聞社は何で稼ぐ?

新聞や週刊誌の販売が振るわない中、朝日新聞社はどうやって収益を得ているのでしょうか。実は、朝日新聞社の稼ぎ頭は不動産となっています。

朝日新聞社は3つの事業セグメントを持っており、うち最大の売上高を持つのは朝日新聞などが含まれる「メディア・コンテンツ事業」です。しかし利益では「不動産事業」に頼るところが大きく、2022年3月期では同セグメントが最大の利益を稼ぎ出しました。

【朝日新聞社のセグメント情報(2022年3月期)】

出所:朝日新聞社 2022年3月期有価証券報告書

朝日新聞社は「中期経営計画2023」を策定し、2021年度から2023年度を「持続可能な成長軌道への道筋をつけ、未来を切り開いていく3年間」と位置付けました。計画の中ではデジタル、不動産、イベントを収益の柱に据える一方、プリントメディア事業は合理化を進めるとしています。朝日新聞社は『週刊朝日』以外にも人気雑誌を持ちますが、今後は紙媒体のものは規模を縮小させるかもしれません。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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