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「パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)」がインカム重視の人におすすめできる理由

Finasee / 2023年4月4日 19時0分

「パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)」がインカム重視の人におすすめできる理由

Finasee(フィナシー)

純資産総額が10倍に増加した注目ファンド

「パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)」の純資産総額が急増しています。2021年末時点ではおよそ60億円でしたが、2023年2月には約636億円と10倍以上に成長しました。

【パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)】 

出所:投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」より著者作成

パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)は、なぜ急に資金が集まったのでしょうか。

金利上昇に対する耐性が選好

パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)は、金利上昇に対する耐性の強さが評価され、資金が流入している可能性があります。

パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)は2022年、金利が強く上昇する中、プラスのリターンを確保しました。円安によるところが大きいとはいえ、一般に債券価格を押し下げる金利上昇局面で債券型ファンドが利益を残すことは簡単ではありません。

パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)が利益を残せた要因として、「修正デュレーション」の短さがあるでしょう。金利変動に対する感応度を表す指標で、一般にこれが短いほど金利上昇時の値下がりは小さくなります。パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)の修正デュレーションは、2023年2月末時点で4.3年と比較的短い水準となりました。

【ポートフォリオ特性(2023年2月末時点)】
・修正デュレーション:4.3年
・直接利回り:7.0%
・最終利回り:7.5%
・平均格付け:BBB

修正デュレーションは、基本的に利回りが高いほど短くなります。パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)が投資する「劣後債」や「優先証券」、「CoCo債(偶発転換社債)」は、いずれも普通債券より弁済順位が低く、その分利回りが高い傾向にあります。ポートフォリオ全体の利回りも高い水準となり、修正デュレーションの短さにつながりました。

【各資産の利回り比較(2022年2月末時点)】 

出所:月次レポート(基準日:2022年2月末)より著者作成世界的金融グループ発行という安心感

世界の大手金融機関が発行するキャピタル証券(※)に投資する点も、パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)に資金が流入する理由の1つだと考えられます。

※キャピタル証券:劣後債やCoCo債(偶発転換社債)など、株式と債券の両方の性質を持つ有価証券の総称。ハイブリッド証券とも。

パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)が投資するキャピタル証券の発行体は、主に世界的な金融機関です。世界の大手金融機関はもともと財務が健全な傾向にあったところ、リーマンショック以降は「バーゼル規制」に基づき、より高い自己資本比率を求められるようになりました。

【組入れ発行体の例】
・UBS
・スタンダードチャータード
・バークレイズ
・クレディ・アグリコル・グループ
・ドイツ銀行
・BNPパリバ
・ソシエテジェネラル

これらの金融機関が破綻する可能性は相対的に低く、投資家もパインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)に資金を預けやすく感じているのかもしれません。

インカムゲイン重視の人におすすめの1本

パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)は、日本を含む世界のキャピタル証券で運用されるため、高い利回りが見込まれます。またデュレーションの短さから金利感応度が比較的小さいこと、世界的な金融機関が発行するキャピタル証券に投資することから、ある程度安定した運用にも期待しやすいでしょう。

これらのことから、パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)は、積極的に値上がり益の獲得を目指す人より、インカムゲイン重視の人に向いている投資信託といえます。高い利回りを追求したい人は、パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)への投資も検討してください。

ただしキャピタル証券は、発行体の財務が悪化すると強制的に元利金が削減される可能性があることに注意が必要です。2023年3月には、クレディ・スイス・グループ発行の「AT1債(Additional Tier1債)」が無価値化される事態が発生しています。

このように、キャピタル証券は高い利回りに期待できる一方、普通債券にない独特のリスクもあります。投資の前に必ず目論見書を確認し、リスクを十分把握してから判断してください。

【パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)の概要】

銘柄 パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし) 運用会社 パインブリッジ・インベストメンツ ファンドのタイプ 内外債券型 設定日 2015年9月4日 信託期間 2029年7月30日まで 決算日 2・5・8・11月の各16日 受渡期間 6営業日 販売手数料(最大、税込み) 3.3% 信託報酬(全体、税込み)      1.463% 信託報酬(販売会社、税込み) 0.77% 信託財産留保額 0.3% 販売会社 みずほ証券

 

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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