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リーマン・ショックで「地獄に仏」と感じた―人気投資家が“配当金”の魅力に開眼したきっかけ

Finasee / 2023年4月14日 11時0分

リーマン・ショックで「地獄に仏」と感じた―人気投資家が“配当金”の魅力に開眼したきっかけ

Finasee(フィナシー)

相場の不透明感の増す環境下で、配当株への注目度が高まっています。自身も配当株投資を行う配当太郎さんによれば、配当株投資は、株価に一喜一憂することなく時間をかけて利益を積み上げる投資方法であり、基本を押さえれば誰にでもできるといいます。

そんな配当株投資の魅力と、着実に資産を増やしていく方法を分かりやすく解説したのが、著書『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』。今回は特別に同書「はじめに」の一部を公開します(前後編の前編)。

※本稿は配当太郎著『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

株式投資で痛い目を見た人が配当株投資を始める理由

日本人の平均年収は、この30年間、ほとんど上がっていません。

バブル崩壊以降、日本人の賃金や生産性は先進国の中で最低レベルとなっていますから、日本が世界第3位の経済大国であることなど、ほとんどの人が忘れてしまったように感じています。

30年間も賃金が上がっていないため、最近は20~40代の現役世代を中心として、日本人の間で「投資熱」が高まっているといわれます。

若い世代の人は生活防衛のための手段として、中高年の方々は老後を安心して過ごすために、株式投資に注目しているようです。

この本を手に取ってくださった方も、ほとんどが次の5つのどれかに当てはまるのではないでしょうか?

① これから株式投資を始めたい
② 着実に資産を増やせる投資法を探している
③ 株式投資で痛い目を見たので再挑戦したい
④ 年金や貯蓄だけでは老後の生活が不安
⑤ 給料の他に安定した収入源が欲しい

本書で紹介する「配当株投資」は、こうした人にこそ、適した投資法だと思います。

逆の見方をすれば、この5つが配当株投資の最大の持ち味ということができます。

配当株投資とは、株を保有していることで、その企業が利益の中から株主に分配する「配当金」によって利益を得る……という投資法です。

この本では、配当金を主な目的とした株式投資を「配当株投資」と称しています。

株式投資というと、切った張ったの派手なマネーゲームを連想する人もいるかもしれませんが、配当株投資はそうしたギャンブル的な要素とは無縁な存在です。

10万円を投資しても、それが明日には100万円に化けることは期待できませんが、着実に配当金を積み上げていけば、やがて毎年100万円の利益を手にする日がやってきます。

その間、株価の動向に一喜一憂する必要はなく、仕事の合い間などに忙しなく株を売買する必要もないのが、この配当株投資の一番の利点です。

稼ぐ力があり、株主に対してきちんと利益を還元する企業に投資して、配当金が積み上がっていくのを淡々と楽しむ……。

これが配当株投資の本質であり、無謀な株の売り買いを繰り返さなくても、十分に恩恵を受けることができるのです。

私は現在、ツイッターで「配当株投資」の魅力を発信し続けていますが、2021年2月から始めて、およそ2年の間にフォロワー数は7万5000を超えています。

ツイッターを始めた動機は「なぜ、これほど魅力的な配当株投資を、多くの人が注目しないのだろう?」という素朴な疑問を持ったことが出発点ですが、私が授かった配当株投資の数々の恩恵に対しての「恩返し」の気持ちもあります。

私がこの本の執筆を決めた理由は、もっと詳しく、もっと深く、もっと幅広い世代の人たちに、配当株投資の魅力をお伝えしたいと考えたからです。

リーマン・ショックに直撃されて配当株投資の底力を認識

私がなぜ、配当株投資と真剣に向き合うようになったのか?

その経緯をお伝えすることで、配当株投資が持つ「ポテンシャル」(潜在能力)の高さや「底力」の一端をご理解いただけると思います。

私が初めて証券会社に自分の口座を開いたのは2006年の夏ですから、16年ほど前のことになります。

子供の頃から、お金を貯めたりするのが好きだったこともありますが、その当時は「村上ファンド」の村上世彰さんや「ライブドア」の堀江貴文さんがメディアを騒然とさせていた時代ですから、ごく自然に株式投資に目が向いたのだと思います。

その頃は学生だったので、単純に「株を持っていれば、テレビ局が買えちゃうのか!?」という程度の認識しかなく、「何だかよくわからないけど、株って凄いんだな」と思うようになって、株式投資のイロハを学び始めました。

世の中に、預貯金の他にお金を増やす方法があることを初めて知って、「何だか面白そうだな」という好奇心だけで株式投資を始めたという感じです。

運がよかったのは、「ライブドア・ショック」の後遺症によって、株価が底をついた時期だったことです。

あまり深く考えずに、話題になっている銘柄を適当に選んで売買していたら、わずか1カ月くらいで、すぐに利益が積み上がりました。

利益といっても、100万円くらいの話ですが、まだ10代の学生にとっては、十分すぎるほどの大金です。

「株式投資というのは、自分に合っているのかな?」
勝手に舞い上がって、軽く浮かれたような気分になっていました。

このまま株式投資を続けていけば、簡単に1億円くらい手に入るのではないか……と思い始めた矢先に、リーマン・ショックに直撃されて、見事に奈落の底に突き落とされました。

株式投資を始めて3年目の2008年の9~10月のことです。

私の持っている株も、軒並み大幅な値下がりをしていましたから、本当に目の前が真っ暗になるような絶望感を味わいました。

この地獄を体験したことで、初めて配当株投資を意識するようになりました。

その当時、日経平均株価はバブル後を下回る26年ぶりの安値水準を記録しましたが、そんな状況であっても、着実に黒字を出している企業があり、数千円とか、数万円の配当金が入ってきました。

「地獄に仏」といったら大げさですが、これにはすごく助けられました。

金銭的にも心理的にもドン底に突き落とされた状態ですから、わずかな金額であっても、救いの神が優しく手を差し伸べてくれたように感じられました。

ありがたいなぁ、すごいなぁ。

それまで何とも思っていなかった「配当金」について、改めてその意味と価値を見つめ直すきっかけになりました。

株価がどんなに下落しても、企業が頑張って稼いでくれれば利益をもたらしてくれるのですから、これほど頼もしい存在はありません。

私に限らず、現在、配当株投資をやっている人の多くは、リーマン・ショックや、2011年の東日本大震災、2020年のコロナ・ショックなどで手痛い失敗を経験しているのではないでしょうか。

2022年に配当株投資が再注目されたのも、株価の低迷によって痛い思いをした人たちが、改めてその「底力」に着目したからだと考えています。

●後編(株価は気にしない! 「配当株投資」なら誰でもお金を雪ダルマ式に増やせる“理由”)では、配当株投資はどのような”手順”で進めるのかを解説します。

年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資
 

配当太郎 著
発行 クロスメディア・パブリッシング
定価 1738円(税込)

配当太郎/投資家

学生時代に株式投資を始め、リーマン・ショックを経て、配当株投資に目覚める。大型株を中心に投資し、保有銘柄の9割は配当金が年々増える「増配銘柄」が占める。

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