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沖縄県民はなぜ低所得? 全国最低…追い打ちかける国の「制度改正」

Finasee / 2023年5月15日 7時0分

沖縄県民はなぜ低所得? 全国最低…追い打ちかける国の「制度改正」

Finasee(フィナシー)

・選挙で680億円…解散するたび“もうかる”企業、投資のチャンスにも?

新型コロナウイルスの感染が落ち着き、観光地には活気が戻りつつあります。中でも沖縄県は回復の兆しが強く、2022年は前年比88.9%増となる約570万人もの観光客を獲得しました。今年はさらに多くの人が沖縄県を訪れるでしょう。

5月15日は沖縄が本土に復帰した記念日です。それにちなみ、沖縄観光の魅力や経済の強みについて触れてみましょう。

公設市場もリニューアル! コロナ前よりパワーアップした沖縄観光

ここ数年、沖縄の観光スポットは大きく様変わりしています。例えば沖縄といえばジンベエザメで有名な「美ら海水族館」が人気ですが、2020年5月には「DMMかりゆし水族館」がオープンしました。

DMMかりゆし水族館では、色鮮やかな熱帯魚はもちろん、コツメカワウソやフンボルトペンギンといった人気の動物や鳥類が、多彩な映像表現で演出されています。また那覇空港から車で20分とアクセスがよく、短期旅行の人にもおすすめです。

さらに沖縄ファンにはおなじみの「第一牧志(まきし)公設市場」も、2023年3月にリニューアルオープンしました。旧市場と同じ場所に建て替えられた新市場には多くの鮮魚店や精肉店が軒を連ねており、1階で購入した食材を2階の飲食店で調理してもらえる「持ち上げ」システムも健在です。新しくなった第一牧志公設市場 で、沖縄ならではの食事を楽しんではいかがでしょうか。

また2019年10月に火災による大きな被害を受けた首里城も、着々と復興が進んでいます。正殿など一部立ち入り禁止のエリアはありますが、シンボル的な存在の守礼門(しゅれいもん)や瑞泉門(ずいせんもん)などを巡ることができます。首里城公園が推奨する「首里城復興モデルコース」も参考にしてみてください。

沖縄経済の強みと意外な弱点

日本屈指の観光地である沖縄県は、大きな観光収入が強みです。新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込みますが、2019年では7000億円を超える観光収入がありました。沖縄経済へ与える影響も大きく、2017年度では沖縄県内で約1兆1700億円もの経済波及効果と約14万人もの雇用を誘発したと推計されています。

【沖縄県の観光収入】

沖縄県「観光収入・経済波及効果」より著者作成

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増加する人口も、沖縄経済の強みです。総務省の「人口推計(2022年)」によると、2022年10月1日時点の沖縄県の総人口は146万8000人と推計されており、2000年比でおよそ15万人、本土復帰した1972年比ではおよそ50万人増加しました。

【10月1日時点の人口(2010年=100)】

総務省「人口推計(2022年)」より著者作成

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一方、沖縄経済の弱点としてよく挙げられるのが、1人あたり県民所得の低さです。県内の個人や企業が生み出した所得を県民1人あたりに直した数値のことで、沖縄県は全国最下位となっています。2019年では約240万円で、これは全国平均の7割ほどしかありません。

【1人あたり県民所得(2019年)】

内閣府 経済社会総合研究所「県民経済計算」より著者作成

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また、経済格差の大きさも沖縄が抱える課題です。「全国家計構造調査(2019年)」では、一般に格差の大きさを示すといわれるジニ係数は沖縄県が最も大きくなりました。特に子どもの貧困が問題視されており、その対策が強く求められています。

【等価可処分所得ジニ係数ワースト5都道府県(2019年)】
1.沖縄県:0.332
2.高知県:0.324
3.愛媛県:0.313
4.栃木県:0.303
5.東京都:0.303
5.和歌山県:0.303
参考)全国:0.288

出所:総務省 全国家計構造調査(2019年)

沖縄の「泡盛」がピンチ? 酒税軽減の段階的廃止が決定

沖縄県は戦時中大きな戦災に見舞われたことから、その復興を目的に1971年に「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」が公布されました。これにより沖縄県内の酒造メーカーは酒税の軽減措置が取られ、2021年では県内向けに出荷される泡盛で本土より35%、ビールで本土より20%軽減されています。

この優遇措置は50年以上続いてきましたが、2022年度税制改正で段階的に廃止されることが決まりました。泡盛は2032年5月に、ビールは2026年10月に本土と同じ酒税が課せられることとなります。

【沖縄における酒税軽減措置の段階定期廃止の概要(泡盛)】

 

【沖縄における酒税軽減措置の段階定期廃止の概要(ビール)】

 

出所:財務省 租税特別措置法等(間接税等関係)の改正

この改正で、特に規模の小さい泡盛メーカーで経営が懸念されます。沖縄を訪れた際は、現地のお酒を買って応援してみてはいかがでしょうか。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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