働く女性が増えても「半数は非正規」という事実…遠い雇用の男女平等
Finasee / 2023年5月17日 7時0分
![働く女性が増えても「半数は非正規」という事実…遠い雇用の男女平等](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/finasee/finasee_12027_0-small.jpg)
Finasee(フィナシー)
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1979年に国連で女子差別撤廃条約が採択されました。日本も1985年に締結し、同年5月17日に職場における男女平等を目指す「男女雇用機会均等法」が成立します。同法が成立した当時の女性の雇用者数は男性の半分程度でしたが、2022年では男性の約0.85倍にまで増加しています。
【男女の雇用者数倍率(女性÷男性)】
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雇用者数の推移から、女性の社会進出は大きく進みました。しかし、まだ性別による格差は完全には解消されていないようです。新型コロナウイルスの感染が拡大したとき、その構造が一部表面化しました。
女性に強く表れたコロナのしわ寄せ初めて緊急事態宣言が出された2020年4月、男女とも就業者数は大きく減少しました。同年1月からの減少幅は女性で約74万人、男性で約41万人と、もともとの就業者数が少ないにもかかわらず女性の方が大きく減少していることが分かります。
【就業者数の推移(2020年1月~2021年3月)】
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コロナの影響が女性に強く表れた理由の1つに、雇用形態の違いがあるとみられます。役員を除くと、男性は正規雇用が全体のおよそ8割を占める一方、女性は約半数が非正規雇用です。非正規雇用は一般に不景気下で採用を減らされやすく、その割合が大きい女性でコロナの影響が強く生じたと考えられます。
【男女別、雇用形態別の人数(2020年)】
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コロナ禍で男女間の格差が改めて突き付けられることになりましたが、長期的には改善されている項目もあります。例えば女性の労働力率(※)を年齢階級別に並べたときに現れる「M字カーブ」は、近年緩和されてきました。
※労働力率:労働力人口(就業者+完全失業者)÷15歳以上人口×100(%)
【女性の年齢階級別の労働力率】
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M字カーブは、女性が出産や育児などから20~30代に職を離れざるを得ないことが原因で生じると考えられています。この改善が進んだということは、単純に考えれば出産や育児でキャリアを諦める女性が減ったと評価できます。諸外国と比較しても、差はあまり見られなくなりました。
【諸外国における女性の年齢階級別の労働力率(2019年)】
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女性の社会進出は、実は投資信託の運用テーマにもよく採用されています。例えば女性の活躍をテーマにしたETFとして、大和アセットマネジメントの「iFree ETF MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」と、野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)連動型上場投信」があります。
前者は性別多様性に優れた企業で構成される「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」への連動を目指し、後者はさらに企業の成長性も加味して銘柄を選別する「MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)」への連動を目指します。どちらも国内の時価総額上位700銘柄で構成される「MSCIジャパンIMIトップ700指数」を親指数に持ち、構成銘柄に違いはほとんどありません。
両指数のパフォーマンスは、2019年と2020年はMSCIジャパンIMIトップ700指数を上回ったものの、2021年は下回りました。また2023年3月末時点の3年騰落率も親指数を下回っており、銘柄選定の効果はいまひとつ表れていないといえそうです。
【各株価指数の年次リターン】
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上場しない通常の投資信託にも、女性の活躍をテーマとする銘柄があります。女性を積極的に活用する企業や女性の活躍を助けるような事業を展開している企業など、いずれも女性の活躍をテーマとしてファンド独自に銘柄を選定します。
【主な女性活躍ファンドの概要】
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ファンドごとに銘柄選定の基準や戦略が異なるため、同じ女性の活躍をテーマとしていても、運用内容は一致するとは限りません。例えば4ファンドの運用期間がそろう2015年7月末から2023年3月末でリターンを比較すると、「女性活躍応援ファンド(愛称:椿)」が他3ファンドを大きく引き離しました。
【各女性活躍ファンドの値動き(基準価額+分配金)】
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執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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