「電気代が倍に…」追い詰められた家族の家計が一気に好転、何をした
Finasee / 2023年4月12日 11時0分
Finasee(フィナシー)
郷田航さん(仮名)は都内の賃貸マンションで妻と幼い娘と3人暮らし。夫婦ともに「住宅ローンの返済に追われるような生活はしたくない」という意見で、結婚してから10年間ずっと賃貸ライフを送っています。
ところがオール電化の郷田さん宅は、今年に入ってからエネルギー価格の高騰で電気代が1年前の倍以上になり、さらに4月の賃貸契約更新で家賃が2万円値上がりすることに。家計を維持するのが難しくなり、生活に余裕がなくなりました。
そんな時、郷田さん一家は友人家族の住む分譲マンションに招かれます。そこで賃貸マンションとは全く違うエントランスや居室のつくりを目の当たりにし、友人の「ある言葉」にショックを受けます。賃貸生活を選んだのは失敗だったのか――。思い悩んだ郷田さんは……。
●「賃貸って…」友人の言葉に絶句
※前編【賃貸暮らし夫婦が言葉失う…「持ち家」友人に言われたショックな事実】からの続き
「住宅ローンに縛られて、やりたいことを我慢するような生活は絶対にしたくない」。そんな思いからこの10年間、賃貸生活を謳歌してきたわが家。共働きで家賃を払ってもそれなりの余裕があり、わずかながら貯蓄もできたし、親子3人の生活を楽しんできました。しかし、昨今のインフレで、そんな生活に大きな疑問符がつきました。
電気代が倍以上になり、家賃も4月から2万円アップします。にもかかわらず、妻も私も給料は据え置き。多少のベースアップはあったとしても、健康保険や雇用保険の保険料が上がりますから手取りは実質減でしょう。
そんな時にマイホーム派の友人のマンションに招かれ、私たち夫婦の心は揺れました。分譲マンションはやはり立派で住み心地が良さそうだし、固定金利ローンを利用した友人の返済額はわが家の家賃を大きく下回っていたからです。「賃貸って毎月の家賃を捨てているようなものじゃないの?」という友人の言葉も胸をえぐりました。
「やりたいことを我慢するような生活をしたくない」と言いながら、現実には我慢の生活になりつつある。そんな中で、妻が言い出したのが「私たちだけで悶々としていても仕方ないから、専門家の意見を聞いてみようよ」ということでした。私としても異論はありません。早速、会社で研修担当の妻が以前仕事をお願いしたことのあるファイナンシャルプランナー(FP)の谷さんの相談を受けることにしました。
「持ち家か賃貸か」に正解はない!谷さんはキャリア20年のベテランで年齢は40代後半、わが家の最寄り駅から2駅ほど離れた私鉄の急行停車駅の近くに事務所を構えていました。「“地域密着型FP”がモットーです。一応はお金の専門家ですが、貯蓄や住宅ローンから相続まで、結構守備範囲が広いんです」と笑う姿は、頼りになる兄貴分という感じです。聞き上手でもあり、私たちは気付けば、谷さんの前でこれまでの経緯や不安、揺れる思いを一切合切吐き出していました。
時に相づちを打ちながら私たちの言葉に熱心に耳を傾けてくれた谷さんは、私たちの話をひと通り聞いた後、「それで、郷田さんはどうしたいんですか?」と尋ねてきました。
「郷田さんもこれまでいろいろな情報を目にしてきたと思うけれど、『持ち家か、賃貸か』という命題に正解はないんです。住居費の総額はどちらが低く抑えられるかというシミュレーションも、その人のライフスタイルや経済環境によって大きく変わります。ご友人の方はたまたま金利の底で住宅ローンを借りることができて、いい物件を購入された。でも、今後ご友人と同じ条件でマンションが購入できるとは限りません。逆に、不動産市場が暴落して、ご友人のマンションの資産価値が大きく低下する可能性だってゼロではないんです。だから、こういうご相談を受けた時は、その方の希望に沿って今できる最善の策を一緒に考えることにしています」
転勤の多い人や、勤務先で社宅や住宅補助の制度が充実しているなら、慌ててマイホームを購入する必要はないかもしれない。一方で、資産バブルの時代にマイホームを買っておけば価値がどんどん上がるけれど、デフレが続く時は安い家賃で賃貸を続けるのも1つの選択肢となる……。谷さんの話を聞いているうちに、心のもやもやが少し薄れてきたのを感じました。隣で妻が「私はやっぱり賃貸のままでいいかな」とつぶやくのを聞いて、「私も同じです」とうなずきました。
“掘り出し物”の賃貸に引っ越し、家計にも余裕「それなら、お子さんの保育所の問題はありますが、更新を機にもう少し値ごろな物件を探してみてはいかがですか? 今はオール電化にこだわらない方がいいかもしれません。引っ越しをするなら、それを機にお得な電気料金のプランを検討してみてください」
そうと決まると、谷さんの動きは迅速でした。地域密着型を名乗るだけあってわが家の地元の不動産屋さんにも顔が利くようで、1週間もたたないうちに物件のリストが送られてきました。私たちも仕事の合間を縫って内覧に通い、たちまち引っ越し先が決まりました。最寄り駅は同じで築年数は古いものの駅には近く、さらに、今の家より広いのに家賃は3万円も安いという“掘り出し物”です。
4月以降も今のマンションに住み続けるより家賃は5万円マイナス、電気代も新しい料金プランだと月々2万円マイナスとなり、私たちの小遣いも余裕で確保できそうです。「ここに決めました!」と報告のメールを送ると、谷さんからは「気軽に引っ越しできるのが賃貸暮らしのメリットですから(笑)。今は人が動く時期なので物件も豊富みたいですよ。その分、引っ越し代はちょっと高くつくかもしれませんが……」と返信がありました。
今は引っ越したばかりで落ち着きませんが、一段落したら、また夫婦で谷さんの事務所を訪れたいと思っています。谷さんの話を伺い、目先の問題だけでなく、もっと長期的な視点から家族のライフプランを考えていく必要性を痛感したからです。
私たち夫婦の資産の運用、娘の教育資金、親からの相続、老後資金のつくり方など、谷さんには教えてほしいことが山ほどあります。この出会いを機に、私たち家族の人生のアドバイザーとして、今後とも谷さんと末永くお付き合いをさせていただけたらと思っています。
●31歳の会社員が新築タワマン購入で大失敗? 詳しくは【「タワマン最上階」契約後にまさかの事態…明るい妻が豹変した決定打】(本サイト記事)で紹介します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。
Finasee編集部
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