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選挙で680億円…解散するたび“もうかる”企業、投資のチャンスにも?

Finasee / 2023年5月14日 11時0分

選挙で680億円…解散するたび“もうかる”企業、投資のチャンスにも?

Finasee(フィナシー)

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日本国憲法は1946年に公布されて以来、一度も改正されたことがありません。これを実施するための重要な法律が「国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)」で、2007年5月14日に成立しました。

国民投票法ができたことで憲法改正の環境は整備されたものの、依然そのハードルは高く、実現にはまだ時間がかかりそうです。しかし与党である自民党は憲法改正を悲願としており、また2007年8月に設置された憲法審査会では改正原案の検討が続いていることから、いずれ実施されるかもしれません。

憲法改正は、どのような手続きで実施されるのでしょうか。

憲法改正に必要な「国民投票」とは

そもそも国民投票法が整備されたのは、憲法の改正には国民投票で過半数の賛成が必要だと憲法に明記されているためです。国民投票法ができるまでは、これを実施する方法がない状況にありました。

【日本国憲法第96条(一部抜粋)】
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

出所:e-Gov法令検索 日本国憲法

国民投票は、大まかに以下のような流れで行うとされています。まずは改正原案の審議がなされますが、国会議員が改正原案を提出する場合、衆議院に提出する場合は100人以上、参議院に提出する場合は50人以上の議員の賛成が必要です。この原案が両院で3分の2以上の賛成を獲得すると、国民投票が実施されることになります。

【国民投票実施の流れ】
1.衆議院100人以上、参議院50人以上の賛成で憲法改正の原案が発議
2.衆議院と参議院の3分の2以上の賛成で憲法改正が発議
3.憲法改正の発議から60~180日以内で国民投票の期日を決定
4.両議院10人ずつで構成される「広報協議会」を中心に国民へ周知
5.政党やその他の団体などが一定のルールの下「国民投票運動」を実施
6.投票

出所:政府広報オンライン 「国民投票法」って何だろう?

国民投票は、満18歳以上の日本国民が投票できます。ただし、国民投票に際して賛成や反対などを呼び掛ける「国民投票運動」は、一部の公務員や教師は行うことができません(国民投票法第102条、103条)。

与党が目指す憲法改正案

国民投票は、その手順も大切ですが、改正内容の方がより重要でしょう。自民党は2012年4月、憲法改正の草案を決定し、公表しました。これによれば、「国防軍」を設置すること、国に教育環境の整備を義務付けることなどが明記されています。なお、現在は国防軍ではなく「自衛隊」と明記することの是非が議論されています。

【自民党「日本国憲法改正草案」の主な条文(一部抜粋)】

出所:自由民主党 日本国憲法改正草案

他に個人情報の不正取得の禁止(第19条の2)や、国の国民に対する説明責任(第21条の2)も新たに明記されました。主な変更点としては、憲法改正の発議に必要な国会議員の賛成を3分の2以上から過半数へ緩和していること(第100条)、選挙権に日本国籍要件を付していること(第15条3項)などがあります。

もっとも、これはあくまで自民党の草案であり、また作成が10年以上前と古い点には注意が必要です。

実はビジネスチャンス? 知られざる選挙の経済効果

選挙は民主主義を実現させるための重要なプロセスですが、実は経済効果の側面も見逃せません。総務省の行政事業レビューシートによると、2019年に行われた参議院選挙では約571億円、2021年に行われた衆議院選挙では約687億円の予算が計上されました。

この資金は、地方自治体への委託費が大部分を占めますが、一部は民間企業にも支払われます。マスコミや広告代理店が代表的で、これらは新聞広告や政見放送など経費として使われます。他に、投開票システムの運用のためシステム会社に経費が使われたり、投票用紙や選挙ポスターのために印刷会社などに資金が使われたりすることも多いようです。委託を受けた地方自治体でも、同じように民間企業へ資金が支払われているでしょう。

このように、選挙にまつわる仕事を引き受ける民間企業は少なくありません。選挙が増えるほど、これらの企業は業績が向上すると考えられます。選挙のお知らせを見たら、このような事業を展開している上場会社をチェックしてみてはいかがでしょうか。思わぬ投資のチャンスがあるかもしれません。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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